2011年11月17日

福島第一原発事故への対応と医療活動の課題

『日本救急医学会雑誌』に、東京電力福島第一原子力発電所事故発生直後の医療活動と対応の課題についてまとめた「福島原子力発電所事故災害に学ぶ ―震災後5日間の医療活動から―」が掲載されています。

福島第一原発の事故では、震災によりオフサイトセンターの通信機能に著しい損害が生じ、参集したスタッフも現地医療支援に追われるなど、本来の役割である緊急対応指揮を執ることが不可能な状況となりました。また、福島県内で初期被ばく医療機関に指定されている5病院のうち3病院が第一原発から半径20km以内にあったために閉鎖されたことや、全国に90ある初期・二次被ばく医療機関のうち、災害拠点病院の指定を受けているのは35施設にとどまるなど、被ばく医療体制の不備も指摘しています。

20km圏内からの避難指示が出された後の3月14日には、受け入れ先が決まらないまま入院患者や介護施設入所者が多数避難してきて、暖房器具が不足する中での待機を強いられたり、長時間の移動や避難所到着後の対応の問題などから少なくとも21名が亡くなりました。一方で、この時に避難してきた患者や入所者に対する放射線サーベイでは13,000cpmを超える汚染はなかったことや、受け入れ先の確保や段階的な避難などの事前準備を経て行われた半径20kmから30km圏内からの避難では犠牲者は出なかったことを挙げ、屋内退避としたうえで搬送や受入れの調整などに時間をかけることができた可能性の検証や、災害時要援護者の把握や詳細な計画の作成が必要としました。

関連リンク

0 件のコメント: