総務省は、製品の安全対策に関する行政評価・監視結果を取りまとめ、消費者庁と経済産業省、総務省消防庁に対して製品事故情報の収集や公表、回収の迅速化などについて勧告しました。
勧告では、事業者からの重大製品事故の報告が遅たり、義務規定がないことなどを理由に非重大製品事故の製品評価技術基盤機構(NITE)への報告が行われないなどの事例が指摘され、消費者庁と経済産業省に対して制度を事業者に周知・徹底するよう求めています。また、重大製品事故に該当するか否か判断できない案件について消費者庁に相談する運用の明確化や、製品事故が疑われる案件の警察・消防からの通知が的確に行われるよう協力を要請する必要があるとしています。
製品事故の原因調査については、NITEが運用上の目標として定めている90日以内に究明できなかったものの多くが事業者からの情報提供の遅れによることから、提出期限を設けて進行管理を行うことを求めたほか、消防機関から事故品や火災等事故報告書などが提供されない例があると指摘し、消防とNITEの連携や情報共有が必要としました。
調査対象となった事業者のうち製品事故情報を公表していたのはおよそ4分の1にあたる14事業者にとどまっており、経済産業省が2007年(平成19年)に策定した「製品安全自主行動計画策定のためのガイドライン(製品安全自主行動指針)」が事業者に十分理解されていないことや、NITEによる調査で原因が不明とされたり、関係機関からの通知のみで事業者からの報告がない事故について公表の遅れや製品名が公表されないなどの問題も指摘されています。
重大事故の恐れがある製品の回収などを行う際のガイドラインとして経済産業省が2007年に定めた「リコールハンドブック」の内容を充実させて事業者が迅速、的確な対応を行えるようにすることや、消費者庁がリコール情報を一元的に収集して重大性に応じてわかりやすく公表することも求めています。
関連リンク
- 事故情報の一元化 - 消費者安全課(消費者庁)
- 平成21年9月1日付け平成21・09・01商局第2号 消費生活用製品等による事故等に関する情報提供及び業界における体制整備の要請について [PDF](経済産業省)
- 消費生活用製品安全法に基づく製品事故情報報告・公表制度解説 ~事業者用ハンドブック~(経済産業省)
- 生命・身体被害に係る消費者事故情報等の公表に関する基本要領 [PDF](消費者庁)
- 平成21年4月14日付け消防予第154号・消防技第16号・消防特第67号 製品火災に係る報告について [PDF](総務省消防庁)
- 平成22年3月31日付け消情報第82号・消安全第78号・消防総第239号 消費者事故等の通知について [PDF](消費者庁、総務省消防庁)
- 製品安全自主行動計画策定のためのガイドラインについて(製品安全自主行動指針)(経済産業省)
- 消費生活用品のリコールハンドブック2010 [PDF](経済産業省)
- 消費者基本計画(消費者庁)
- 消費生活用製品安全法改正について(長期使用製品安全点検制度について。経済産業省)
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