国土交通省は、津波避難ビルなどの構造耐力や避難スペースの配置、災害危険区域の建築制限についての技術的助言を都道府県に通知しました。
通知では、東日本大震災による津波被害を踏まえて、これまで浸水深の3倍で算定するとしていた津波による水圧を、防潮堤などによる軽減効果が見込まれる場合は2倍、軽減効果に加えて海岸や河川から500m以上離れている場合には1.5倍で算定すると変更されました。また、津波を受けて破壊するように設計された非耐圧部材の開口部やピロティによる軽減を考慮して算定する規定も盛り込まれています。津波による荷重や浮力で建物が転倒、滑動しないことや洗掘による傾斜の防止、漂流物の衝突に耐えることも求めています。津波避難ビルの避難スペースについては、想定浸水深に相当する階の2つ上の階とすれば安全と考えられるとしています。
建築基準法に基づく災害危険区域については、一般的な建築物が津波により大きな被害を受けるおそれがある範囲などが該当するとしたほか、医療施設や社会福祉施設を制限対象として検討する必要があるとしています。住居用の建築物を禁止する「特に危険な区域」には、危険物貯蔵施設が沿岸部に立地するなど市街地火災のおそれが高い区域が考えられるとしたうえで、それ以外の地域では構造耐力や安全に避難できる高さの階があるなどの津波対策がとられる場合には建築を認めるなどきめ細かな取り組みを求めています。
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