2011年2月4日

総務省、製品事故対策で関係省庁に勧告

総務省は、製品の安全対策に関する行政評価・監視結果を取りまとめ、消費者庁と経済産業省、総務省消防庁に対して製品事故情報の収集や公表、回収の迅速化などについて勧告しました。

勧告では、事業者からの重大製品事故の報告が遅たり、義務規定がないことなどを理由に非重大製品事故の製品評価技術基盤機構(NITE)への報告が行われないなどの事例が指摘され、消費者庁と経済産業省に対して制度を事業者に周知・徹底するよう求めています。また、重大製品事故に該当するか否か判断できない案件について消費者庁に相談する運用の明確化や、製品事故が疑われる案件の警察・消防からの通知が的確に行われるよう協力を要請する必要があるとしています。

製品事故の原因調査については、NITEが運用上の目標として定めている90日以内に究明できなかったものの多くが事業者からの情報提供の遅れによることから、提出期限を設けて進行管理を行うことを求めたほか、消防機関から事故品や火災等事故報告書などが提供されない例があると指摘し、消防とNITEの連携や情報共有が必要としました。

調査対象となった事業者のうち製品事故情報を公表していたのはおよそ4分の1にあたる14事業者にとどまっており、経済産業省が2007年(平成19年)に策定した「製品安全自主行動計画策定のためのガイドライン(製品安全自主行動指針)」が事業者に十分理解されていないことや、NITEによる調査で原因が不明とされたり、関係機関からの通知のみで事業者からの報告がない事故について公表の遅れや製品名が公表されないなどの問題も指摘されています。

重大事故の恐れがある製品の回収などを行う際のガイドラインとして経済産業省が2007年に定めた「リコールハンドブック」の内容を充実させて事業者が迅速、的確な対応を行えるようにすることや、消費者庁がリコール情報を一元的に収集して重大性に応じてわかりやすく公表することも求めています。

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