2012年8月5日

『消防の動き』平成24年8月 No.496

巻頭言 判断(消防庁国民保護・防災部長 大庭誠司)

東日本大震災や過去の災害における対応の経験から、危機管理では「その場で(最善の)判断を下す」ことが最も必要とし、組織のトップは日頃から知識の習得や訓練に努めて判断力を養う必要があるとしています。

特報1 消防法の一部を改正する法律の概説

統括防火管理者・統括防災管理者の選任義務付けや消防用機器の違法流通を防ぐための回収命令制度化、消防用機器検定制度の見直しなどを盛り込んだ消防法改正について。

特報2 災害対策基本法の一部を改正する法律の概説

大規模災害時の情報収集体制強化や自治体間の応援業務の拡充、広域避難に関する調整規程の創設などが盛り込まれた災害対策基本法改正について。

なお、今回の法改正を受けた通知として「災害対策基本法の一部を改正する法律について」(平成24年6月27日付け府政防第724号・消防災第234号)、「災害対策基本法の一部を改正する法律の運用について」(平成24年6月27日付け府政防第725号・消防災第235号)、「都道府県防災会議条例及び市町村防災会議条例並びに都道府県災害対策本部条例及び市町村災害対策本部条例について」(平成24年6月27日付け消防災第236号)が発出されています。

Report

平成23年(1月~12月)における火災の状況(確定値)

2011年(平成23年)中に発生した火災の状況と、住宅防火対策や放火、林野火災防止の取り組みについて。

平成23年1月~12月中の製品火災に関する調査結果

2011年に発生した製品火災は942件で、製品の不具合が原因と判断されたものは176件でした。

消防活動用バイクの活用状況等について

全国の消防本部のうち、緊急走行が可能な消防活動用バイク(救急専用を除く)を導入しているのは58本部で、台数は183台となっています。消防活動用バイクを導入している消防本部では、山林火災や交通渋滞などのために消防車や救急車が進入できなかったり到着が遅れる場合に先行して活動できるメリットがあるとしています。一方で、隊員1名の乗車で資機材も限られるため活動内容に制約があることや、自動二輪免許保有者の配置が必要など運用上の留意点も指摘されています。

TOPICS

安全功労者・消防功労者表彰式

2012年(平成24年)の安全功労者内閣総理大臣表彰(消防関係)は5名、1団体が受賞、安全功労者総務大臣表彰は15名、11団体、消防功労者総務大臣表彰は消防団員7名、婦人(女性)防火クラブ員5名の受賞となっています。

「平成24年度危険物安全週間」推進行事の実施結果

毎年6月第2週(2012年は6月3日から9日)に行われている危険物安全週間の推進行事実施結果について。

(危険物事故防止対策論文のうち、消防庁長官表彰2編は危険物保安技術協会の機関誌『Safety & Tomorrow』平成24年7月号に掲載されています)

敬老の日に「火の用心」の贈り物。
[身近な防火・防災] プロジェクト ~住宅防火・防災キャンペーン~

総務省消防庁では、住宅火災により亡くなる高齢者を減らすため、敬老の日に住宅用火災警報器や消火器、防炎品を贈ったり設置済み機器の点検を行うことなどを呼び掛ける「住宅防火・防災キャンペーン」を展開します。

緊急消防援助隊情報 緊急消防援助隊動態情報システムについて

緊急消防援助隊動態情報システムを更新し、2012年6月25日から運用を開始しました。新しいシステムでは、端末にタブレット型パソコンを採用して操作性の向上を図ったほか、携帯電話回線とインマルサット衛星携帯電話を自動切替して利用することが可能となっています。

消防通信 ~北から南から~ 高知県 高知市消防局「森・里・海と人の環 自由と創造の共生都市 高知」

高知市消防局では、2010年(平成22年)の消防局移転に合わせて鑑識・実験室を整備して火災予防の啓発や火災調査技術の向上に努めているほか、南海地震への備えを充実させるための取り組みを進めています。

消防通信 ~望楼~

平成24年度 茨城県火災調査研究会を開催 茨城県立消防学校(茨城県)

県内初となる火災調査研究会を開催し、東日本大震災被災地での津波火災についての講演や県内消防本部の火災調査事例発表などが行われました。

危険物火災を想定し危険物施設と合同消防訓練を実施 坂戸・鶴ヶ島消防組合(埼玉県)

坂戸市内の危険物施設で、事業所の自衛消防隊と合同消防訓練を実施しました。

防災講演研修会を開催 廿日市市消防本部(広島県)

廿日市市危険物安全協会との共催で防災講演研修会を開催し、危険物漏洩事故に有効な工法や吸収資機材の使用方法などについての講義と実演を行いました。

「派遣型救急ワークステーション」運用開始 松山市消防局(愛媛県)

救急車と救急隊員を病院に派遣して、病院実習や必要に応じて医師が同乗して救急出場する「派遣型救急ワークステーション」の運用を2012年6月1日から開始しました。

消防大学校だより

救助科(第65期)

救助業務の指導的立場にある職員を対象とした「救助科」第65期の模様が掲載されています。

危険物科(第7期)

高度な危険物業務の知識、技能習得や教育指導者としての資質向上を目的とした「危険物科」第7期の模様が掲載されています。

広報資料(9月分)

9月9日は救急の日

毎年9月9日は「救急の日」、この日を含む1週間(2012年は9月9日から15日)は「救急医療週間」です。救急医療週間の中央行事として、「救急の日2012」が9月9日と10日の2日間、有楽町駅前広場(東京都千代田区)で開催されます。

事業所に対する消防団活動への理解と協力の呼びかけ

総務省消防庁では、2007年(平成19年)から「消防団協力事業所表示制度」を導入しているほか、地方公共団体でも消防団活動に協力している事業所に対して入札参加資格や税制上の優遇措置を設けているところもあります。

INFORMATION

警防業務リーダー講習会の開催について

消防大学校では、出前講座として「警防業務リーダー講習会」を開催しています。2012年度は6月22日の仙台市を皮切りに、名古屋市、京都市、広島市など全国5か所で開催します。

6月の主な通知
広報テーマ
8月
  1. 防災訓練への参加の呼びかけ
  2. 外出先での地震の対処
  3. 危険物施設等における事故防止
9月
  1. 9月9日は救急の日
  2. 防炎品の普及について
  3. 事業所に対する消防団活動への理解と協力の呼びかけ

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