2012年1月29日

『Safety & Tomorrow』平成24年1月 141号

年頭挨拶 危険物保安技術協会 理事長 寺村映

東日本大震災や経済、社会情勢を踏まえて効率化、無駄の排除を進めるとともに、1994年(平成6年)の2倍に増えている危険物施設事故への対策強化が求められるとしています。

年頭の辞 消防庁長官 久保信保

東日本大震災への対応や、消防防災体制の更なる見直しの必要などについて。

危険物の規制に関する政令を一部改正する政令等について

2011年(平成23年)12月21日に公布された、炭酸ナトリウム過酸化水素付和物(過炭酸ナトリウム、過炭酸ソーダ)の第1類危険物への追加などが盛り込まれた政令などの改正について。

  • 炭酸ナトリウム過酸化水素付和物を第1類危険物に追加:2012年(平成24年)7月1日施行
  • 1-ブロモ-3-クロロプロパン(BCP、トリメチレンクロロブロマイド、1-臭化-3-塩化プロパン)とオキシ三塩化バナジウム(三塩化酸化バナジウム(V)、三塩化バナジル)を消防活動阻害物質に追加:2012年7月1日施行。
  • 浮き蓋付き特定屋外タンク貯蔵所の技術基準改正:2012年4月1日施行、既存施設については2024年(平成36年)3月31日までに適合させる経過措置。
  • エタノール、バイオガソリンなどを扱う給油取扱所の技術基準:2012年1月11日施行。
  • 危険物施設の消火設備への代替ハロン追加、バイオガソリンの泡消火設備技術基準:2012年4月1日施行。

最近の行政の動き

東日本大震災を踏まえた危険物施設等の地震・津波対策のあり方に係る検討報告書概要(危険物施設の地震・津波対策について)

2011年12月22日に公表された報告書の概要が掲載されています。

調査を行った16都道県のうち、約1.6%に当たる3,341施設で被害があり、対策として建物や配管の耐震性確認のほか、浮き屋根の浮力性能確保や津波による配管損傷に備えてタンクに緊急しゃ断弁を設置することなどが提言されました。

東日本大震災を踏まえた危険物施設等の地震・津波対策のあり方に係る検討報告書概要(石油コンビナート施設等の地震・津波対策について)

発生頻度が高いと考えられる規模の地震では施設の機能が維持されることや、頻度が低く規模の大きな地震、津波に対しても応急、代替措置により速やかに機能を回復することなどが盛り込まれています。

リチウムイオン電池に係る危険物施設等の安全対策のあり方について

2011年12月16日に公表された報告書の概要が掲載されています。

危険物事故関連情報

―東日本大震災における危険物施設の被害概要― 屋外タンク貯蔵所とその関連設備の被害概要について ~「酒田地区」・「新潟地区」~

山形県酒田市と新潟県新潟市、聖籠町の危険物施設被害状況について。

酒田市の油槽所ではインナーフロートタンクの内部浮き蓋が全破損する被害が発生し、新潟地区でもスロッシングにより浮き屋根タンクからの危険物の溢流や浮き屋根上への滞油などの被害が確認されています。

論文紹介 奨励賞「ガソリンスタンドにおける事故防止対策について」

ガソリンスタンドの現状と事故防止に有効と考えられる取り組みについて。

わが社の防災体制 西港・末広共同防災組織の防災体制

北九州市小倉北区の4事業所で構成する共同防災組織について。

業務紹介 火災予防に関するガソリン携行缶のポスターの配布について

ガソリン携行缶の取扱いについての注意事項をまとめたポスターを作成しました。ポスターは消防機関に配布するほか、危険物保安技術協会のホームページにも掲載します。

用語解説 危険物関係用語の解説(第19回)強化プラスチック製二重殻タンク

繊維強化プラスチック(FRP)製の地下貯蔵タンクをFRPで被覆した構造の強化プラスチック製二重殻タンク(FF二重殻タンク)の構造や漏えい検知のほか、製造、試験・確認についてまとめられています。

安心・安全のヒント! ごぞんじですか、危険物総合情報システム

危険物保安技術協会が運用している、インターネット上で事故事例や分析結果、関係法令などを参照できる「危険物総合情報システム」の紹介。

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