2012年2月24日

『土木研究所Webマガジン』第26号

土研ニュース

平成23年台風12号によって紀伊半島で発生した天然ダム

2011年(平成23年)9月に上陸した台風12号による豪雨のため紀伊半島の山間部にできた河道閉塞(天然ダム、土砂ダム)の調査について。

調査の対象となった5か所の河道閉塞は、陸路から近づくことが困難な山の奥深くで発生したため、湛水池の水位計測には投下型水位観測ブイを使用しました。また、河道閉塞の越流侵食による被害を推定するための調査手法とプログラムを使用して、土石流による下流域の被害想定を行いました。

ADB Water Learning WeekにてICHARMが分科会を開催

アジア開発銀行(ADB)主催の「ADB水学習週間」で、水災害・リスクマネジメント国際センター(ICHARM)が分科会を開催しました。

「雪崩・地すべり防止技術セミナー」が開催されました

新潟県上中越地域の自治体でつくる「雪崩・地すべり研究推進協議会が主催して行われた雪崩・地すべり防止技術セミナーの模様が掲載されています。

TXテクノロジー・ショーケース in つくば2012に参加しました

つくば国際会議場で開催された「TXテクノロジー・ショーケース in つくば2012」で行った火山・土石流チームのポスター発表・展示の模様が掲載されています。

インドネシアソロ河におけるWSの開催報告

アジア開発銀行による技術協力プロジェクトの一環として進められている総合洪水解析システム(IFAS)をベースとした洪水予警報システムの導入について。

衛星情報を活用したタイ洪水の浸水予測

2011年に発生したタイ・チャオプラヤ川流域の洪水について行ったシミュレーションについて。アユタヤ周辺では11月末ごろまで浸水が長期化する可能性があるとした推定はおおむね妥当だったものの、洪水の規模が小さくなるとポンプ排水や道路、堤防などの影響が相対的に大きくなるなど長期にわたる予測の難しさも明らかになりました。

研究の紹介

鉄筋コンクリート床版の高機能防水システムの開発

交通量が多かったり、旧基準で設計、建設された道路橋では鉄筋コンクリート(RC)床版の劣化損傷が顕在化しています。また、積雪寒冷環境では凍害や凍結防止剤の影響による損傷の加速や、新設のRC床版で予防のために施工されている防水工が積雪寒冷条件を十分に踏まえていないといった問題もあることから、高機能防水システムの開発を進めています。

研究成果の紹介

橋の調査技術の開発 ―鋼橋に発生するき裂の超音波調査技術の開発―

鋼橋の床構造(鋼床版)の金属疲労により発生する亀裂を超音波調査する技術について。防錆塗装の上から超音波探傷を行うことを可能とする手法を開発したほか、反射波と亀裂の深さとの関係を調べて調査マニュアル(案)を作成しています。

新しい道路吹雪対策マニュアルの作成

視程障害の緩和や吹き溜まり防止など、吹雪による道路への影響に対応するための「道路吹雪対策マニュアル」の改訂版を作成しました。

微小電位観測による斜面監視技術に関する研究

地盤中の自然電位(地電位)を観測することで、地すべりや岩盤崩壊といった地盤災害の前兆を検出する手法の研究を行い、成果として作成されたマニュアル(案)をホームページで公開しています。

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