2011年10月31日

コンビニのレジ画面に警報表示 サークルKサンクス

サークルKサンクスは、コンビニエンスストアのサークルKとサンクスのPOSレジに津波警報や土砂災害警戒情報、気象警報を表示する「警報勧告システム」を導入すると発表しました。

大津波警報と土砂災害警戒情報が発表された場合は警告音と強制画面表示で知らせるほか、津波警報や土砂災害警戒情報、気象警報が発表されている間は発表状況を継続して表示します。情報はPOSレジのカスタマーディスプレイ(利用客側画面)のほか、店舗事務所内に設置されているストアコミュニケーションサーバにも表示され、利用客と従業員に警報を周知することで災害時の速やかな行動につなげていくとのことです。

システムは2011年(平成23年)11月9日から運用を開始する予定です。

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2011年10月30日

日中韓防災担当閣僚級会合共同声明、情報共有や協力強化

2011年(平成23年)10月28日に中国・北京で日中韓防災担当閣僚級会合が開催され、共同声明がまとめられました。

共同声明では、2年に1度持ち回りで閣僚級会合を開催し、高級実務者/専門家会合も適切な間隔で実施するほか、経験の共有を図るため被災地への共同訪問制度の確立を図るとしました。防災に関する制度や政策、研究成果を共有し、大規模な自然災害の情報をウェブサイトを通じて迅速に公開することや、連絡窓口・ルートの明確化などで災害時の情報共有体制を確保することでも合意し、訓練の実施や救援・救助活動に関する協力体制の研究、人工衛星による災害監視、地理空間情報の共有などを進めるとしています。

次回の閣僚級会合と準備のための高級実務者/専門家会合を韓国で開催することで合意しました。

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兵庫県立大の災害看護HPが関西ウェブサイト大賞特別賞

兵庫県立大学看護学研究科COEプロジェクトが開設している「災害看護 命を守る知識と技術の情報館」が「関西ウェブサイト大賞2011」特別賞を受賞しました。

関西ウェブサイト大賞は、地域に貢献する優れたウェブサイトを表彰、紹介することでICT利活用の促進や情報発信の強化などを図り、地域経済・社会を活性化させることを目的として、2008年(平成20年)から総務省近畿総合通信局が近畿情報通信協議会と共催で実施しています。2011年(平成23年)は特別賞を設けて防災に関して特に優れたウェブサイトを表彰することになり、「災害看護 命を守る知識と技術の情報館」が身近で様々な防災情報を提供しているサイトとして受賞しました。

最優秀賞には王子印刷(兵庫県明石市)の「ジーオ インターネット放送局」が選ばれたほか、優秀賞2サイト、入賞3サイトの受章が決まりました。

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過炭酸ソーダの危険物追加やバイオ燃料対応の政令改正案

総務省消防庁は、炭酸水素ナトリウム過酸化水素付加物(過炭酸ナトリウム、過炭酸ソーダ)の第1類危険物への追加、エタノールやバイオガソリンなどエタノールを含む燃料を取り扱うガソリンスタンドの技術基準の新設などを内容とする、危険物の規制に関する政令などの改正案を公表し、意見を募集しています。

炭酸水素ナトリウム過酸化水素付加物については、2010年度(平成22年度)に開催された調査検討会で、消防法上の第1類の危険物に追加することが適当とされたことを受けての対応で、関係規定は2012年(平成24年)7月1日に施行するとしています。

浮き蓋付きの特定屋外タンク貯蔵所の技術上の基準も改正されます。浮き蓋は地震の揺れや衝撃に耐えられる構造とすることや、密閉構造を必要とするものを除いて可燃性蒸気を有効に排出するための特別通気口や浮き蓋の状態を目視確認できる点検口を設けることなどが盛り込まれました。施行は2012年4月1日としています。

エタノール等を取り扱う給油取扱所の技術上の基準については、バイオエタノールが自動車用燃料として普及することが見込まれるとして、水溶性で無色、無臭というエタノールの性質を踏まえた技術基準を整備し、2012年1月11日に施行するとしました。

危険物施設の消火設備として、これまでの二酸化炭素消火設備に加えてハロン代替ガスを使用したものも使用可能とするための規定も整備されるほか、2010年度に開催された検討会の知見を受けた技術基準の改正も行われます。法令上の呼称を「不活性ガス消火設備」に改める規定については2012年3月1日、危険物施設の消火設備の技術基準については2012年4月1日の施行としています。

消防活動阻害物質に1-ブロモ-3-クロロプロパン(BCP、トリメチレンクロロブロマイド、1-臭化-3-塩化プロパン)とオキシ三塩化バナジウム(三塩化酸化バナジウム(V)、三塩化バナジル)を消防活動阻害物質に追加指定する規定については、2012年3月1日に施行するとしています。

意見募集は2011年(平成23年)11月27日(必着)まで、電子メールと郵便、FAXで受け付けています。

2011/10/31:電子政府の総合窓口のパブリックコメント情報へのリンクを追加しました。

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2011年10月29日

住警器と救急安心センターの市政モニターアンケート

大阪市は、住宅用火災警報器と救急安心センターについて行った市政モニターアンケートの結果を取りまとめました。

2011年(平成23年)6月に既存住宅を含めて設置が義務化された住宅用火災警報器については、85.8%が義務化を知っていたと回答、認知手段(複数回答)については新聞、テレビ、ラジオなどのメディアとの回答が約6割で最も多く、『市政だより』等の広報紙が4割、住警器設置を呼びかけるポスター・パンフレットと自治会や町内会の回覧板がそれぞれ3割となっています。一方で、一戸建住宅に住むモニターの39.9%は住宅用火災警報器などを設置していないと回答し、共同住宅を含めて未設置と回答したモニターの38.5%が設置する予定はないとしています。設置する予定がないとした理由(複数回答)については、価格や効果に対する疑問、義務化を知らなかったなどのほか、共同住宅では家主等が設置してくれると考えているとの回答が7割近くありました。

2009年(平成21年)10月に始まった救急安心センターについては、44.7%が知っていると回答、認知手段は市の広報紙や救急に関するポスター・パンフレットが多くなっています。救急安心センターを利用した経験のあるモニターに対して、センターがなかったとしたらどうしたかを尋ねた設問(複数回答)では、病院を調べて自分で行くとの回答が54.5%で最も多く、119番通報し救急車を呼んでいたとの回答も39.0%ありました。

住宅用火災警報器や救急安心センターに関する意見などを自由記述する設問では、住宅用火災警報器については設置場所や効果など具体的な情報が不足しているとの指摘が多く、救急安心センターは認知度を向上させるため積極的な広報を求める意見が目立つ結果となっています。

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iPhone向け「全国避難所ガイド」防災情報配信に対応

ファーストメディア(東京都千代田区)は、iPhone向けの防災アプリケーション「全国避難所ガイド」のアップデート版で気象警報や地震情報などの防災情報の提供を開始しました。

日本気象協会と業務提携し、気象警報や注意報のほか、地震、台風、津波、火山に関する情報を表示できるようになりました。また、各電力会社の電力使用状況も確認することが可能です。

全国避難所ガイドは、全国におよそ10万か所ある避難所から現在地にいちばん近いものを検索して道順を案内することができるアプリケーションで、防災情報に対応したver.2.0は2011年10月27日からダウンロードできるようになっています。

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消火器の訪問販売業者を業務停止 埼玉県

埼玉県は、「三恵防災設備工業」の名称で消火器の訪問販売を行っていた東京都文京区の個人事業主に対して、特定商取引法の規定にい基づいて3か月の業務停止命令を出しました。

県によると、特定商取引法で義務付けられている事業者名や氏名の告知を行わず、消火器の点検や交換と偽って販売の勧誘が目的であることを明らかにしなかったほか、領収書などに東京都葛飾区にある電話代行会社の住所を記載したり、クーリング・オフへの対応を遅延させるなどしていました。

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『ぼうさい』平成23年秋号 No.64

日本の火山 Vol.19 北海道 樽前山

北海道南西部の苫小牧市と千歳市にまたがる樽前山について。

火山活動はおよそ9,000年前から始まり、山頂の溶岩ドーム(円頂丘)は1909年(明治42年)の噴火で形成されたことなどが紹介されています。

特集 東日本大震災から学ぶ ~いかに生き延びたか~

2011年(平成23年)8月に開催された体験報告会の模様が掲載されています。

釜石市立釜石東中学校(岩手県)の防災教育や震災時の様子のほか、陸前高田市立米崎小学校避難所の運営についても報告されました。避難所の運営役員には、消防団幹部のような公的な立場を持ち地域に密着した人物がふさわしいとしたほか、コミュニケーションは密に取りながらも、山積する課題への対応は強引に決めてとにかく最後までやり遂げ、その時点で改めて意見を吸い上げることが避難所をスムーズに運営する原則の一つとしています。

コラム 「防災フェア2011」開催

東京臨海広域防災公園で開催された「防災フェア2011」の模様が掲載されています。

防災の動き

平成23年度総合防災訓練

平成23年度の総合防災訓練では、中央防災無線などを活用した閣僚の安否確認訓練と徒歩参集訓練が初めて行われました。

ワルストロム国連事務総長特別代表(防災担当)が
平野防災担当大臣を表敬訪問

UNISDR(国連国際防災戦略)のトップ、マルガレータ・ワルストロム特別代表が平野防災担当相を訪問し、東日本大震災の経験の共有を図り連携を強化していくことを確認しました。

中央防災会議「東北地方太平洋沖地震を教訓とした
地震・津波対策に関する専門調査会」報告

中央防災会議の専門調査会が取りまとめた報告書の概要が掲載されています。

平成23年7月新潟・福島豪雨

2011年7月28日から30日にかけての豪雨による被害の状況と政府の対応が掲載されています。

平成23年台風12号

2011年8月25日に発生し、紀伊半島で特に大きな被害となった台風12号への対応などについてまとめられています。

東日本大震災からの復興の基本方針

2011年7月29日に取りまとめられた基本方針の概要が掲載されています。

防災Q&A
被災地でボランティア活動をしたいのですが気を付けることはなんですか

ハードなスケジュールや能力を超えた作業によるけがや、休息や水分、栄養の不足による体調不良に注意することなどが挙げられています。

Active Human List 7 落語家 桂三枝さん

2011年8月29日に吉本興業東京本社で開催された「今、最も知りたい『減災』~47都道府県 あなたの街に“住みます”芸人 公開授業」の模様と、「減災ひろめる芸人応援団長」に就任した桂三枝さんが東日本大震災の被災地で行った「移動あおぞら花月」などについて掲載されています。

過去の災害に学ぶ33 1947年9月 カスリーン台風
その3 利根川の破堤と首都圏氾濫

1947年(昭和22年)9月のカスリーン台風による被害について。江戸時代に水害対策や流域開発のため行われた東遷事業以前の古い川筋に沿って大きな被害をもたらしたことに触れ、この事情は現在も変わっていないことなどを指摘しています。

防災活動と地域の輪 第8回
大人も子どもも一緒に行う地域防災力向上作戦

上牧町(奈良県)の西大和6自治会連絡会による「災害時要援護者避難訓練」と「子どもサバイバルキャンプ」について。

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2011年10月28日

中国・四国各県、大規模災害時の広域支援体制強化へ

中国地方知事会と四国知事会は、大規模広域災害に備えて「カウンターパート方式」による広域支援体制に合意したと発表しました。

被災自治体に対して担当する自治体を割り当てるカウンターパート方式の導入を含めた連携強化については、中四国サミットや各知事会などで議論を進めてきました。2011年(平成23年)10月26日に行われた中国地方自治会と四国自治会の知事会議で、カウンターパートの組み合わせについて合意され、カウンターパートを補完するため中国・四国のブロック内で調整を行う広域支援本部を設置することも決まりました。また、中国ブロック内の5県でもカウンターパート方式の導入と組み合わせを合意しています。

中国地方自治会と四国自治会では、事務的な調整を経て早期に合意書の締結を予定しているとのことです。

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米US&Rタスクフォース研修レポート

シグナルOSホームページに、US&R(Urban Search and Rescue:都市型捜索救助)カリフォルニア・タスクフォース3(メンローパーク消防局)の「レスキューシステム2」研修レポートが掲載されています。

ロープレスキューや重量物を人力や救助資機材、建築資材だけで持ち上げたり移動する手法などのほか、倒壊の危険がある建物などを安定化させるショアリングについても触れられています。ショアリングについては、耐火造の建築物が主流となっている海外で発達した技術のため、木造建物の火災についてはほとんど研究されていないほか、支柱などにも主に木材を使うことを指摘し、火災現場に適したショアリング技術の構築が殉職者や負傷者を防ぐために有効と痛感したとのことです。

レスキューシステムそのものについても、ホームセンターで購入できる道具を使った方法などは自主防災組織向けに適していることや、中小規模の消防本部が限られた予算で実施できる利点があるとしています。

FEMA(連邦緊急事態管理庁)では全米の消防機関などに28のタスクフォースを編成していて、国内外の災害で救助活動に従事しているほか、全米の消防機関や海外からの研修を受け入れています。

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2011年10月27日

防火ポスターコンクール審査結果 全日本消防人共済会

全日本消防人共済会は、2011年度(平成23年度)の防火ポスターコンクールの審査結果を公表しました。

各都道府県消防協会を通して応募された小学4年生から中学生による作品の中から最優秀賞1作品と優秀賞2作品、佳作7作品が選ばれました。最優秀作品は、11月9日から行われる秋の全国火災予防運動に合わせて防火ポスターとして全国に配布されます。

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横浜市「救急医療情報・相談ダイヤル」共通電話番号導入

横浜市は、2011年(平成23年)11月から「救急医療情報・相談ダイヤル」の電話番号として#7499を利用できるようにします。

横浜市では、現在「救急医療情報センター」と「小児救急電話相談」、「産科あんしん電話」を別々の電話番号で提供していますが、利用を促進するため、電話番号を統一して覚えやすくすることにしました。

#7499は横浜市内のプッシュ回線の固定電話と携帯電話、PHSから利用可能で、ダイヤル回線などからかける場合の電話番号は045-227-7499となります。また、これまでの救急医療情報センターや小児救急電話相談、産科あんしん電話の電話番号も引き続き利用可能です。

新しい電話番号は2011年11月1日午前8時30分から利用できるようになります。また、電話回線工事のため、前日の10月31日午後3時から午後4時にかけてつながりにくい場合があるとのことです。

(東京や大阪の#7119とはサービスの内容も電話番号も似ているようで違い、番号が統一されても年中無休24時間受付は救急医療情報センターだけというのは、ややわかりにくいのではと思います)

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平成23年度愛知県防火作品展・優良少年消防クラブ表彰

愛知県は、2011年度(平成23年度)の愛知県防火作品展入賞作品と優良少年消防クラブ、優良クラブ指導者を決定しました。

防火作品展は愛知県内の小学5年生と6年生からポスターの部に5,344作品、習字の部に11,021作品の応募があり、各学年ごとにポスターと習字10作品、計40作品が入賞しました。愛知県知事賞(特選)に選ばれた4作品のうち、ポスター5年生の部で入賞した作品は防火ポスターとして2011年度(平成24年度)春の全国火災予防運動で使われます。優良少年消防クラブには9クラブ、優良クラブ指導者には3人が選ばれました。

表彰式は2011年11月5日に名古屋市中区役所ホールで行われ、入賞した防火作品も展示されます。

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2011年10月26日

カセットこんろ・ボンベの事故に注意呼びかけ

東京消防庁では、カセットこんろやボンベの不適切な使用・保管による事故に注意を呼びかけています。

高校や大学などで文化祭や学園祭が多く行われる時期で、調理のためにカセットこんろが使われる機会も増えることから、過去の事故事例を紹介したうえで、生徒がカセットこんろなどを使用する場合は、取扱説明書や日本ガス石油機器工業会が公表している使用上の注意に従って使われているか教職員が管理・確認するよう求めています。

東京消防庁管内では、高校の文化祭で調理に使っていたカセットこんろの受け皿(五徳)を表裏逆に取りつけたためボンベが過熱して破裂したり、カセットこんろを2台並べた上に鉄板を置いて使用したためにボンベが爆発するなどの間違った使い方による事故が起きていて、重傷者が出た事例もあります。

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兵庫県が津波被害警戒区域図を作成 防潮堤無効を想定

兵庫県は、防潮堤などのハード対策が全く機能しないことを想定した「津波被害警戒区域図」と、防潮門扉がすべて閉められた場合と閉めることができなかった場合を想定した「津波浸水想定区域図」を作成すると公表しました。

井戸俊三知事が2011年(平成23年)10月24日の記者会見で明らかにしました。会見では、当面の対策として東海・東南海・南海の3地震が連動した場合として現行想定の2倍の津波高を設定したシミュレーションを行い、警戒区域図などを作成するとしました。県内の市町には警戒区域図などをもとに津波災害対応マニュアルやハザードマップの改定を求めるほか、高架駅や高速道路、パーキングエリアなどを一時避難場所として活用できるよう鉄道事業者や道路管理者と協議をしていくとのことです。また、浸水による被害が予想される地下鉄や地下街の対策、確実な情報伝達のための通信事業者との協議なども進めます。

日本海側については、現行の想定を上回る規模の津波は考えにくいとしたうえで、原子力発電所の立地県で進められている津波履歴調査などを踏まえて必要があれば見直すとしました。

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2011年10月25日

ハロン管理行動計画 平成23年度報告書公表

日本消火装置工業会は、「ハロンの適切な管理のための自主行動計画」の平成23年度フォローアップ報告書を公表しました。

ハロンは低濃度で高い消火性能を発揮し毒性も低い特徴がありますが、オゾン層破壊物質としてモントリオール議定書や国内法で製造が禁止され、2000年(平成12年)には国家ハロンマネジメント戦略が策定されています。このため、ハロン消火設備の新設はクリティカルユースとして総務省消防庁が認めた用途に限るとともに、既存の消火設備に使われているハロンについても、設備撤去時のハロン回収や適切な維持管理による誤放出防止などの取り組みを進めています。

フォローアップ報告書では、啓発リーフレットを消防設備点検資格者再講習や解体業者向けの資料として配布して誤放出防止を図っているほか、消火設備の撤去・廃棄時に引き取り業者の紹介、あっせんを行うなどして確実な回収を進めているとしました。ハロン1301の回収量が供給量を大幅に上回っている点については、2009年(平成21年)に容器弁の安全性点検が制度化されたことに対応する備えとなるほか、既存設備の必要量が満たされるまでは破壊すべきではないとした国際合意もあることから、余剰が発生している状況ではなくハロン消火剤の処理(破壊)は当分の間実施されないとしています。

フォローアップ報告を受けて「ハロンの適切な管理のための自主行動計画評価委員会」が行った評価では、おおむね計画に沿った実施状況であるとしたうえで、ハロン消火剤の補充に当たって提出される「放出後処理報告書」に記載された放出要因の調査を進めてハロンデータベースの信頼性向上を図ることを求めています。

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『週間情報』平成23年10月25日 No.2340

両会の動き

消防実務講習会(警防・救急)の実施
全国消防協会・全国消防協会北海道支部

2011年(平成23年)10月13日に釧路市内で警防・救急に従事する職員を対象とした講習会を実施しました。

消防本部の動き

東京消防庁における平成24年度受託研修に関するお知らせについて
東京消防庁(東京都)

全国の消防本部から職員を受け入れて実施している受託研修について、2012年度(平成24年度)の「高度救助技術」と「火災調査技術」の申し込みを2011年11月7日から11月30日まで受け付けます。

平成23年度 神奈川県 県西地区消防合同訓練の実施について
湯河原町消防本部(神奈川県)

神奈川県県西地区の4消防本部が合同で、直下型地震により防ぎょ困難地域で延焼火災が発生したとの想定で訓練を実施しました。

マラソン大会で住宅用火災警報器の設置を広報
須坂市消防本部(長野県)

須坂市内で開催されたマラソン大会に職員10名が参加し、「設置して安心 住宅用火災警報器」と書かれたのぼり旗を背負って住警器の設置をPRしました。

屋内消火栓操法大会の実施
~自衛消防隊員が初期消火技術を競い熱戦を繰り広げる!~
泉佐野市消防本部(大阪府)

泉佐野市火災予防協会の主催で、第35回屋内消火栓操法大会を開催しました。

電話番号の変更

沼津市消防本部(静岡県)の住所と電話番号、FAX番号、メールアドレスが2011年10月1日付けで変更となっています。

ホームページURLの変更

前橋市消防局(群馬県)のホームページアドレスが2011年10月1日付けで変更となっています。

国等の動き

住宅用火災警報器設置対策連絡会の設置について 総務省消防庁

全国消防長会に設置されていた「住宅用火災警報器設置推進連絡会」が、「住宅用火災警報器設置対策連絡会」として新たに位置づけられたうえで住警器の設置対策を推進することになった旨通知されました。

平成23年度消防設備関係功労者等に係る消防庁長官表彰式の開催
総務省消防庁

「消防設備保守関係功労者」と「消防機器開発普及功労者」、「優良消防設備等」の表彰式を開催します。

平成23年1月~6月中の製品火災に関する調査結果 総務省消防庁

2011年1月から6月に発生した製品火災の調査結果が取りまとめられています。

平成23年夏期(7月~9月)の熱中症による救急搬送の状況
総務省消防庁

2011年7月から9月の間の熱中症による救急搬送について取りまとめられています。

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2011年10月24日

カンキョー製コンデンス除湿器に火災のおそれ

カンキョー(横浜市中区)が委託工場で生産・輸入したコンデンス除湿器に発煙や発火のおそれがあるとして無償点検・修理を行うことを発表しました。

2006年(平成18年)6月から2007年(平成19年)12月にかけて製造したコンデンス除湿器「DBC」約1万8千台が対象で、電源基板に設計と異なる部品が使われているほか、電源基板部分のケースも仕様より難燃性の低い樹脂で製造されたため、電源基板から発火してケースに延焼するおそれがあるとのことです。

カンキョーでは、該当する製品の使用を中止して電源プラグをコンセントから抜き、サービスセンターへ連絡するよう呼びかけています。

リコールの対象となっている除湿器では、2009年(平成21年)6月に京都府で除湿器本体と周囲を焼損する火災が起き、2010年(平成22年)9月に製品起因が疑われる事故として消費者庁が公表していました。

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2011年10月23日

「サービス付き高齢者向け住宅」の用途判定について

総務省消防庁は、改正高齢者居住安定法(高齢者住まい法)で創設された「サービス付き高齢者向け住宅」の消防法上の用途判定についての執務資料を各都道府県と東京消防庁、政令指定都市の消防本部に送付しました。

高齢者居住安定法の改正に伴って高齢者専用賃貸住宅などの制度がサービス付き高齢者向け住宅に一本化されたほか、老人福祉法上の有料老人ホームも基準を満たせばサービス付き高齢者向け住宅として登録が可能となったことを受けてのもので、「状況把握サービス及び生活相談サービスのみの提供を受けている場合や個別の世帯ごとにいわゆる訪問介護等を受けている場合」は消防法施行令別表第一(5)項ロ(寄宿舎、下宿又は共同住宅)として扱い、「共用スペースにおいて入浴や食事の提供等の福祉サービスの提供が行われる場合」は別表第一(6)項ロ(ショートステイ、特別養護老人ホーム等)又はハ(老人デイサービスセンター、老人福祉センター等)に該当するものとして取り扱うこととしています。

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暖房器具による火災やCO中毒などに注意を呼びかけ

製品評価技術基盤機構では、暖房器具による火災や着衣着火、一酸化炭素中毒などの事故への注意を呼びかけています。

暖房器具による事故では人的被害が多く、特に石油ストーブと電気ストーブでは死者が出る事故が多発しています。石油ストーブではカートリッジタンクのふたをきちんと締めなかったために灯油が漏れて火災となることが多いほか、暖房器具の近くに干した洗濯物や可燃物が接触したり輻射熱で着火する事故も起きています。

暖房器具による事故は11月から増え始め、1月をピークに3月まで多く発生する傾向となっています。また、東日本大震災の発生以降、節電志向が強まっているため、使用せず保管していた古い暖房器具や使い慣れていない製品を使う機会が増えると予想され、事故の増加が懸念されるとしています。

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『検定協会だより』平成23年10月 第370号

巻頭のことば 安心で安全なまちづくりにむけて
―福岡市消防局の火災予防体制―

消防職員の半数を動員して行ったローラー作戦などの効果で、2011年(平成23年)6月1日に完全義務化された住宅用火災警報器の設置率が84.4%と比較的高くなっていることや、小規模高齢者福祉施設、雑居ビルなどに対する立入検査、是正指導の実施、放火監視機器の配置や庁外に出向する消防車両の赤色灯点灯による放火防止対策などが紹介されています。

住宅用火災警報器の設置状況の推計結果(平成23年6月時点)

2011年6月時点の住警器推計設置率は71.1%で、半年前の2010年(平成22年)12月から7.5ポイント上昇しましたが、全国では3割近くが未設置となっているほか、設置率が50%程度にとどまっている地域もあります。

2011年9月には「住宅用火災警報器設置対策基本方針」が決定され、関係機関や団体、業界などが総力を結集して住警器の設置を徹底するとしています。

規制対象物における火災発生状況(その1)

2010年(平成22年)中に大阪市消防局管内で発生した、消防用設備の設置義務がある防火対象物の火災状況を分析しています。

2010年に規制対象物で発生した火災は、建物火災の約7割にあたる586件で、約9万5千棟ある規制対象物の0.6%となっています。出火部分の用途は共同住宅等が367件で6割以上を占め、飲食店41件(7.0%)、工場・作業場39件(6.7%)、事務所等38件(6.5%)が上位を占めます。

火災原因は放火の疑いが最も多く、たばこ、天ぷら油の順となっていますが、共同住宅に限ると放火の疑いと逆転してたばこが1位となりました。

住警器ソング「うちのUFO 住警器」&イラストが全国で活躍

東京消防庁江戸川消防署が広報のため制作した住警器設置促進ソングと、作曲と歌を担当した女優の三咲順子さんが各地で上演している「防災一人語り」などが紹介されています。

―検定協会の設備紹介― 新小型電波暗室

EMC(電磁両立性。電磁波により他の機器に影響を与えたり、受けないようにすること)環境の多様化や無線連動機能を備えた住警器の登場などに対応するため、既設の電波暗室全体を撤去して新設に近い形で改修を行った新しい電波暗室について。

随想 消防防災に想う(第31回)
~ISO/TC21について(その6)~

ISO/TC21/SC1で議題となった避難口や避難方向を示すピクトグラムについて。

日本では、国際的な標準化の動きを踏まえてシンボルデザインの募集と審査を行い、提案したものがISOで採択されたとのことです。

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2011年10月22日

豪雨災害復興へ観光振興アクションプログラム 和歌山県

和歌山県は、台風12号による豪雨災害を受けて「災害復興のための観光振興アクションプログラム」を策定しました。

台風12号の影響による豪雨のため、2011年(平成23年)9月2日から9月3日にかけて和歌山県内の各所で大きな被害を受け、県南部の「熊野三山」など観光地へのアクセスも寸断されるなどしましたが、復旧作業により交通アクセスと安全が確保できる状況になっています。このような状況を受けて、和歌山県では2011年度当初に策定した「和歌山県観光振興実施行動計画」を見直し、アクションプログラムを追加して正確な情報発信と観光客の回復に取り組むことになりました。

アクションプランでは11月の観光週間事業を予定通り行うとしたほか、全国からボランティアを募集して「10万人の参詣道『環境保全活動』」を実施して世界遺産の保全活動を拡充するとともに熊野古道の復活・安全性をPRします。旅行会社やJR西日本、日本航空、西日本高速道路、中日本高速道路とのタイアッププロモーションを実施し、修学旅行誘致のためセミナーやスクールキャラバンも展開する予定です。

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2011年1月~6月の製品火災調査結果 総務省消防庁

総務省消防庁は、2011年(平成23年)1月から6月の間に発生した自動車と電気製品、燃焼機器の火災について調査した結果を取りまとめ公表しました。

消防機関から総務省消防庁に報告があった「製品の不具合により発生したと判断される火災」は61件、「原因を特定できない火災」は218件ありました。製品の不具合が原因とされた火災の約7割にあたる42件は火災発生の前にリコールなどの対応が公表されていたものだったほか、火災原因調査で特定された不具合を理由とするリコールが行われたものも5件ありました。

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『予防時報』247号

コラム 原発事故 素通りした危険情報

アメリカでの、ゼネラル・エレクトリックが製造した原子炉「マークⅠ」の安全性に関する議論の経過と、日本の原子力安全神話について。

東北地方太平洋沖地震津波災害 ―東北地方の再生に向けて―

東日本大震災による津波被害調査と、被災地の復興について。明治三陸津波からの復興には豊漁で地域経済が潤ったことが重要な要素だったことや、高台移転を維持することの難しさなど、先人たちの経験から学ぶ必要があると指摘しています。

放射能と放射線の基礎知識

放射性物質と放射線に関する基礎的な解説のほか、チェルノブイリ原子力発電所事故と福島第一原子力発電所事故の違いやその後の対応についてまとめられています。

東日本大震災と歴史津波

郷土史家の飯沼勇義氏が書いた『仙台平野の歴史津波』で指摘されている歴史津波を東日本大震災の被災状況と比較しているほか、地震学者の視点が防災で重視されるようになった結果、それ以外の分野の視点が生かされなくなってしまったのではないかと指摘しています。

名古屋地域の防災対策

2001年(平成13年)以降の名古屋地域の防災への取り組みについて、阪神・淡路大震災と東海地震震源域の見直し、東日本大震災の3フェーズに分けてまとめられています。

地震保険制度と損害保険協会の東日本大震災への対応について

地震保険の概要とこれまでの改定経緯、東日本大震災を受けた対応について。

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2011年10月21日

図書館の復興と支援の特集記事 国立国会図書館月報

『国立国会図書館月報』平成23年10月号に、東日本大震災による図書館の被害や復旧・復興に向けた取り組みを特集した「図書館の復興とその支援 大震災を越えて」が掲載されています。

岩手県では、陸前高田市立図書館と大槌町立図書館、野田村立図書館が津波で壊滅的な被害を受けたほか、図書館職員も自治体職員として生活支援に従事したため図書館業務への支援を受けることができない状況となりました。宮城県では、県立図書館が施設の損壊やおよそ105万点ある資料の大半が棚から落下するなどして約2か月休館したほか、南三陸町立図書館と公民館図書館のある女川町生涯学習センターが津波で全壊、そのほかの公共図書館は多くが津波の被害を免れたものの、地震により休館を余儀なくされました。

震災後、資料の修復や図書、書棚などの寄贈、インターネットを通じた情報提供などの形で支援が行われていますが、支援をする側・される側のコミュニケーションが十分でなく、ミスマッチが生じていることが課題となりました。受け入れ態勢が整わない状況で人的支援の申し出があったり、子供への読み聞かせ活動で不適切な本が選ばれるといった事例があったほか、岩手県では県立図書館が県下の公共図書館に対する支援の情報を把握できなかったとしています。一方で、文部科学省が開設している「子どもの学び支援ポータルサイト」について都道府県教育委員会を通じて周知したところ、支援の要請件数が増えるなどマッチングのための取り組みも一定の成果を上げています。

復興に向けては、中長期的な視点による息の長い取り組みが必要とする意見や要望のほか、東北地方ではもともと図書館の設置率が低いとしたうえで、復興支援にとどまらない図書館サービスの整備に取り組むべきとの指摘もありました。

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建築研究所広報誌『えぴすとら』、東日本大震災の建築物被害を特集

建築研究所が発行している広報誌『えぴすとら』第55号に、「平成23年東北地方太平洋沖地震 ~後編 地震動による建築物被害について~」と題した特集が掲載されています。

建築研究所が国土交通省国土技術政策総合研究所と合同で行った一次調査の概要をまとめたもので、1981年(昭和56年)の新耐震基準に適合する設計の建築物では構造的な被害は少なかったものの、天井や外壁などの非構造部材が落下したり、地盤の液状化により建物が傾斜するといった被害が確認され、原因究明と対策が課題と指摘しました。また、低湿地や水田、堀などを埋め立てた地域で構造被害が目立つとして、地盤の条件が地震動を増幅したり被害を大きくしている可能性が考えられるとしています。

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スバル・インプレッサ特別仕様車などに火災のおそれ

スバルテクニカインターナショナルは、燃料漏れや火災のおそれがあるとして2004年(平成16年)11月から2007年(平成19年)2月までに製造したインプレッサSTI特別仕様車3モデルのリコールと、後付け部品として2003年(平成15年)3月から2011年(平成23年)7月まで販売したエアインテークダクトの自主改善を国土交通省に届け出ました。

届出は2011年(平成23年)10月20日付で、エアインテークダクトの構造に問題があり、ダクトの金属コネクタと燃料パイプが接触・摩耗し、燃料が漏れて火災にいたるおそれがあるとのことです。リコール対象の3車種と自主改善対象のエアインテークダクトを装着した車両について、ダクトの金属コネクタとゴムホースを対策品に交換したうえでホース固定用クランプを追加、燃料パイプに接触痕がある場合は良品と交換します。

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2011年10月20日

東日本大震災被災の文化遺産、ワールド・モニュメント・ウォッチに選定

東日本大震災で被災した文化遺産が、失われる危機に直面している文化遺産の保護を呼びかける「ワールド・モニュメント・ウォッチ」の2012年版に選ばれました。

ワールド・モニュメント・ウォッチは、ワールド・モニュメント財団が紛争や自然災害、開発などから文化遺産を保護することを目的に1996年から2年に1度発表しているもので、2012年版では41か国・地域から67の文化遺産が選定されました。

ワールド・モニュメント財団は、プレスリリースで震災の被災地について多くの歴史的建造物や古い街並みが被害を受けただけでなく、民俗芸能や伝統的な職人技などの無形文化遺産も消滅の危機に脅かされていると指摘し、有形・無形の文化的基盤を復興させるための支援が必要と訴えています。

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三重県、緊急地震対策行動計画を策定

三重県は、東日本大震災の教訓を踏まえ、緊急かつ重点的に取り組むべき対策を盛り込んだ「三重県緊急地震対策行動計画」を策定しました。

計画は地震と津波に「備えるとともに、まず逃げる」を基本方針としています。策定に先立って行った東海・東南海・南海の連動によるマグニチュード9.0の地震を想定した津波浸水予測調査をもとに、浸水被害が予想される地域の避難計画やハザードマップの作製、更新や、避難に適した施設の設置基準策定、津波避難標識の設置促進などを進めるとしました。また、東日本大震災では避難誘導や防潮扉閉鎖などに従事中の防災関係者が犠牲となった例が多かったことから、津波到達時間内での対応・行動ルールの周知徹底を盛り込み、防潮扉の自動化なども中長期的な対策として示しています。県庁舎などの重要施設や学校、住宅の耐震化のための取り組みも進めるほか、避難所の運営や備蓄食料の不足、栄養の偏りといった課題への対策も検討するとしています。

裏表紙には、県民向けの「緊急行動計画チェックリスト」と、防災情報の入手先として県が開設している防災情報ホームページ「防災みえ.jp」のURLが掲載されています。

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2011年10月19日

平成24年度危険物安全週間推進標語の募集開始

全国危険物安全協会では、「平成24年度危険物安全週間推進標語」を募集しています。

総務省消防庁などと共催で毎年6月第2週に実施している「危険物安全週間」の行事を推進し、危険物災害の防止や保安に対する意識の高揚、啓発を図るために募集するもので、最優秀作は2012年度(平成24年度)の危険物安全週間推進ポスターや広報活動などに使用されます。

応募ははがきか全国危険物安全協会のホームページで受け付け、締め切りは2011年(平成23年)12月12日(はがきは当日必着、ホームページからは午後5時まで)となっています。

平成24年度危険物安全週間推進ポスターのモデルは、東北楽天ゴールデンイーグルスの田中将大投手が起用される予定です。

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『週間情報』平成23年10月18日 No.2339

両会の動き

世界リーダーシップサミットの開催 アジア消防長会事務局

2011年(平成23年)10月10日・11日にスイス・チューリッヒで開催された「世界リーダーシップサミット」(国際消防長協会主催)の概要が掲載されています。

消防本部の動き

局所災害発生時に建設業協会が消防活動を支援
湖南広域消防局(滋賀県)

滋賀県建設業協会湖南支部と「局所災害時における消防活動支援に関する協定」を締結しました。

東北地方消防職員による東日本大震災手記の掲載
~生活あんぜん・あんしん情報誌「雪」10月号~
神戸市消防局(兵庫県)

神戸市消防局が監修している月刊誌『雪』2011年10月号に、気仙沼・本吉地域広域行政事務組合消防本部(宮城県)と亘理地区行政事務組合消防本部(同)の消防職員24名の手記が掲載されています。

予防業務研修会の実施 東近江行政組合消防本部(滋賀県)

消防大学校入校者による講義と立入検査シミュレーション訓練を実施しました。

県際消防連絡会林野火災防ぎょ合同訓練を実施
豊橋市消防本部(愛知県)

県境を接する4消防本部と愛知県防災航空隊などが合同で林野火災防ぎょ訓練を実施しました。

「ショアリング」訓練の実施 大津市消防局(滋賀県)

四日市市消防本部(三重県)と合同で、建物内部から倒壊防止を図る「レースド・ポストショア」訓練を実施しました。

住所等の変更

沼津市消防本部(静岡県):庁舎移転に伴い、2011年10月1日から住所と電話番号、FAX番号が変更となっています。

ホームページURLの変更

栃木市消防本部(栃木県)のホームページアドレスが変更となっています。

国等の動き

避難勧告等の発令基準等に係る点検等について 総務省消防庁

避難基準などの発令基準や避難所となっている施設に土砂災害の危険がないかなどを点検するよう求める通知が発出されました。

エアゾール製品の適正な保管について 総務省消防庁

川崎市で発生した、エアゾール製品を大量に保管していた倉庫の火災を受けて、消防法による危険物規制の対象となるものや届出が必要となるものがあることを周知徹底するよう求める通知が発出されました。

平成23年度国の補正予算(第1号)に係る消防防災施設災害復旧費補助金及び消防防災設備災害復旧費補助金交付決定(第二次) 総務省消防庁

東日本大震災などにより被災した消防防災施設などの復旧費補助金が交付決定されました。

第17回危険業務従事者叙勲(消防関係) 総務省消防庁

瑞宝双光章386名、瑞宝単光章236名、計622名の受章が決まりました。

国際消防救助隊の実戦的訓練の実施 総務省消防庁

国際消防救助隊員を対象とした訓練を全国3か所で実施します。

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2011年10月18日

『防炎ニュース』No.188

巻頭言 地域のつながりが命を守る

地元自治会などでつくる経営委員会が運営し、東日本大震災で避難所となった松岩公民館(宮城県気仙沼市)の事例を紹介し、地域の人のつながりがいざという時に命を守ることにつながるとしています。

鳥取県西部地区の予防行政

鳥取県西部広域消防本部の予防業務について。消防団に関する事務を行っている構成市町村との連携の重要性や住宅防火対策の取り組みのほか、予防専従の職員を配置することが難しく消防法令違反の処理などの体制が十分でない、各消防署の管内状況の違いによる業務負担や経験で得られる知識・技術の差が大きいなどの課題が紹介されています。

快適で安全・安心な居住空間の創造へ 防炎商品への取り組み

インテリア・車両内装などを手掛ける住江織物(大阪市中央区)の防炎製品への取り組みについて。各種施設向けのカーペット製品は全商品が防炎対応で、一般住宅向けの製品も防炎製品の比率を高めています。

防炎製品の有効性に関する検証結果

価格の問題から普及が進まない寝具類の防炎製品について、布団と枕のカバー、シーツだけを防炎製品にした場合の火災予防効果を検証しました。防炎生地の種類によっては無煙燃焼の発生する可能性があるものの、カバーとシーツだけを防炎製品にすることで火災発生の防止が期待できるとのことです。

防炎技術講座(9)~薬剤編~

繊維の発火温度や燃焼性、難燃性といった性質に対応した防炎剤の選択、実際の開発に当たってのバランスなどについて。

日本防炎協会の研修に参加して

「衣料管理士実習」の一環として研修に参加した大妻女子大学家政学部被覆学科の学生のコメントが掲載されています。

協会からのお知らせ

防炎ポスター 作成・配布のお知らせ

陸上選手の福島千里さん(北海道ハイテクAC)を起用した防炎ポスターを作成しました。

予防広報委員会開催される

2011年(平成23年)7月に開催された第13回予防広報委員会の議題などが掲載されています。

防炎製品「寝具類」の性能試験基準改正と「作業服」「襖紙・障子紙等」の認定開始

寝具類の詰物単体の規程を削除し、カバーやシーツなども非防炎の寝具類と組み合わせることを想定した完成品試験としました。また、これまでは「衣服類」として試験・認定を行っていた一般工場用作業服の基準を新たに設け、着火物原因建具の上位を占める襖に使われる襖紙を障子紙と同様の基準により認定を開始しています。

絨毯等に係る指定検査機関制度の廃止について

これまで毛製品検査協会(現ケケン試験認証センター)を検査機関として指定して行ってきた防炎性能試験について、2011年9月末を持って指定検査機関制度を廃止したことに伴い日本防炎協会で直接実施することとなりました。

防炎北から南から・防炎西から東から

別府市消防本部が「別府市グループホーム連絡協議会」を対象に行った防災講話の概要が掲載されています。

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自動密封機構つきで小型・軽量な簡易トイレ開発

埼玉県産業技術総合センターとハマ電子(埼玉県加須市)は、自動密封パック機構を備えた簡易トイレを開発しました。

災害時や福祉、医療の現場で利用することを想定したもので、自動密封パック機構をハマ電子が開発、製品全体の設計は県産業技術総合センターが担当しました。約50cm四方、高さ約30cmとコンパクトな箱にすべてが収まる設計になっていて、重さも簡易トイレとしては最軽量の部類となる18kg程度で量産化を目指すとしています。また、機構部分の内製化などで製造コストを削減し、販売価格も抑えたとのことです。

埼玉県内や近県の自治体から販売を開始し、2012年(平成24年)4月には量産体制を整えて全国に拡販する方針です。

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『生活安全ジャーナル』第12号

特集 設計段階で事故を防ぐ

「設計段階で事故を防ぐ」の特集に向けて

製品評価技術基盤機構(NITE)による事故原因分類について。製品自体の問題と使い方の両方が影響して起きたと考えられるB区分については、ISO/IECガイド51で「スリーステップ・メソッド」として示されている安全設計の考え方と対比する形でも説明しています。

NITEデータベースにみる「製品自体に問題があり、使い方も事故発生に影響したと考えられる」事故

NITEがデータベースで公開している事故情報のうち、製品自体と使い方の両方が原因と考えられる製品事故は、2005年度(平成17年度)から2009年度(平成21年度)までの5年間に914件あり、表示や取扱説明書の不備と使い方によるものが440件、設計不良と使い方によるものが288件となっています。

事故が多かったのは電気こんろ(139件)や電子レンジ加熱式の湯たんぽ(96件)、カイロ(95件)で、火災など「拡大被害」に至ったものでは家庭用電気製品が183件と最も多くなっています。

製品事故を未然に防ぐための共用品とは?

容器側面の突起で中身を区別できるようにしたシャンプーとリンスや、車いすのまま乗車できるノンステップバスなど、多くの人が使いやすいよう工夫された「共用品」について。

設計段階からの事故の未然予防

製品の設計にあたって行っているリスクアセスメントについて。セルフレジの設計時に行ったリスク洗い出しの実例も掲載されています。

製品事故を未然に防ぐ
社内基準を策定・運用し、ゆるぎない社内体制を構築する

製品安全を確保するための社内体制、基準についての考え方や、消費者を含めた関係者が安全対策として取り組むべき事柄などが紹介されています。

日々進化する新技術・新製品に対応した安全規制の体系見直しについて

対象品目の大括り化や基準の性能規定化などで、技術の進歩に対応した柔軟な安全規制とすることを目指す電気用品安全法の見直しと、制定から約38年が経過している消費生活用製品安全法について。

製品安全だより 便利グッズも正しい使い方が大切

電力需給対策として多数販売された暑さ対策製品を例に、正しく使うことや適切な表示の必要性を呼びかける内容です。

NITE安全の視点

事故動向等について 平成22年度

2010年度(平成22年度)に受け付けた事故情報は4,282件で、製品区分別では家庭用電気製品が2,389件(55.8%)と最も多くなっています。人的被害や火災などの「拡大被害」が発生した事故は誤使用や不注意によるものの割合が高く、「製品破損」は設計や製造、表示に起因するものが多数を占めます。

社告・リコール情報

2011年(平成23年)2月から7月までの6か月間にNITEが収集した情報がまとめられています。

数字で見る事故情報 514

2006年(平成18年)から2010年(平成22年)までの5年間にNITEが受け付けた事故情報のうち、誤使用や不注意によるものが514件ありました。

製品の経年変化と製品安全(その3)
―開発・設計の段階で経年変化を読み対応―

製品の経年変化による影響を推定するためにFMEA(故障モード影響解析)の手法を活用することが有効としています。

平成21年告示高等学校学習指導要領及び
その解説(家庭編)における製品安全に関する記述分析(上)

学習指導要領から製品安全に関する記述を抜粋しています。

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2011年10月17日

スマートフォンで今いる場所の災害情報を合成表示

キャドセンター(東京都千代田区)は、AR(拡張現実)技術を活用し、iPhoneのカメラで表示した現在地の映像に防災・災害情報を重ねて表示できる「ARハザードスコープ」を開発しました。

現在地の画像と洪水などによる浸水深を重ねることでよりリアルに感じることができるほか、多くの種類のハザード情報や避難所などの情報を切り替えて表示することも可能で、学術研究や防災教育などの用途に応じて必要な地域の情報を組み込んだアプリケーションを制作します。今後はiPhoneだけでなくAndroidに対応した製品のほか、リアルタイムの防災情報や音声情報などの機能を開発していくとしています。

2011年(平成23年)10月19日から東京ビッグサイトで開催される「危機管理産業展2011」で、東京都千代田区神田神保町周辺のハザード情報を登録した製品が展示されます。

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無線を使った情報伝送・共有、防災訓練で検証

情報通信研究機構(NICT)は、2011年(平成23年)10月29日に行われる「平成23年度東京都・小平市・西東京市・武蔵野市・小金井市合同総合防災訓練」で、地域分散無線ネットワーク「NerveNet(ナーブネット)」による安否確認や情報配信などの検証を行います。

NerveNetは、専用の基地局同士が無線で自動的に接続し、直接電波が届かない離れた基地局までの複数の経路をあらかじめ把握しておくことで、災害などのために一部の基地局が停止してもすぐに別の経路で通信を行うことができる無線ネットワークシステムです。また、それぞれの基地局でデータベースを保持し、基地局間で同期する機能もあるため、接続可能な基地局から必要な情報を得ることが可能です。

訓練では、NICTが開発したNerveNet基地局の実証機を会場となる都立小金井公園(東京都小金井市)内の9か所に、災害情報端末を避難所運営訓練会場と展示・体験・応急復旧訓練会場の2か所に設置します。参加者は専用のICカードやおサイフケータイ、IC免許証などを端末にタッチさせることで安否情報の確認・登録やメッセージ配信などの操作を体験することができます。

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2011年10月16日

灯油用ポリタンクの適正使用啓発ポスターを作成

危険物保安技術協会は、灯油用ポリタンク(灯油用ポリエチレンかん)の正しい使い方を啓発するためのポスターを作成しました。

作成されたポスターはB3版で、引火防止のため火気から2m以上離す、容器の変形や漏えいの恐れがあるのでガソリンなど灯油以外のものを入れない、確実に密栓されていることを確認する、紫外線による劣化を防ぐため直射日光を避ける、積み重ねての保管はしないといった注意事項のほか、消防法の容器性能試験に合格したことを示す「型式試験合格証」がついたものを選ぶことを呼びかける内容となっています。

ポスターは消防機関に配布したほか、危険物保安技術協会ホームページにPDFファイルとして掲載されています。

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2011年10月15日

震災廃棄物火災の消火活動時に注意する事項を公表

消防大学校消防研究センターは、積み上げて仮置きした可燃性震災廃棄物から出火した場合の消火活動で注意する項目をまとめた「震災がれき仮置場火災の消火活動について」を公表しました。

積み上げた震災廃棄物のような堆積廃棄物が蓄熱発火すると、内部が広い範囲にわたってくん焼(無煙燃焼)している場合が多く、消火活動に長期間必要となるほか、鎮火後も再び火災となる可能性が高いとのことです。また、春先や初秋などに同じ堆積物から再出火することも考えられるとして、注水用の配管を敷設するなどの対策が望ましいとしています。

消火活動の際には、がれき内部の焼損した部分が軟弱になっているため崩落や重機の横転などに注意する必要があるほか、一酸化炭素や硫化水素などの有毒ガスが発生する可能性も高いとして、活動前にガス測定を行い、空気呼吸器を着装することを求めています。放水時には、燃焼部位に確実に届くよう堆積物を掘り起こしながら注水し、再燃防止や浸透効果の高い第二リン酸アンモニウム(リン酸水素二アンモニウム)と界面活性剤を混合した水溶液を使用すると効果があるとしています。地面に穴を掘って水をため、燃焼物を投入して水没させたり、少量ずつ広げて散水するなどの方法も紹介されています。側面などからの空気流入を防ぐために土嚢を積み上げたり土砂をかけるなどで火勢を弱めることができる場合があります。

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2011年10月14日

東日本大震災による液状化で判定法検証

土木研究所の土質・振動チームは、東日本大震災で液状化が発生した場所などで液状化判定を行い、実際の液状化発生状況との比較検証を実施しました。

土の液状化に対する強さと地震によってかかる力から計算される、液状化に対する抵抗率FLについては、液状化が発生したのに液状化しないと判定(FL>1)した「見逃し」はなく、液状化が発生しなかったのに液状化すると判定(FL≦1)された誤判定は多くが液状化発生個所の周辺にある古い埋立地盤や自然地盤となっていました。また、地盤の深さごとに計算されるFLが1以下となる層が薄い場合なども液状化が発生しにくい傾向となっています。

地盤全体の液状化の激しさを示すPL値はおおむね実際の液状化発生状況と整合していましたが、液状化が発生したのにPL値が小さかった箇所が2か所あったほか、FLと同様に江戸時代や明治時代に埋め立てられた古い地盤では液状化しにくい傾向がありました。

地盤強度と地震時せん断応力の関係についても検討を行い、おおむね液状化判定法で使われている強度推定式と整合しているとしたほか、1987年(昭和62年)の千葉県東方沖地震と比較して地震動の継続時間が長かった東日本大震災では液状化の発生個所が多く、揺れる時間の長さも液状化に影響すると考えられるとしています。

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震災時にヘリコプターを優先利用できるサービスが登場

森ビル子会社の森ビルシティエアサービス(東京都港区)は、震災時に優先的にヘリコプターを利用できるサービス「震災対策フライトプラン」を2012年(平成24年)1月から開始すると発表しました。

ヘリコプターは災害時に有効な移動・輸送手段である一方、自社で運航する場合は年間1億5千万円程度の費用がかかることから、震災時に優先的にヘリコプターを利用する権利を購入することで費用負担を抑えながら企業活動を継続できるようになるとしています。

発災当日から3日間に2時間40分、4日目から7日目までの4日間に1時間20分の合計4時間まで優先利用が可能な「プランA」が年間900万円、発災4日目から7日目までの4日間に4時間以内と限定することで価格を抑えた「プランB」が600万円となっています。両プランとも震災時の1日当たり利用時間は原則として1時間20分以内となるほか、優先利用分の4時間を含めて年間13時間20分のフライト保証時間が含まれています。

両プランそれぞれ6口の限定で、申し込みは2011年10月13日に受付を開始しています。口数は、アーク森ビル屋上に設置されているアークヒルズヘリポートの運用時間をもとにサービスを利用可能なように設定したとのことです。

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平成22年の水害被害額2010億円 国土交通省中間集計

国土交通省は2010年(平成22年)中に発生した水害による被害額の中間集計結果を公表しました。

2010年の水害による被害額は全国で約2010億円で、過去10年では最も被害額の少なかった2008年(平成20年)の約1664億円に次いで2番目に低い額となっています。

都道府県別では長野県の約256億円が最も多く、山口県が約244億円、10月の奄美地方豪雨で大きな被害を受けた鹿児島県が約213億円となりました。異常気象別では梅雨前線による被害(7月8日~17日)の約727億円、奄美地方豪雨によるものが約166億円となっています。

国土交通省では、被害額の算出に使う評価額の設定や報告の精査を進め、2011年度(平成23年度)末までに最終的な集計結果を取りまとめるとのことです。

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2011年10月13日

『消防科学と情報』No.104 2011年春号

巻頭随想 大規模災害に図上演習は効果が期待できるか
防災&情報研究所 髙梨成子

これまでは訓練進行上の問題などから図上演習・訓練に壊滅的被害のような極端な想定はされないことが多かったとしたうえで、訓練が生かされた事例や異動により訓練の経験者がいなくなったために被害を出した例などを紹介し、図上演習の柔軟な活用と継続が被害の極小化につながるとしています。

特集Ⅰ 東日本大震災(1)

東日本大震災からの復興に向けて
―地域防災計画の見直しを始めの一歩として―
東北大学大学院工学研究科付属災害制御研究センター教授 今村文彦

東日本大震災では、過去の災害記録をもとに策定された地域防災計画などの想定を超える規模の被害が発生し、福島第一原子力発電所の事故による二次被害や風評被害も起きていると指摘し、災害の全容を徹底的に解明して復旧・復興を実施しなければならないとしました。

東日本大震災・人的被害の面から 静岡大学防災総合センター 牛山素行

発災から7週間の2011年(平成23年)4月末の時点で地震と津波による死者・行方不明者の数に大幅な変動があることや、社会インフラの整備状況が大きく異なる明治三陸地震による津波(1896年)に匹敵する人的被害が生じたとしたうえで、明治三陸地震津波と東日本大震災による岩手県内の死者数を比較して被害軽減はできていたと分析しています。

いのちを救うこれからの津波観測システムの採用
関西学院大学社会安全学部長・教授(京都大学名誉教授)
阪神・淡路大震災記念人と防災未来センター長(兼務)河田惠昭

5分近くにわたってプレート境界の破壊が続いた東日本大震災では地震のマグニチュードを計算するのに時間がかかり適切な津波の高さの予測ができないことを指摘し、ケーブル式の地震津波監視システムやGPS波高計を使って常時観測を行うことが有効としています。

絶対に守らなければならないもの 東京大学名誉教授 島崎邦彦

ゼロか1かの単純な思考ではなく、きめ細かい対応と最悪の場合でも絶対に守らなければならないものを決めることが必要と指摘しています。

津波対策は失敗だったのか 東北大学名誉教授 首藤伸夫

1993年(平成5年)の北海道南西地震後に策定された「地域防災計画における津波対策強化の手引き」の考え方は東日本大震災後も有効であるとしたうえで、対策手法が防災関係者以外に共有されていなかったためほとんど実施されていなかったことを批判しています。

東日本大震災に対してどのように取り組むか
京都大学防災研究所 林春男

防災力をあらわす概念として使われるようになった「レジリエンス」について。東日本大震災におけるレジリエンスを科学的に記述・分析し、次の災害に生かせるようにする必要があるとしています。

提言 Blog防災・危機管理トレーニング主宰 日野宗門

津波被害を記録した映像を広く収集し共有財産として後世に残すことと、自分が住む土地の災害危険を知る義務や知らせる義務を課すことを提言しています。

東日本大震災に学びこれからを考える 名古屋大学教授 福和伸夫

東日本大震災では懸念していた被害がすべて起きてしまったとしたうえで、想像しなかった福島第一原子力発電所のような事故を防ぐにはシステム全体の安全性を俯瞰する力が必要としています。また、対応能力を超える災害の長期化で失われた信頼を回復するには今後予想される災害を徹底的に抑え込む唯一の道であるとしました。

震災からの復興は総合的に……防災は隠し味
関西学院大学災害復興制度研究所 室﨑益輝

震災からの復興ビジョンや計画の策定に当たっては「総論は早く、各論はゆっくりと」を原則とし、被災者が立ち直れないうちに高台移転のような各論を押し付けることは現に慎むべきと指摘しています。また、防災や安全だけでなく総合的・多面的に暮らしの総体を考える視点も必要とし、あくまでも「防災は隠し味」でなければならないとしました。

3つの疑問と今後の防災対策 東京経済大学 吉井博明

今後の防災対策を考えるうえで、なぜ巨大地震が起きたのか、なぜ津波からの避難行動が行われなかったのか、なぜ原発事故が起きたのかの3つの疑問を考える必要があると指摘しています。

特集Ⅱ 風水害図上演習

市町村の風水害対応と図上演習の活用方法 東京経済大学 吉井博明

豪雨災害などの風水害について、短時間・局所的に急激に変化する状況への対応が困難となったり、過去の経験に縛られて適切な対応ができない場合があることなどを指摘したうえで、図上演習により課題への対応能力を向上させることが可能としています。

集中豪雨を対象とした状況予測型図上訓練
Blog防災・危機管理トレーニング主宰 日野宗門

集中豪雨による災害への対応能力を高める手法として「状況予測型図上訓練」を紹介しています。

風水害図上型防災訓練における防災気象情報及び気象台との連携について
気象庁予報部予報課気象防災推進室 向井利明

図上シミュレーション訓練を通じて、目にする機会の少ない重要な防災気象情報について知ることや、訓練シナリオ作成で気象台などの情報発表機関と連携することが有効としています。

風水害と避難所運営ゲーム『避難所HUG(ハグ)』の実施と普及について
静岡県西部危機管理局危機管理課課長 倉野康彦

2007年(平成19年)に静岡県が開発した避難所運営ゲームについて。特に「楽しい」に力を入れて開発し、分刻みで避難者やイベントを設定したカードを読み上げることで災害の臨場感を再現するなどの工夫がされています。

市町村における風水害図上シミュレーション訓練のケーススタディ
消防科学総合センター研究員 胡哲新

規模が小さく災害の経験が少ない地方自治体でも実施可能な図上訓練について、実際に岐阜県神戸町で行った訓練を紹介しながら検討しています。

災害レポート

2010年インドネシア・メラピ火山噴火に学ぶ
京都大学防災研究所附属火山活動研究センター准教授 井口正人

メラピ火山の噴火などを例に、噴火活動が始まった後の活動推移を予測することの難しさや広域にわたって多数の住民を避難させなければならない事態に備える必要性を指摘しています。

平成22年奄美豪雨災害における自治体等の対応について
消防科学総合センター研究員 小松幸夫

2010年10月の豪雨災害について龍郷町と奄美市住用総合支所、コミュニティエフエム局のあまみエフエムにヒアリング調査を行った結果がまとめられています。避難所の確保が難しいために避難勧告・指示をためらったことや防災担当職員不在時の対応、防災行政無線などの設備の設置場所などの課題が挙げられています。

連載講座

連載第11回 水路工事で人の道を説く・川崎平右衛門 作家 童門冬二

慢性的な食糧不足のために農村で行われていた「間引き」の対策として関東の米の増産を進めた際、大岡越前守忠相の依頼で増反の指揮を執った川崎平右衛門について。

地域防災実戦ノウハウ(67)―地震時の防災活動のポイント その3―
Blog防災・危機管理トレーニング主宰 日野宗門

震度階級関連解説表について、阪神・淡路大震災の被害と合わせて実際に起こる可能性の高い状況を検討しています。

第3回 新たな地域防災対策への道(3)~平成の市町村合併により課せられた行政への新たな防災対策への課題~
鹿児島大学名誉教授 岩松暉
パスコ九州事業部 池邉浩司

「平成の大合併」で地方自治体が直面している課題について。地域防災力の再整備を行うだけの能力が不足していたり、職員数が削減され住民との連携や支援が十分でなくなるなどのほか、土地鑑がない地域での活動に自信がないといった職員の意見が紹介されています。

火災原因調査シリーズ(60)・電気火災「ポータブルDVDプレイヤー」から出火した火災について
静岡市消防局消防部予防課

消防大学校消防研究センターの支援を受けて、出火原因をリチウムポリマー充電池内部の短絡によるものと特定し、輸入事業者による無償回収につなげた事例が紹介されています。

関連リンク

『HEM-Netグラフ』2011年秋号

HEM-Netシンポジウム
―交通事故自動通報システム(ACN)と傷害予測の最前線―

自動車にエアバッグが作動するほどの強い衝撃が加わった場合に自動でコールセンターに通報する「事故自動通報システム(ACN: Automatic Collision Notification)」と、自動車のコンピュータ(ECU: Erectric Control Unit)内部のEDR(Event Data Recorder)が記録する情報を活用し、自動車に乗っている人のけがの程度を予測する手法について。

ケナリー・H・ディギス教授(ジョージ・ワシントン大学)とジェフリー・ S・オーガスティン教授(マイアミ・ライダー外傷センター、ウィリアム・リーマン傷害研究センター)による講演の内容が掲載されています。

ドクターヘリ最前線 岐阜大学医学部附属病院
先進システムを搭載した岐阜県ドクターヘリの全国初の取り組み

岐阜大学が研究を進めている「救急医療支援情報流通システム(GEMITS)」と、JAXAが研究開発を行う「災害救援航空機情報共有ネットワーク(D-NET)」を活用して運航されている岐阜県ドクターヘリについて。運航開始から約1か月後に起きた東日本大震災で課題となったドクターヘリの指揮命令系統にも触れています。

HEM-Net Up To Date

ドクターヘリ事業10周年・安全運航5万回達成
記念式典が開催されました

2001年(平成13年)のドクターヘリ運航開始から10周年と2011年(平成23年)7月に達成した無事故運航5万回を記念した式典が行われました。

ドクターヘリ推進議員連盟総会が開催されました

2011年7月にドクターヘリ推進議員連盟総会が開催され、「ドクターヘリの全国的配備に関する決議」が決議されました。

ドクターヘリ搭乗医師・看護師等研修 着実に成果
昨年の9月から1年間で44名が修了 今後44名が受講予定

2010年(平成22年)から行っている「搭乗医師・看護師等研修助成事業」による研修の修了者が44名となりました。

孤立する十津川村で和歌山のドクターヘリが妊婦を救出

台風12号による被害で孤立した十津川村から切迫流産の女性を和歌山県ドクターヘリが搬送しました。

関連リンク

震災対策にICT活用を提言 横須賀市研究会

横須賀市とYRP研究開発推進協会が設立した「横須賀スマートシティ研究会」が報告書を取りまとめました。

東日本大震災では通信の途絶や停電、電力不足などが課題となったことから、2011年(平成23年)6月に研究会の設立を決め、大規模災害時にも的確な情報提供や自治体業務の継続、重要拠点へのエネルギー供給を確保するための方策を検討してきました。

報告書では、災害情報の伝達について防災行政無線など既存の手段だけでなく、住宅用火災警報器やデジタルサイネージなど多様な方法で伝えられるようにし、情報を発信する自治体側では手段を意識せず一括で送信できるシステムのほか、携帯電話を使って住民の安否確認が行える仕組みの構築などを提案しました。避難所や病院、携帯電話基地局で非常用発電機に使用する燃料の残量などを監視し、燃料の分配や電気自動車を移動式の蓄電池として電力が必要な施設に振り分けることでエネルギールーティングを行う手法も示されています。

将来的には、防災・災害情報を自動で収集、集約して分析、的確な避難情報を提供する「防災コンシェルジュ」や、電力会社から供給される電力をコミュニティの発電設備で補い、災害時などにはコミュニティ間で融通することでエネルギーを確保するなど、利便性の向上や安心・安全の確保を実現する都市インフラの一体的な整備が重要としました。

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平成23年度の救命救急センター評価公表

厚生労働省は、2011年度(平成23年度)の救命救急センター評価結果を公表しました。

2011年3月31日までに運営を開始した救命救急センター235か所について、2010年度(平成22年度)の診療体制や患者受入実績などから「評価項目」と「是正を要する項目」に区分して点数化する方法で評価を行い、2年続けて是正を要する項目が22点以上となった場合はB評価、3年以上続くとC評価となります。また、評価結果は救命救急センター運営事業費の補助額に反映されます。

評価の結果、5か所の救命救急センターで是正を要する項目が22点以上となり、深谷赤十字病院(埼玉県)、徳島県立三好病院(徳島県)、愛媛県立新居浜病院(愛媛県)、県立宮崎病院(宮崎県)の4か所は前年も22点以上だったためB評価となっています。2010年度の評価では13か所の救命救急センターで是正を要する項目が22点以上となっていましたが、9か所については改善されたとのことです。なお、現在の評価制度が導入されてから2年目の今年はA評価かB評価となるため、C評価の救命救急センターはありません。

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2011年10月12日

愛知県、地震被害予測調査の公募型プロポーザル

愛知県は、東海・東南海・南海地震の被害予測調査委託事業者を公募型プロポーザルで募集します。

現在愛知県が進めている「第2次あいち地震対策アクションプラン」では東海地震と東南海地震の連動発生を想定した人的・経済的被害の半減を目標としていますが、東日本大震災の発生を受けて国が倒壊・東南海・南海の3地震が連動発生した場合を想定した被害予測に着手したほか、アクションプラン策定の前提となった被害予測調査から10年弱が経過していることから改めて地震被害の予測調査を行うことにしました。

プロポーザルの実施に先立って決定された調査の基本フレームでは、調査期間を2011年度(平成23年度)から2013年度(平成25年度)までの3年間とし、1年目にあたる2011年度は県の災害対応能力や東日本大震災への対応について検証するほか地盤データや被害予測に必要となるデータの収集を行い、2012年度(平成24年度)には被害予測などを実施、国による被害予測との整合性なども踏まえて地震防災対策を取りまとめるとしています。

プロポーザルの受付期間は2011年10月26日午後5時までとなっています。また、提案書に関する質問は10月17日午後5時まで受け付け、10月20日午前10時に県防災局ホームページで回答を公表するとのことです。

2011/10/21:プロポーザルに関する質問と回答へのリンクを追加しました。

2011/11/07:プロポーザルの結果へのリンクを追加しました。

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2011年4月~9月の災害対策関連入札、前年の2倍

ソフトウェア開発のアイ・ヴォヤージュは、2011年(平成23年)4月から9月までの半年間に行われた災害対策関連の入札が前年同期から207%増加したと発表しました。

アイ・ヴォヤージュが運営している官公庁の調達情報検索サービス「GovNavi」で全国約7,400機関の入札情報から「災害対策」という語句を含むものを検索したところ、2011年4月から9月は592件の入札があり、前年同期の286件から倍増していたとのことです。

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ソニーの液晶テレビ「ブラビア」に発火の恐れ

ソニーは、2007年(平成19年)9月から2008年(平成20年)8月にかけて製造した液晶テレビ「ブラビア」5機種に発火の恐れがあるとして無償点検・修理を行うと発表しました。

製品内部の部品に製造上の不具合があり、使用を続けていると劣化して発熱、発火する可能性があります。使用中に電源が切れ、スイッチのオン・オフを繰り返していたところ発火してテレビ本体を焼損する火災が重大製品事故として消費者庁に報告されているほか、製品評価技術基盤機構にもテレビ本体の上部が溶融する事故を10件把握しています。海外でも同じ部品を使った類似構造の製品が販売されていて、国内分を合わせて約160万台が出荷されていますが、海外では事故の事例はないとのことです。

ソニーでは専用窓口で点検の申し込みや問い合わせを受け付けます。また、点検を受ける前の製品を使用中に異音や異臭、発煙などの異常があった場合は直ちにスイッチを切り電源コードをコンセントから抜くよう呼びかけています。なお、電源を切った状態では事象が起きないことを確認しているとのことです。

2011/10/14:国民生活センターのホームページに掲載された情報へのリンクを追記しました。

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会計検査院、被災住宅再建と医療施設耐震化基金改善要求

会計検査院は、国土交通省の「被災住宅再建対策事業費補助金」と厚生労働省の「医療施設耐震化臨時特例交付金」を投じている基金について改善するよう要求しました。

被災住宅再建対策事業費補助金は、兵庫県を通じて兵庫県住宅建築総合センターが「住宅復興助成基金」となっています。住宅復興助成基金は、阪神・淡路大震災で被災した住宅を再建する場合に利用できる災害復興住宅融資などの利息の一部を立て替える「利子補給業務」に使われていますが、震災から16年が経過したことや、1997年(平成9年)9月以降貸付利率が立て替え対象の2.5%を下回る状況が続いていることから、2010年度(平成22年度)末時点で約230億8千万円が基金に残っています。一方で、会計検査院の試算では今後必要となる基金の額は約2010万円となるなどとして、余剰資金の国庫返納など基金の規模を早急に見直すよう求めています。

医療施設耐震化臨時特例交付金により都道府県が造成している「医療施設耐震化臨時特例基金」については、余剰となった基金の国庫返還に関する規定がないことのほか、基金事業の延長を可能としているにもかかわらず耐震化整備指定医療機関は本来の期限である2010年度末までに指定しなければならず基金を活用できていない事例があると指摘し、余剰資金が出た場合に新たな医療機関を指定して事業を進められる制度とするよう改善を求めました。

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公立学校の災害復旧制度と整備の視点を通知 文部科学省

文部科学省は、東日本大震災で被災した公立学校施設の復旧・復興に利用可能な災害復旧制度に関する質疑応答と整備の視点・方策を取りまとめ、2011年(平成23年)10月11日付けで都道府県教育委員会に通知しました。

災害復旧制度の申請は随時受け付けていて、申請後の現地調査後2週間程度で内定を通知、国からの支払いは申請から2か月程度で可能となっていることや、復旧工事は申請の前から始めることができる(事前着工届の提出と被災状況の記録、申請時の添付が必要)ことなどが説明されているほか、東日本大震災による被災の場合には申請手続きの簡略化や実地調査を省略する机上調査の基準額引き上げ(200万円未満→1億円未満)などの対応が取られていることを紹介しています。

学校施設の耐震化や高台移転、防災拠点としての機能整備などを行う場合に利用可能な補助事業についても図表にまとめられ、復旧・復興に当たって災害復旧事業以外の制度を検討できるようになっています。

また、同日付けで中川正春文部科学大臣から東日本大震災被災者に向けたメッセージ「学校からのまちづくり」が出されました。

2011/10/21:文部科学省が発出した通知一覧へのリンクを追加しました。

関連リンク

2011年10月11日

『週間情報』平成23年10月11日 No.2338

両会の動き

役員会等の開催予定

全国消防長会常任理事会・役員会、全国消防協会理事会・評議員会、全国優良消防職員表彰式が開催されます。

消防本部の動き

解体中の校舎を使用して警防訓練を実施 西宮市消防局(兵庫県)

解体中の小学校校舎で火災想定訓練と開口部設定などの破壊訓練を実施しました。照明がなく足場が悪いなど実際の災害現場に近い状況で、日常の訓練ではわからない問題点も確認できました。

救助技術講習会を実施 那覇市消防本部(沖縄県)

アメリカ海兵隊バトラー基地消防隊のレスキューテクニシャン・インストラクターを招き、ロープレスキューとCSR(狭隘空間からの救助、瓦礫救助)の技術講習会を開催しました。

佐賀県消防長会原子力防災講演会を実施 佐賀県消防長会

東京消防庁第八消防方面本部長・東京都隊総隊長として福島第一原子力発電所で活動した小室憲彦氏(現東京消防庁消防装備部長)を招いて「東京電力福島第一原子力発電所における東京消防庁の活動」を演題として講演会を開催しました。

住所の変更
  • 歌志内市消防本部(北海道):移転のため2011年(平成23年)10月13日付で変更、電話・FAX番号は変わりません。
  • 八雲町消防本部(北海道):移転のため2011年10月5日付で変更、住所以外は変わりません。
メールアドレスの変更
  • 南国市消防本部(高知県):2011年10月1日付で変更。

国等の動き

「聴覚障がい者対応型住宅用火災警報器普及支援事業」の実施について 総務省消防庁

住宅用火災警報器未設置の世帯は約3割に上るほか、聴覚障害者に対応した警報器は高額となるためさらに設置率が低くなっていることから、低所得の聴覚障害者を対象とした支援事業(無償給付)を実施します。

「聴覚障がい者対応型住宅用火災警報器普及支援事業」における福祉部局等との連携に関する調査について(依頼) 総務省消防庁

聴覚障害者を対象とした住警器普及支援事業の実施に際して対象者の特定や情報提供に関する福祉部局との連携について調査を行います。

「聴覚障がい者対応型住宅用火災警報器普及支援事業」に係る執務資料の送付について 総務省消防庁

聴覚障害者を対象とした住警器普及支援事業の質疑応答を送付しました。

「聴覚障がい者対応型住宅用火災警報器普及支援事業」の実施に係る事業者の公募の開始 総務省消防庁

低所得の聴覚障害者を対象とした住警器無償給付事業の実施事業者を公募します。

住宅用火災警報器の設置対策について 総務省消防庁

住警器の設置を推進するため「住宅用火災警報器設置対策基本方針」が決定されました。

住宅用火災警報器設置対策に係る各種施策の運用について 総務省消防庁

「住宅用火災警報器設置対策基本方針」決定を受けた各種施策の運用について通知されました。

「第11回危険物事故防止対策論文」の募集 危険物保安技術協会

総務省消防庁と危険物保安技術協会では「危険物事故防止対策論文」を募集しています。

平成23年度消防防災機器の開発等、消防防災科学論文及び原因調査事例に関する消防庁長官表彰受賞作品の決定 総務省消防庁

65編の応募から17編を受賞作品に決定しました。

平成23年度緊急消防援助隊地域ブロック合同訓練の実施 総務省消防庁

北海道東北ブロックを除く全国5ブロックで地域ブロック合同訓練を実施します。

関連リンク

都市再生基本方針改正 東日本大震災を踏まえ防災強化

東日本大震災の教訓と2011年(平成23年)7月25日に施行された改正都市再生特別措置法を踏まえた都市再生基本方針の改正が10月7日に閣議決定されました。

改正された都市再生基本方針では、自然災害による人的・経済的被害の最小化や都市機能の停止・低下による住民負担の抑制、経済・社会全体に与える負担を最小限にとどめるため、災害に強い都市づくりの推進が重要としています。また、人や各種機能が集中し経済活動の中心となる大都市の被災が甚大な人的・経済的被害につながらないようにすることや基本的な都市機能をできる限り安定的に継続して確保できることも必要としました。

津波や地盤の液状化など、東日本大震災で大きな被害をもたらした災害やライフラインの寸断への対策も盛り込んだほか、震災復興には多額の資金が必要になるとしてPFIなどの活用だけでなく長期資金の安定確保に向けた環境整備を強化する必要があるとしています。

改正都市再生特別措置法で新たに導入された「特定都市再生緊急整備地域」の指定基準が盛り込まれたほか、整備に当たっては防災機能の充実にも特に配慮するとされました。

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誤使用で発火するポータブル充電器のテスト事例公表

国民生活センターは、ACアダプターを誤って接続したポータブル充電器の商品テスト結果を公表しました。

テストを行った製品は、内蔵のリチウムイオン充電池からUSBケーブルを使ってスマートフォンなどに電力を供給できるポータブル充電器で、本来このポータブル充電器を充電するための電源端子に接続するACアダプターを誤ってUSB端子に接続したところ発火した事故があり、国民生活センターで再現テストを行いました。

利用状況として申出のあった電源スイッチがオフの状態では発火などの現象は確認できませんでしたが、電源スイッチをオンにすると本体の温度が上昇し、5時間以上経過後に電池パックの膨張により本体が破損、大きく発火しました。

国民生活センターでは事故の原因について、ACアダプターの誤接続が直接の原因と考えられるとしています。また、付属するACアダプターの端子が誤接続可能な形状だったことや、取扱説明書が英文のみだったことも誤使用につながった可能性があるとしました。

なお、発火事故の起きた製品については、輸入販売元が回収・返金を行っています。

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2011年10月10日

『消防の動き』平成23年10月 No.486

巻頭言:気象災害の予防について(消防審議会委員〈気象予報士・フリーキャスター〉根本美緒)

予報精度が向上しても、気候変動の影響や国土自体が土砂災害の起こりやすい状況にあるなど気象災害はより一層おこりやすくなっています。

特報1 :住宅用火災警報器の設置状況の集計結果
(平成23年6月時点)

2011年(平成23年)6月末時点での住宅用火災警報器の推計設置率は71.1%となり、2010年(平成22年)12月末の推計値63.6%から7.5ポイント上昇しました。

総務省消防庁では、2011年9月に住宅用火災警報器設置対策会議で決定された「住宅用火災警報器設置対策基本方針」なども踏まえ、関係機関と協力して住警器の設置を推進します。

特報2:平成23年度国の補正予算(第1号)に係る
消防防災施設災害復旧費補助金及び
消防防災設備災害復旧費補助金の交付決定

2011年8月5日付けで交付決定した消防防災施設災害復旧費補助金は30億4769万円、消防防災設備災害復旧費補助金は6億9075万円となっています。

補助金の交付に当たっては、基準額を廃止して実際の支出額を補助対象経費とし、従来認められなかった修繕費も対象としたほか、1自治体あたりの下限を設定する零細補助基準を適用しないなど、自治体の使い勝手がよくなるよう配慮を行っています。

Report

「リチウムイオン電池に係る危険物施設の安全管理のあり方に関する検討会」の発足

リチウムイオン電池の電解液は石油製品と同等の引火性液体として危険物規制の対象となっていますが、行政刷新会議による規制仕分けや電力需給対策としてのリチウムイオン電池の有効性などから、火災危険性や安全対策のあり方などを検討することになりました。

検討会では、2011年中のできるだけ早い時期に結論を出せるよう検討を進めます。

異常現象発生時における通報の迅速化について

石油コンビナート等特別防災区域では「異常現象」が発生した場合には直ちに消防機関へ通報することになっています。しかし、発生から通報まで30分以上かかる例が2009年(平成21年)は3割を占めていることから、通報の迅速化に向けた方策を検討しました。

検討の結果、異常現象の範囲の明確化や消防機関と事業者の認識の相違の改善、軽微な応急措置で対応できたものを異常現象の範囲から除くなどのほか、総務省消防庁の統計で異常現象を報告対象としていることの見直しが必要とした報告書が取りまとめられました。

TOPICS

平成23年度安全功労者・消防功労者総務大臣表彰式

2011年8月10日に開催された平成23年度安全功労者・消防功労者総務大臣表彰式の模様が掲載されています。

第11回レスキューロボットコンテストにおける消防庁長官賞の授与について

2011年8月に神戸市で開催された「第11回レスキューロボットコンテスト」消防庁長官賞は兵庫県立大学ロボット研究会の「SHIRASAGI」が受賞しました。

「平成23年度子ども霞が関見学デー」の開催

2011年8月17日と18日に開催した「平成23年度子ども霞が関見学デー」の模様が掲載されています。

第26次消防審議会(第2回)を開催

2011年8月24日に行われた消防審議会の概要が掲載されています。

緊急消防援助隊情報

消防庁ヘリコプター2号機を京都市消防局に配備
~西日本における365日・24時間運航体制を構築~

消防組織法の無償使用制度により京都市消防局へ配備された全国2機目の総務省消防庁ヘリコプターについて紹介されています。

消防ヘリコプターの24時間運航開始!

全国2機目となる消防庁ヘリコプターの貸与を受けた京都市消防局消防航空隊について掲載されています。

消防通信 ~北から南から~
栃木県 宇都宮市消防本部「魅力あふれる街『住めば愉快だ宇都宮』」

北関東唯一の50万人都市を1本部4署9分署、消防職員456名、消防団員2,097名、車両89台の体制で安全・安心の確保に取り組んでいます。2010年度から実施している地域密着型の水防訓練や東日本大震災による被害についても掲載されています。

消防通信 ~望楼~

国技館で自衛消防訓練を実施 東京消防庁(東京都)

両国国技館で本場所前に行われる自衛消防訓練の模様が掲載されています。

水難救助訓練の一般公開を実施 横浜市消防局(神奈川県)

みなとみらい地区で水難救助訓練を公開しました。

採用説明会で消防士への第一歩を後押し! 加古川市消防本部(兵庫県)

個別ブースでの業務説明や、放水、空気呼吸器着装体験を実施しました。

沖縄DMATとの合同連携訓練を実施 那覇市消防本部(沖縄県)

震災対応訓練施設で実施した合同連携訓練の模様が掲載されています。

消防大学校だより

警防業務リーダー講習会(北海道会場)

東日本大震災の影響で見送りとなった一部コースに替えて全国3か所で行うことになった講習会の模様が掲載されています。

危機管理・防災教育科 自主防災組織育成コース(第7回)

都道府県や市町村、消防本部の自主防災組織担当者を対象に開講したコースについて掲載されています。

平成22年度教育訓練実施状況について

2010年度に実施した教育訓練が表にまとめられています。

広報資料(11月分)

平成23年秋季全国火災予防運動

「119番の日」となる11月9日から15日まで(一部地域は別日程)秋の全国火災予防運動が実施されます。

婦人(女性)防火クラブ活動の紹介と参加の呼びかけ

「婦人(女性)防火クラブ」の活動の概要やメリットが紹介されています。

正しい119番緊急通報要領の呼びかけ〔11月9日は「119番の日」〕
~迅速・確実な消防活動のために~

2010年中の119番通報は約800万件で、3.5秒に1回、国民の14人に一人が通報した計算になります。119番通報する際の注意点などについても掲載されています。

INFORMATION

第20回全国女性消防操法大会の開催

2011年10月19日に横浜市消防訓練センター(横浜市戸塚区)で「全国女性消防操法大会」を開催します。また、当日は女性消防団員による震災想定訓練も実施されます。

第59回全国消防技術者会議の開催

2011年10月20日と21日の2日間、ニッショーホール(東京都港区)で「全国消防技術者会議」が開催されます。

平成23年8月の主な通知
消防庁人事

2011年9月13日付と9月15日付の人事について掲載されています。

広報テーマ
10月
  1. ガス機器による火災及びガス事故の防止
  2. 火山災害に対する備え
  3. 消防の国際協力に対する理解の推進
  4. 地震に対する日常の備え
11月
  1. 秋季全国火災予防運動
  2. 婦人(女性)防火クラブ活動の理解と参加の呼びかけ
  3. 正しい119番通報要領の呼びかけ《11月9日は「119番の日」》

関連リンク