厚生労働省の「精神科救急医療体制に関する検討会」が、精神疾患・障害の患者を24時間・365日搬送、入院可能な精神科救急医療システムの整備などを求める報告書を取りまとめました。
精神疾患の患者は1999年(平成11年)の約204万人から2008年(平成20年)には約323万人まで増加しました。また、うつ病や認知症の患者が増えたことから身体的疾患を合併する患者も多くなっている一方で、精神科医療機関が身体疾患の救急対応に不慣れであったり、一般救急医療機関に精神疾患への対応可能な体制がないなどのために患者の受入れが困難となる事例がでています。
報告書では、幻覚や妄想、興奮といった激しい症状のある患者が適切な医療、保護を受けられるよう24時間・365日搬送、入院を受け入れ可能な体制が必要と指摘し、患者の状態に応じて適切な機関への対応につなげるための情報提供を行う「精神科救急情報センター」や一般の精神疾患患者からの相談を受け付ける「精神医療相談窓口」とあわせて都道府県に整備を求めています。
身体疾患を合併する精神疾患患者の受入体制については、精神科と身体科を併設した医療機関で対応する「並列モデル」と、精神科医療機関と身体疾患に対応する医療機関が連携して対応する「直列モデル」を提示したうえで、それぞれの機能の違いや地域性などを踏まえ、すべての精神科救急医療圏で対応可能な体制を確保する必要があるとしました。
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