防衛省は、2009年(平成21年)4月27日に都道府県の防災、危機管理担当部局長との意見交換会を実施しました。災害や各種事態への対処についての教訓や課題などを話し合ったもので、今回が初めての開催となります。
防衛省のホームページには、2008年(平成20年)6月の岩手・宮城内陸地震への対応を中心とした大規模災害対処や、北朝鮮による弾道ミサイル発射事案への対処などについて、当日出席者から行われた説明の資料が掲載されています。
岩手・宮城内陸地震時に陸上自衛隊第44普通科連隊長として被災地で活動した上尾秀樹1等陸佐(統合幕僚監部運用2課長)は、災害派遣の教訓として、都道府県や司令部レベルでは情報の共有を図るために通信インフラを整備する必要があるとし、人員の集結場所やヘリポートを避難所とは別の場所に確保することや、師団、連隊クラスの部隊では災害対策本部などの近くに指揮所を開設するスペースを求めています。市町村や現場の部隊レベルでは、関係機関が異なる地図を使用したために問題が生じたとして地図の統一が必要だと指摘しました。また、自衛隊と、警察、消防で得意分野が異なることから、3機関の部隊を同じ現場に投入することが望ましく、岩手・宮城内陸地震では3機関の役割分担が極めて有効だったとのことです。
弾道ミサイルの発射事案については、岩手県からはマスコミ情報が先行して国からの情報がなく対応に苦慮したとの指摘や、全国瞬時警報システム(J-ALERT)のようなシステムを国の負担で整備することなどを求める要望が出され、秋田県からは住民への情報伝達や、複数の省庁の複数の部署が窓口となり一元化されていない、落下物の探索を行う航空機の統制などの課題が挙げられました。
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