2009年7月7日

総務省消防庁、平成20年中の火災の状況(確定値)を公表

総務省消防庁は、2008年(平成20年)中の火災の状況を取りまとめ公表しました。

出火件数は52,394件で、2007年(平成19年)から2,188件減少(-4.0%)しました。死傷者も前年比で減少しており、死者は36人減(-1.8%)の1,969人、負傷者は7,998人で492人減(-5.8%)となっています。火災による損害額は1,084億1,681万円(177億4,511万円減、-14.1%)でした。

火災原因のトップは放火で、疑いを含めると1万776件(全火災の20.6%)に上ります。第2位はこんろ、第3位はたばことなっており、建物火災ではこんろやたばこ、林野火災ではたき火や火入れによる火災が多くなっています。火災による死傷者の多くは住宅火災で発生しており、死者は全体の67.3%に当たる1,325人、負傷者は4,929人(70.9%)で、総火災件数に占める建物火災の割合(57.4%)を上回っています。建物火災に限ると、住宅火災による死者の割合は9割近くなっています。

総務省消防庁では、住宅火災による死者を減らすため、住宅用火災警報器の普及など、住宅防火対策への取り組みを強化するとしているほか、放火防止のためのソフト、ハード両面からの対策推進や林野火災対策、産業施設の防災対策を進めています。

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国土交通省、XバンドMPレーダーの整備、技術開発促進

国土交通省は、Xバンドマルチパラメーター(MP)レーダーの整備や技術開発を促進し、ゲリラ豪雨などの局地的な大雨や集中豪雨への対策を強化します。

XバンドMPレーダーは、従来のCバンドレーダーよりも高い精度で降水や雲の動きを観測できるほか、三次元的に雨粒の形成過程を観測することが可能で、風向を把握できるドップラー観測や二重偏波により雨粒形状を捉える機能も持ちます。2009年度(平成21年度)中に関東と中部、近畿、北陸にXバンドMPレーダー11基を整備するほか、2009年度補正予算で中国、四国への設置を進めます。

また、産学官が連携して技術研究開発を進めるため「XバンドMPレーダに関する技術開発コンソーシアム(仮称)」を発足させます。さらに、2009年度から始まった「河川技術研究開発制度」を活用し、コンソーシアムの研究に対する財政支援を行うことで技術開発の促進を図ります。

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三菱ふそうの大型車などに燃料漏れから火災の恐れ

三菱ふそうトラック・バスは、2006年(平成18年)6月から2008年(平成20年)8月にかけて製造した大型トラック「スーパーグレート」と大型バス「エアロエース」に、燃料の混じったエンジンオイルが漏れて火災に至る恐れがあるとしてリコールを届け出ました。

燃料供給ポンプの加工が不適切なため、ポンプ内部に亀裂が発生して燃料が漏れ、エンジンオイルに混入する恐れがあります。燃料の混じったオイルが吸気管からシリンダー内に吸入されて、エンジン回転が上昇したり停止、始動不能となる可能性があるほか、最悪の場合、燃料の混じったエンジンオイルが漏れて火災に至る恐れがあるとのことです。同社が2008年12月と2009年(平成21年)6月に届け出たリコールについて、新たな原因が判明したとして対象車両を追加して届け出たものです。

また、産業車両製造のTCM(東京都港区)が製造したロータリー除雪車と大型フォークリフト、海上コンテナ荷役用車両「リーチスタッカー」計18台と加藤製作所(東京都品川区)が製造したラフテレーンクレーン23台、日本除雪機製作所(札幌市手稲区)が製造した除雪車4台にも同じ不具合があるとして3社がリコールを届け出ています。

各社では、ユーザーに連絡を取った上で燃料供給ポンプを良品と交換することにしています。

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NINTENDO DS用地震防災教育ソフトが発売

防災教育などの防災ソリューションを提供しているイオタ(横浜市青葉区)が、NINTENDO DS用防災教育ソフト「地震DS72時間」を発売しました。

本格的な被災者支援が始まるまでの、発災から72時間=3日間を生き延びるために必要な知識が盛り込まれています。家庭や地域、学校、職場、交通機関など36の場面で、正しい対応をクイズ型式で学ぶことのできる「チャレンジシティ」と、およそ470項目を掲載した「防災辞典」、自分の防災力を確かめることができる「防災力検定」で構成され、ゲームとしてだけでなく、実際の災害時にも活用できるようになっています。

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2009年7月6日

日本脳卒中協会、「脳卒中対策基本法要綱案」取りまとめ

日本脳卒中協会は、脳卒中の予防や早期治療の体制を国を挙げて整備するための「脳卒中対策基本法(仮称)」の要綱案を取りまとめました。

協会では、脳卒中の予防や発症時の対応についての啓発を進めるには、行政の力なしでは限界があるとしているほか、脳梗塞患者の約2%しかt-PA(組織性プラスミノーゲン活性化因子)による治療を受けられない現状を改善するには省庁を超えた調整が不可欠と指摘、脳卒中対策の法制化が必要であるとして検討を進めていました。

要綱案では、国と都道府県に「脳卒中対策推進基本計画」の策定を義務付けているほか、脳卒中予防の啓発や、発症時に適切な医療を受けられる体制の整備などを求めています。また、国民も生活習慣が発症に与える影響などの正しい知識を持ち、予防に努めなければならないとしました。

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札幌市消防局で誤納入の薬剤による静脈路確保

札幌市消防局は、救急救命士が行う静脈路確保のための輸液に、厚生労働省告示で認められている「乳酸リンゲル液」ではなく「リンゲル液」を使用していたことを公表しました。

2008年(平成20年)8月に業者が誤ってリンゲル液を納入、受入検査などで誤納入に気づかないまま救急隊で使用していました。2009年(平成21年)5月に救急隊から消防局の警防部救急課へ問い合わせがあり明らかになりました。

消防局から報告を受けた札幌市救急業務検討委員会では、乳酸リンゲル液ではなくリンゲル液を使用しても医学的な差はないと考えられるとしているほか、リンゲル液を使用した47症例と使用した可能性のある69症例について予後への影響などの調査を進めています。また、検討委員会から再発防止のための提言が行われ、従来マスクや三角巾などの救急消耗品と同様の扱いで各消防署に納入されていたものを警防部救急課で一括して受領することや、「医薬品等管理要領」で定める管理品目への追加、救急隊への配布時や使用時のチェックと記録の徹底などが示されました。

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