2010年6月4日

地震時の退避行動をまとめた報告書 文部科学省作業部会

文部科学省科学技術・学術審議会の「地震防災研究を踏まえた退避行動等に関する作業部会」が報告書を取りまとめました。

日本では過去に多くの大地震が発生していることから、被災経験の教訓を生かすため「地震時における心得」がまとめられてきましたが、建物の耐震性向上や緊急地震速報、ガスの自動遮断といった社会構造や生活様式の変化、新たな研究やE-ディフェンスによる実験の成果などを踏まえた検証を行い、被害を低減するための退避行動について作業部会で検討を行ってきました。

作業部会による検討では、これまでの退避行動について、丈夫な家具に身を寄せたり身を隠して頭を保護することは一定の効果があるものの、強い揺れの中で動くことがかえって危険となる場合が考えられるとしたほか、揺れを感じたときにあわてて火を消すことはやけどの危険を高める上にガスの自動遮断機器の普及などで必要性自体が乏しいと指摘しています。

報告書では、事前の地震防災対策を含めた退避行動と標語例を示しています。

備えあれば憂いなし! 事前の備えを十分に! 作ろう自分の心得を!

建物の耐震化や家具の固定、安全空間などを踏まえた事前の適切な退避行動の検討を求めています。

緊急地震速報だ! 周りに声かけ、安全な場所へ!

緊急地震速報や初期微動を認識してから主要動が到達するまでの時間に安全空間へ移動するなどの退避行動が有効であるとしたほか、主要動までの到達時間が知らされる緊急地震速報を受信できる場合には、到達までの時間に応じた退避行動の優先順位を決めておくことも必要としています。

動けなければ、姿勢を下げて、頭を守る。動けるならば、落ち着いて、身近な安全な場所へ。

震度6弱以上の非常に大きな揺れでは、無理に行動せず姿勢を低くし、余裕がある場合には安全空間へ移動することを勧め、震度5強以下の大きな揺れでは建物の耐震性の有無に応じて屋内の安全空間へ退避するか、安全な経路で屋外にでるかを判断するなどとしています。

揺れがとまれば、火消し、靴はき、ドアあける。ブレーカー落として火災を回避。

揺れが収まったあとは、火を消したり扉を開けて脱出路を確保するなど命を守るための退避行動を最優先し、可能であればブレーカーを落とすなど二次災害を防ぐ行動をとった上で屋外の安全な場所に避難するとしています。

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