CAFS(Compressed Air Foam System:圧縮空気泡消火システム)と石けん系消火剤を採用した、新型消防ポンプ自動車が登場します。
モリタ(大阪市)が2007年(平成19年)7月から販売を開始する「Miracle CAFS Car(ミラクル・キャフス・カー)」は、一体化されたコンプレッサーと真空ポンプを搭載し、車両後部の600L水タンクと消火剤により約10000Lの放水と同等の消火性能を発揮します。これは1500L水槽車7台分に相当し、水利の確保が難しい場所での火災に有効です。
水の使用量が少ないため水損を最小限にすることができるほか、ホースが軽くなり隊員の負担が軽減されます。圧力損失も抑えられるため、長距離送水が容易となります。
CAFSで放射する泡の当たり面積は水の約13.5倍で、泡が可燃物に密着して消火するほか、泡が消えた後も消火剤が浸透することで再着火を防ぎます。また、飛距離の大きい泡で距離を取ることができ、泡自体が熱を反射して加熱を防ぐ効果もあるため、安全な消火活動を行うことができます。
新規に開発した専用消火剤「ミラクルフォーム」は環境負荷の低い石けんが主成分です。また、消泡も速いため火災調査などを迅速に行うことが可能になります。
価格は約3000万円で、初年度100台の受注を目標としています。
(プレスリリースには特に記載がありませんが、シャボン玉石けん(北九州市)、北九州市立大学、古河テクノマテリアル(神奈川県平塚市)、モリタと北九州市消防局が共同で開発を進めていたものです)
関連リンク
- 株式会社モリタ 新型泡圧縮吐出装置を搭載「Miracle CAFS Car(ミラクル・キャフス・カー)」の販売を開始 [PDF](モリタ)
- 株式会社モリタ | MCC(モリタ)
- 環境に配慮した一般火災用消火剤の開発 [PDF](総務省消防庁)
- 第5回産学官連携功労者表彰(第6回産学官連携推進会議)
- 北九州市内の産学官2グループが「総務大臣賞」「文部科学大臣賞」を同時受賞~「第5回 産学官連携功労者表彰」~ [PDF](北九州市立大学国際環境工学部)
- 17分の1の水で消火/モリタが新型消防車(四国新聞・記事中の写真が少し大きい画像へのリンクになっています)
- “ミラクル”消防車登場 泡状噴射で水量17分の1(東京新聞・別写真と中島正博社長のコメント)
- 生態系への環境負荷を大幅に低減した林野火災用泡消火剤の開発 [PDF](北九州市立大学 循環技術研究センター)
- クラスA泡消火剤を使用した消防戦術の改革 [PDF](消防研究所(現消防大学校 消防研究センター)・消研輯報第56号 [PDF])
- ひびきの市消防局: 携帯電話からの119番緊急通報で位置情報通知/宝塚カラオケ店火災(ほか12件)(「きょうのピックアップ」1件目)
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