2012年2月14日

『消防科学と情報』2011年夏号 No.105

巻頭随想 どうして災害ボランティアが必要なのか?

行政や企業よりも柔軟、臨機応変に対応できることや不特定の被災者に対して分け隔てなく物や時間、労力を提供することなど、災害ボランティアだからこそできる活動があるとしたうえで、被災者支援のための手段であるはずの災害ボランティアが目的化してしまっていることがボランティアを巡る問題の核心と指摘しています。

特集Ⅰ 東日本大震災(2)

今次大震災の教訓 ~地方自治体における防災計画のあり方について~

「想定外」という「言い訳」への批判について、千年以上の過去にさかのぼって最大規模の災害を想定した対策はコストに耐えられない可能性を指摘し、負担が可能な範囲で最大限の対策をしたうえで、想定を超える災害への心構えなどを考えることが望ましいとしています。

東日本大震災への対応について

事前の計画や訓練の実施などの備えが実際の災害で明暗を分けることや、安全保障でも同様に備えておくことが必要と指摘しています。

ノーマル・アクシデント ―おこるべくして起こった事故―

エール大学のチャールズ・ペロー名誉教授(社会学)が提唱した「ノーマル・アクシデント」という考え方について。ペロー氏は、原子力発電所のような複雑なシステムでは、事故の発生は不可避という特性を持つと指摘しています。

東日本大震災への緊急消防援助隊の派遣について

2011年(平成23年)3月11日の発災から6月6日まで実施された緊急消防援助隊の派遣について。

東日本大震災における国土交通省の対応と国土交通省緊急災害対策派遣隊(TEC-FORCE)の活動について

国土交通省では、東日本大震災の被災地に緊急災害対策派遣隊(TEC-FORCE)を派遣し、被災状況の調査や内陸と沿岸を結ぶ道路を啓開する「くしの歯」作戦、湛水排除などを実施しました。

平成23年の東日本大震災に対する防衛省の対応について

東日本大震災の発生に伴う災害派遣の概要について。

特集Ⅱ 平成22年の自然災害

7.15岐阜県豪雨災害の概要と可児川災害について

2010年(平成22年)7月に発生し、死者4人、行方不明者2人を出した豪雨災害について。被災地域が水害や土砂災害の少ない地域だったことや、洪水流に対して脆弱な自動車の特性、道路通行者への情報伝達の難しさなど。

広島県庄原市の土砂災害と今後の防災・避難対策について

2010年7月16日に発生した土砂災害について。7月11日から雨が続いたところに降った豪雨でパイピング崩壊が起きたとみられることや、「クロボク」と呼ばれる火山灰起源の土壌が崩土による侵食に強かった可能性といった分析のほか、被災した人の多くが状況をよく見て適切に行動したことが人的被害の軽減につながったのではないかとの指摘がされています。

新燃岳の噴火活動と防災対応

2011年(平成23年)1月に大規模な噴火を起こした新燃岳について。今回の噴火活動は2008年(平成20年)8月から始まっていたとする分析や噴火による被害、防災対応などがまとめられています。

鹿児島県南大隅町の深層崩壊について

2010年7月に発生した、深層崩壊を発端とする土石流災害について。

災害レポート 「東日本大震災」被災市町村現地調査から

震災の発生から1か月後の市町村庁舎の被害と災害対策本部の運営状況について。

連載講座

連載第12回 稲むらの火・浜口梧陵

『稲むらの火』で、津波から村人を救うため稲に火をつけた五兵衛のモデルとなった浜口梧陵について。

地域防災実践ノウハウ(68) ―東日本大震災における教訓と課題 その1―

東日本大震災の津波被害についての分析。津波の規模は被害を拡大する要因となり、発生が昼間だったことや強い揺れ、最大波の襲来まで30分程度あったことなどは被害を抑止する要因になったとしています。

新たな地域防災対策への道(最終回) ~国民皆防災への取り組みに向けて~

東日本大震災の教訓と「国民皆防災制度」への提案。

火災原因調査シリーズ(61) 東北地方太平洋沖地震により東京消防庁管内で発生した火災事例

東日本大震災で、東京消防庁管内で地震により発生したとみられる火災は34件で、電気ストーブに起因するものが9件、配電用変圧器からの出火が5件、観賞魚用ヒーターが火元となったものが3件となっています。

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