2012年2月15日

核セキュリティ対策強化について意見募集 原子力委員会

原子力委員会の原子力防護専門部会が「我が国の核セキュリティ対策の強化について(案)」を公表して意見を募集しています。

原子力委員会では、核セキュリティに対する国際的な関心の高まりや国際原子力機関(IAEA)が進めている核セキュリティ・シリーズ文書の作成などを踏まえて2011年(平成23年)9月に「核セキュリティの確保に対する基本的考え方」を取りまとめています。IAEAの勧告文書や東京電力福島第一原子力発電所事故で明らかになった課題への対応についてもワーキング・グループを設置して技術的・専門的な観点から検討を進めて報告書案を取りまとめました。

公表された報告書案では、主な原子力利用国の中では日本だけが原子力施設で作業をする個人の信頼性確認制度がないことを指摘し、制度の導入に向けた具体的な議論を始めることを求めています。また、制度導入までの暫定措置として、複数の作業者が同時に入域することで不法行為を抑止する「二人ルール」などの対策を徹底する必要があるとしました。設計段階から核セキュリティを考慮する「セキュリティバイデザイン」については、非常用電源の多重化のように安全対策と相補的なものと、建屋内を区分けして出入管理することで事故時にはアクセスや避難が難しくなるといった相反的なものがあることを踏まえて関係機関が情報共有や意見交換を行うことが重要としています。

福島第一原子力発電所の事故を踏まえた課題への対応としては、これまで想定してきた核燃料や原子炉に対するテロ行為だけでなく、原子炉施設・使用済み燃料プールの冷却機能や電源の喪失を目的とした防護区域外の設備へのテロ行為を防ぐための対策を速やかに講じる必要があるとしました。

報告書案への意見募集は2012年(平成24年)3月4日まで受け付けています。

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