2010年8月3日

高い気温が続く時期は可燃性堆積物の火災に注意

日本火災学会では、気温の高い状態が続く時期には可燃性堆積物が自然発火する危険が高まるとして注意を呼びかけています。

数年間程度の長い期間堆積したセルロイドやおがくず、繊維くずなどのほか、動植物油のしみこんだ繊維や紙類は熱を持ちやすく、断熱性の高い可燃物を大量に密閉保管している場合には特に注意が必要としています。

過去にはセルロイドが自然発火する火災が多く発生し、1963年(昭和38年)には東京都で「危険物安全の日」が制定されました(1970年(昭和45年)まで)。1984年(昭和59年)には東京国立近代美術館フィルムセンターでセルロイド製のフィルムが発火し、建物とフィルムの一部を焼失する火災も起きています。現在ではセルロイドが使われることは少なくなっていますが、農業や土木工事用資材を中心に利用が広がっている生分解性樹脂は従来の非生分解性樹脂よりも発熱しやすいとのことです。

2003年(平成15年)に三重県の発電所に設置された廃棄物固形化燃料(RDF)貯蔵槽で発生した火災も、RDFの生物学的発熱や酸化熱による自然発火が原因と推定されています。この火災では消火活動中に爆発が発生して消防職員2名が殉職し、鎮火までに45日間を要しました。

また、製品評価技術基盤機構によると、一般家庭でも、油分のしみこんだ布製品を洗濯後に乾燥機で乾かしたために発火したり、油性塗料の塗装に使ったウエスを放置したために酸化熱で発熱、蓄熱して火災となった事例があります。

関連リンク

0 件のコメント: