2012年7月12日

XバンドMPレーダーネットワーク『XRAIN』に

国土交通省は、XバンドMP(マルチパラメータ)レーダーネットワークの名称を『XRAIN(エックスレイン)』として、周知や利活用を図ることを決めました。

XバンドMPレーダーは従来のCバンドレーダーよりも高い周波数を利用し、水平偏波と垂直偏波の2種類の電波を同時に送信します。雨粒が大きくなると空気抵抗による変形も大きくなるため、大きな雨粒の割合が多いほど水平偏波の電波を反射しやすくなるほか、雨粒の影響で生じる電波の伝わる速さの遅れも水平偏波で大きくなるため、雨の強さや降っている場所をより高い精度で観測することができます。また、ドップラー効果による周波数の変化から雨粒の移動速度をみることで風の観測も行っています。

国土交通省では、これまでに27基のXバンドMPレーダーを整備、2012年(平成24年)7月12日には、中ノ口局(新潟県燕市)の観測情報の一般配信を始めました。XRAINの雨量数値データを提供する社会実験も行われていて、東日本放送(宮城県仙台市)がテレビ放送で利用しているほか、京阪電鉄では急激な線路冠水などに対応するため流入水量の予測に活用、東京消防庁は強い雨を観測した場合の警報機能や土砂災害危険区域と重ね合わせた地図表示機能などを備えたシステムを構築しました。

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