政府の地理空間情報活用推進会議は、地理情報システム(GIS)や衛星測位などを生かした地理空間情報の活用を推進するための基本的な方針を示した「地理空間情報活用推進基本計画」の案を公表して、2012年3月5日(必着)まで意見を募集しています。
今回公表された基本計画案では、東日本大震災からの復旧、復興を支え、記録を後世に残すために地理空間情報を整備することや、様々な技術を活用した国土の状況把握が必要としました。また、今後の防災対策や被災後の迅速な復旧を図るため、地殻変動観測や火山、活断層などの調査や情報の整備を推進するほか、ハザードマップ整備のための基礎情報、土地の脆弱性を評価する手法の高度化などを行うとしています。大規模災害時の地理空間情報の提供や二次利用についての考え方、二次利用しやすい形での災害情報の公開のあり方などを整理して、多様な主体による地理空間情報の利活用を促進します。
さまざまな測位技術やサービスで位置情報を共有できるように、緯度と経度、高さから構成される「場所情報コード」を整備、利用するためのガイドラインを策定するとしたほか、ビルや地下街の避難計画の検討といった用途での活用が可能となる、屋内外でシームレスに利用可能な位置情報基盤の整備に向けて国と民間が協力して技術開発を進め、ガイドライン作成などの取り組みを推進します。
実用準天頂衛星システムは2010年代後半をめどに4機体制を整備するとし、将来的には持続測位が可能となる7機体制を目指します。高精度で安定した波浪や津波の観測のため、実用準天頂衛星システムを活用したGPS波浪計の改良も検討するとしました。
現在の基本計画は、2007年(平成19年)に施行された地理空間情報活用推進基本法に基づいて2008年(平成20年)に閣議決定され、地理空間情報に関するルールの整備や準天頂衛星「みちびき」の打ち上げ、「G空間EXPO」の開催などの取り組みが進められてきました。
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