2013年9月6日

ゼンリンと横浜市、地図提供などで協定を締結

横浜市は、2013年(平成25年)9月4日、ゼンリン(北九州市小倉区)と地図の提供や作成などで連携する「災害時における協力体制を構築するための協定」を締結したと発表しました。

ゼンリンから横浜市全域をカバーするA0版の広域図17枚と市内18区の住宅地図帳2セット、住宅地図のネット配信サービス「ZNET TOWN」の提供を受けるほか、災害発生時の地図複製についてあらかじめ許諾を受けることで防災訓練や実際の災害時に活用できるようになります。また、訓練などから得られた地図に対するニーズなどを共有し、より防災・減災に有効な地図の作成につなげます。

ゼンリンでは、これまで被災自治体などへ無償で地図提供などを行っていましたが、自治体との間で地図の提供や作成などの連携協定を締結するのは今回が初めてとのことです。

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東日本大震災での福祉避難所、課題調査 岩手県立大学

岩手県と岩手県立大学は、「東日本大震災津波における福祉避難所の状況と課題についての調査研究報告書」を取りまとめました。

報告書によると、岩手県内で震災前に福祉避難所の指定を行っていたのは4市町で、沿岸部では大槌町のみでした。また、福祉避難所で受け入れる要援護者についてあらかじめ把握しておくなどの取り組みは行われていませんでした。震災後に開設された福祉避難所は65か所で、その多くは福祉施設となっています。多くの福祉避難所では高齢者を受け入れた一方、障害者を受け入れた福祉避難所は少なく、特に被害が大きかった大槌町以南では2か所しかありませんでした。

厚生労働省が作成した「福祉避難所設置・運営に関するガイドライン」では、福祉避難所の設置期間を原則として7日以内としています。延長は14日程度が上限とされていますが、今回の震災では7~8か月の長期にわたって開設された福祉避難所も多く、施設の通常業務や利用者への影響が懸念される状況でした。

報告書では、これらの課題のほか、障害者や難病患者など市町村単位では受け入れ体制の確保が困難な要援護者への対応や、支援のための人材確保などについて県レベルでの連携などを提言しています。

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佐渡市の消火栓開弁不能で維持管理徹底を通知 新潟県

新潟県は、佐渡市で発生した建物火災で、開弁不能となり使用できない消火栓があった事案を受け、県内の消防本部に対して消防水利の維持管理を徹底するよう求める通知を発出しました。

佐渡市消防本部では、消火栓は年2回の目視点検と年1回の水出し点検を行うことになっていますが、開弁不能となった消火栓は2011年(平成23年)6月を最後に水出し点検を行っていませんでした。この消火栓は火災の鎮火後に行った点検で開弁できるようにしたほか、管内の約2千基の消火栓について緊急点検を行ったとのことです。

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2013年8月21日

海底地震計の陸上中継局に不具合 8月8日の緊急地震速報

気象庁は、2013年(平成25年)8月8日午後4時56分頃の地震で発表された緊急地震速報について、海底地震計からのデータを受信、処理する陸上中継局の複数の不具合が原因とする調査結果を公表しました。

東南海の海底には海底地震計が5か所設置されていて、送られてくる観測データは静岡県御前崎市の陸上中継局で時刻情報の追加と緊急地震速報のためのデータ処理などを行っています。緊急地震速報の震度予想が過大となったのは、データに時刻情報を付与している光受信装置の障害と、障害で時刻情報が不正となったデータを処理装置が破棄せず急激な加速度の変化として処理する不具合が重なったためとのことです。

気象庁では、当面の措置として障害を起こした光受信装置の交換と海底地震計の観測データの緊急地震速報への利用停止を行っていて、データ処理装置の不具合を改修して緊急地震速報への利用が再開できるまで1か月程度かかる見込みとしています。また、海底地震計の観測データを利用再開するまでの間は、東南海の海底地震計周辺を震源とする地震による緊急地震速報の発表が2秒から12秒程度遅れる場合があるとのことです。

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スプリンクラー設備の点検票に一部誤り 総務省消防庁

総務省消防庁は、2013年(平成25年)7月2日に公布された消防庁告示に一部誤りがあったとして、関連通知の差替えを求める事務連絡を発出しました。

誤りがあったのは「消防用設備等の点検の基準及び消防用設備等点検結果報告書に添付する点検票の様式を定める件の一部を改正する件」(平成25年消防庁告示第10号)で、スプリンクラー設備の点検票 別記様式第3(その1)と(その3)に点検項目の抜けなどがありました。

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2013年8月20日

『週間情報』平成25年8月20日 No.2531

両会の動き

消防実務講習会(消防実務研修・消防法令違反是正事例発表会)の開催 全国消防協会九州地区支部

全国消防協会九州地区支部では消防実務講習会を開催し、違反是正事例発表と教育講演が行われました。

消防本部の動き

新庁舎の完成 赤磐市消防本部(岡山県)

2013年(平成25年)7月28日、移転新築した消防庁舎の落成式を行いました。

式典に先立つ7月16日から業務を開始した新庁舎は3階建てで、高機能消防指令センターの機能を持った通信指令室や災害対策本部としても使用される大会議室、防災備蓄倉庫などを備えています。

少年少女消防体験入隊を実施 埼玉西部消防局(埼玉県)

埼玉西部消防局所沢中央消防署と所沢東消防署では、所沢市内在住の小学校5・6年生を対象とした「少年少女消防体験入隊」を実施しました。

2日間で合わせて159名の児童が参加し、はしご車の体験搭乗やホース延長訓練、応急処置訓練などを体験しました。

夏休み子ども教室『消防署体験』を開催 別府市消防本部(大分県)

別府市消防本部では、市内の小学生と家族計36名が参加して『消防署体験』を開催し、防災講話や放水訓練などを通じて防火意識の醸成を図りました。

合同水難救助訓練を実施 徳島市消防局(徳島県)

徳島市消防局と広域消防相互応援協定を締結している4消防本部(板野西部消防組合消防本部、名西消防組合消防本部、板野東部消防組合消防本部、小松島市消防本部)は合同で水難救助訓練を実施しました。

緊急消防援助隊後方支援隊資機材取扱訓練を実施 さいたま市消防局(埼玉県)

さいたま市消防局では、緊急消防援助隊後方支援隊の資機材取扱訓練と給食支援訓練を実施しました。

毎年人事異動後の4月と緊急消防援助隊関東ブロック合同訓練を控えた10月、資機材整備を兼ねて3月に実施しているものですが、真夏の高温・多湿環境下での後方支援活動の困難さと冷房機器の性能を検証するため7月にも実施しました。

土砂災害対応訓練を実施 鹿児島市消防局(鹿児島県)

鹿児島市中央消防署では、豪雨によるがけ崩れで人家が押しつぶされ多数の行方不明者がいるとの想定で土砂災害対応訓練を実施しました。

鹿児島市では1993年(平成5年)8月6日の豪雨災害で大きな被害を受けましたが、20年がたち消防職員の6割が災害を経験していないことから、災害を風化させないよう伝承するとともに的確な救出要領などを習得することを目的として行いました。

高所作業技術訓練を実施 和歌山市消防局(和歌山県)

和歌山市消防局では、非番職員など140名以上が参加して高所作業技術訓練を兼ねた和歌山城石垣の清掃活動を行いました。

例年2日間かけて実施していましたが、作業能力の向上により1日で大半の作業を終えることが可能になったため、観光客の多くなる夏場に1回目を実施し、秋の行楽シーズン前にも行う予定としています。

火災原因調査訓練を実施 松戸市消防局(千葉県)

松戸市消防局では、各消防署の調査班を対象とした火災原因調査訓練を実施しました。このような訓練の実施は初めての試みで、消防署の食堂を専用住宅の台所に見立てて行われ、10消防署の調査員延べ143名が参加しました。

水難救助技術研修会を開催 朝霞地区一部事務組合埼玉県南西部消防本部(埼玉県)

朝霞地区一部事務組合埼玉県南西部消防本部では、県消防学校で水難救助イン教育を修了した職員等が指導者となり、管内の中学校プールで水難救助技術研修会を開催しました。

「学校教職員応急手当普及員講習」 千葉市消防局(千葉県)

市内小中学校の教職員を対象とした応急手当普及員の講習会を開催しました。2007年(平成19年)から実施していて、今年で6年目となります。

小児に対する救命講習を実施 坂戸・鶴ヶ島消防組合消防本部(埼玉県)

坂戸・鶴ヶ島幼年消防クラブ連絡協議会では、保育士や幼稚園教諭を対象とした普通救命講習を実施しました。

消防本部の住所変更について
  • 姶良市消防本部(鹿児島県):新庁舎建設に伴い、2015年(平成27年)3月まで仮庁舎での業務となります。

国等の動き

消火訓練等における消防職団員立会い時の安全管理の再徹底について 総務省消防庁

2013年8月4日に滋賀県東近江市で発生した消火訓練準備中の事故を受けて、消火訓練などの指導を行う際の安全管理についての留意事項が通知されました。

住宅用火災警報器の設置率の推計結果(平成25年6月1日時点)について 総務省消防庁

2013年6月1日時点の住宅用火災警報器設置率推計結果が取りまとめられました。

推計設置率の全国平均は79.8%で、2012年(平成24年)6月1日の推計値77.5%から2.3ポイント増加しました。都道府県別では、推計設置率が高かったのは福井県(91.8%)、大分県(88.0%)、宮城県(86.9%)、低かったのは茨城県(64.3%)、沖縄県(67.4%)、高知県(67.6%)となっています。

多数の観客等が参加する行事に対する火災予防指導等の徹底について 総務省消防庁

2013年8月15日に京都府福知山市の花火大会会場で発生した火災事故を受けて、多数の観客が参加する行事での屋台などへの火災予防指導について留意事項が通知されました。

「東日本大震災を踏まえた危険物施設の震災等対策のあり方に関する検討会」の開催 総務省消防庁

東日本大震災を踏まえ、危険物施設の二次災害防止や早期の業務再開、避難支援等のためのポイントや留意点をまとめたガイドラインを作成するための検討会を開催します。