情報通信研究機構(NICT)は、2011年(平成23年)3月11日の東北地方太平洋沖地震発生後に高度約300kmの電離圏内で震源付近から波紋状に広がる大気の波を観測しました。
国土地理院のGPS連続観測システム(GEONET)を利用して行っている電離圏の全電子数観測により、地震発生のおよそ7分後から数時間後にかけて震源付近から波紋状に広がる大気波動を観測、波の中心は震源から南東に約170km離れた、海底津波計などから推定された津波の最初の隆起ポイントとほぼ一致していることが分かりました。また、地上から上空に電波を発射して反射エコーの返ってくる時間から電離圏の電子分布を調べるイオノゾンデ観測でも、上空150~250kmの電離圏に20~30kmの鉛直波長を持つ波を観測しています。
巨大地震に伴う電離圏内の波はこれまでにも観測されていますが、高い分解能で広範囲に渡る詳細な観測を行ったのは今回が初めてで、下層大気が電離圏にどう関わっているかの研究や、宇宙からの津波監視などへの応用の可能性につながるとのことです。
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