国土交通省の「海岸における津波対策検討委員会」が東日本大震災で被災した海岸堤防などの復旧についての基本的な考え方を提言として取りまとめました。
提言では、沿岸域を自然条件などをもとに一連のまとまりのある海岸線に分割した「地域海岸」ごとに、過去の津波記録やシミュレーションを行って数十年から百数十年に1回程度発生すると想定される津波を対象に設計津波の水位を決めるべきとしたうえで、設計津波や高潮の水位から海岸堤防の天端高を定める必要があるとしました。
設計津波を超える高さの津波による破壊までの時間を延ばしたり、全壊の可能性を減らす「粘り強い構造」としては、堤防の裏法尻部の保護や裏法の緩勾配化により、水流で地面が掘り返される洗掘を防ぐことや、波やしぶきを防ぐための波返工の補強、天端まで盛土構造とすることなどを提案しています。また、地震の揺れそのものに耐える耐震性だけでなく、断層運動に伴う地盤の沈下や液状化が発生しても堤高が不足しないようにする必要を指摘しています。
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