2012年7月13日

小型漁船機関室の火災 扉は開けない・送風機と主機停止

運輸安全委員会事務局仙台事務所は、小型漁船の火災事故で特に多い機関室から出火した場合の対応などについて取りまとめ公表しました。

仙台事務所管内では、2008年(平成20年)10月から2011年(平成23年)12月までの間に11件の船舶火災がありました。総トン数は6隻が5トン未満、4隻が5~10トン未満とほとんどが小型の漁船で、出火場所は9割が機関室となっています。

主機(エンジン)運転中の機関室は、過給機が空気を吸引するために外よりも気圧が低い負圧状態になるため、火災が発生しても煙や臭気が漏れにくく、気付くのが遅れがちになります。また、火災に気付くころには機関室内に未燃焼のガスが充満していて、火元探索のため不用意に機関室の扉を開けて新鮮な空気が流れ込むと、急激にガスが燃え上がるバックドラフトが発生するおそれがあるとのことです。このため、機関室内で火災が起きた場合は機関室の扉は絶対に開けず、酸素と熱源を遮断するために送風機、主機の順で停止し、粉末消火器などを使って消火するときも扉は最小限開くようにして、消火剤投入後はすぐに扉を閉めて密閉状態を保つ必要があるとしています。

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