2011年10月23日

『検定協会だより』平成23年10月 第370号

巻頭のことば 安心で安全なまちづくりにむけて
―福岡市消防局の火災予防体制―

消防職員の半数を動員して行ったローラー作戦などの効果で、2011年(平成23年)6月1日に完全義務化された住宅用火災警報器の設置率が84.4%と比較的高くなっていることや、小規模高齢者福祉施設、雑居ビルなどに対する立入検査、是正指導の実施、放火監視機器の配置や庁外に出向する消防車両の赤色灯点灯による放火防止対策などが紹介されています。

住宅用火災警報器の設置状況の推計結果(平成23年6月時点)

2011年6月時点の住警器推計設置率は71.1%で、半年前の2010年(平成22年)12月から7.5ポイント上昇しましたが、全国では3割近くが未設置となっているほか、設置率が50%程度にとどまっている地域もあります。

2011年9月には「住宅用火災警報器設置対策基本方針」が決定され、関係機関や団体、業界などが総力を結集して住警器の設置を徹底するとしています。

規制対象物における火災発生状況(その1)

2010年(平成22年)中に大阪市消防局管内で発生した、消防用設備の設置義務がある防火対象物の火災状況を分析しています。

2010年に規制対象物で発生した火災は、建物火災の約7割にあたる586件で、約9万5千棟ある規制対象物の0.6%となっています。出火部分の用途は共同住宅等が367件で6割以上を占め、飲食店41件(7.0%)、工場・作業場39件(6.7%)、事務所等38件(6.5%)が上位を占めます。

火災原因は放火の疑いが最も多く、たばこ、天ぷら油の順となっていますが、共同住宅に限ると放火の疑いと逆転してたばこが1位となりました。

住警器ソング「うちのUFO 住警器」&イラストが全国で活躍

東京消防庁江戸川消防署が広報のため制作した住警器設置促進ソングと、作曲と歌を担当した女優の三咲順子さんが各地で上演している「防災一人語り」などが紹介されています。

―検定協会の設備紹介― 新小型電波暗室

EMC(電磁両立性。電磁波により他の機器に影響を与えたり、受けないようにすること)環境の多様化や無線連動機能を備えた住警器の登場などに対応するため、既設の電波暗室全体を撤去して新設に近い形で改修を行った新しい電波暗室について。

随想 消防防災に想う(第31回)
~ISO/TC21について(その6)~

ISO/TC21/SC1で議題となった避難口や避難方向を示すピクトグラムについて。

日本では、国際的な標準化の動きを踏まえてシンボルデザインの募集と審査を行い、提案したものがISOで採択されたとのことです。

関連リンク

0 件のコメント: