2007年4月24日

脳梗塞 発症2時間以内の病院到着は5割弱

脳梗塞患者のうち、t-PA(組織性プラスミノーゲン活性化因子)を使うことができる、発症から2時間以内に病院へ到着した患者は約半数にとどまっているそうです。

信州大学医学部附属病院が、松本広域圏(松本市など9市町村で構成)内で2006年(平成18年)の1年間に脳梗塞を初めて発症、手足の麻痺を訴え救急車で運ばれた患者388人を対象に調査しました。

発症時刻がわかった330人のうち、発症から2時間以内に病院へ搬送された患者は184人(全体の47%)にとどまりました。松本広域圏内でt-PAが使える4病院に、家族同乗で到着したのは130人(同34%)でした。

t-PAは強力な血栓溶解作用がある薬で、脳梗塞のほか心筋梗塞にも使われます。一方、広範囲の脳梗塞などで使用すると脳出血などの副作用を起こす恐れがあるため、投与前に診断や検査を行う必要があります。本人か家族の同意を得た上で、発症から3時間以内に投与を始めることになっており、日本脳卒中学会の指針では、来院から1時間以内の投与開始を目標値としていることから、t-PAによる治療を行うには発症から2時間以内に病院へ到着する必要があります。

t-PAが適応とならない場合でも、発症からの時間が短いほうが外科手術の治療成績がよくなるとのことです。信州大学医学部附属病院では、手足が動かせない、うまく話せないなどの症状が出たらすぐに救急車で病院に来てほしいとしています。

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