2011年10月7日

東日本大震災発生時の対応をアンケート調査 東京消防庁

東京消防庁では、東日本大震災発生時の被害状況や対応についてアンケート調査を行いました。

一般家庭と事業所を対象に行った家具や什器などの転倒・落下・移動についての調査では、一般世帯、事業所ともに約2割で家具や什器などの転倒や落下があったと回答しました。

一般家庭では食器棚や本棚のような重量のある家具のほか、テレビが転倒・落下・移動したとの回答が多く、地上デジタル放送への移行で薄型テレビが増えたことが背景にあると分析しています。また、高層階ほど転倒・落下・移動があったとする回答が多くなり、長周期震動の影響が考えられるとしました。

事業所では転倒・落下は6階以上10階以下で特に多く、移動は11階以上が多くなっています。転倒や落下では二次モードが、移動は長周期振動が影響している可能性を指摘したほか、重心の低い机やコピー機が転倒・落下・移動したとする回答が多かったことから、従来危険が低いと考えられてきた重心の低い什器などによる負傷や避難障害の発生が考えられるとしています。

2009年(平成21年)の消防法改正で制度が導入された「防災管理対象物」を対象に行ったアンケートでも、オフィス家具の転倒などは高層階で多い傾向となっています。また、スプリンクラー設備の破損や自動火災報知設備の誤発報など消防用設備関係のトラブルも発生しました。帰宅困難者は1,513(94.4%)の対象物で発生し、16.2%にあたる260の対象物では問題や混乱があったと回答しています。自衛消防隊の活動では、被害状況や受傷者の確認、交通機関や避難場所等の情報収集といった被害の把握や情報の入手が困難だったとする回答が多くなっています。

営業用給油取扱所(ガソリンスタンドなど)では、23.0%にあたる171施設で営業再開に支障の出る不具合が発生しました。震度5強以上の揺れを感知した時にガソリンなどの供給を停止する感震器は273施設(36.9%)で作動し、ほとんどは30分以内に復旧しましたが、復旧方法を把握していなかった施設では復旧に手間取る傾向がありました。非常用発電機のある施設は61(8.2%)、非常用ポンプは164施設(22.2%)で備えていました。帰宅困難者へは約6割の施設でトイレや休憩場所の提供など対応を行い、対応しなかった施設では帰宅困難者が立ち寄らなかったことや停電で営業を取りやめたなどの理由を挙げています。

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