2010年11月9日

防災科研ニュース“秋” 2010 No.173

特集:地震防災フロンティア研究

1995年(平成7年)の阪神・淡路大震災を受けて設立された「地震防災フロンティア研究センター」で進められている研究について。

災害に強い病院づくりと医療活動への情報支援

災害に強い病院をつくるための取り組みとして、災害拠点病院を対象としたデータベースを構築しています。また、被災地の情報孤立への対策として、災害医療情報を提供する地理情報システム(GIS)を開発しました。メモリーカードに格納でき、通信が途絶しても利用可能なスタンドアローン版GISと、被災地の外で多様な情報を共有できるweb版を併用することで、情報の孤立を防ぐことを目指しています。

IT(情報技術)を活用した自治体の危機管理

従来のGISにはない、時間経過による変化を扱うことが可能な「時空間情報システム」を開発、自治体職員がデータベースの項目を自由に設定できる機能を追加することで、災害時だけでなく平常時から業務に利用しやすいシステムとしています。安否確認のための機能も持たせ、避難が確認できない人の多い、大きな被害の可能性が高い地域を判断することもできるようになっています。

防災技術の情報化と共有環境の整備

災害による被害を軽減するための対策技術を共有するためのプラットフォームを開発、災害対策の研究と実施、受益のそれぞれの立場からデータベースの新陳代謝と発展が可能となっています。

「役に立つ」防災技術情報の国際共有を目指す

1998年度(平成10年度)から2003年度(平成15年度)まで行われた「アジア・太平洋地域に適した地震・津波災害軽減技術の開発とその体系化に関する研究(EqTAP)」と、2005年度(平成17年度)からの「DRH (Disaster Reduction Hyperbase)プロジェクト」について。

地震防災フロンティアで踏んだ新しいステップ

システムのユーザーである自治体や医療機関に実際に使ってもらいながら研究、開発を進めることの意義と、受益者である住民に費用対効果を理解してもらうため、災害時専用ではなく平常時にも利用可能なシステムとすることについて。

行事開催報告

科学のまち・つくばの「真夏の防災教育」

夏休みの期間中に行われた「ちびっ子博士」と「理数博士教室」、「サイエンスキャンプ」の模様。

「気候変動に伴う極端気象に強い都市創り」のキックオフ会合を開催

7月30日に開催された、「気候変動に伴う極端気象に強い都市創り」プロジェクトのキックオフ会合について。プロジェクトでは、気候変動で増加が懸念される集中豪雨などの極端気象に強い街をつくるため、極端気象の検知や予測のための研究を進めます。

新庄支所一般公開

8月6日に行われた、雪氷防災研究センター新庄支所(山形県新庄市)の一般公開の模様。

受賞報告 森脇理事が平成22年度日本地すべり学会論文賞を受賞

森脇寛理事が「斜面崩壊の発生メカニズムと崩土の流下・堆積特性」についての研究で日本地すべり学会論文賞を受賞しました。

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