2011年9月30日

ホームページのアクセス集中対策はシンプルに・小さく

Googleは、災害時などに情報を求めてアクセスが集中して閲覧できなくなる事態への対応方法をウェブマスター向け公式ブログで公開しました。

画像やFlashなどデータ量が多くなる装飾を極力なくし、情報の内容もHTMLで作成する、サーバ側で表示するページを動的に生成すると負荷が高くなるのでHTMLファイルを直接表示する静的なページにするといったサイトを軽量化する方法が紹介され、災害時だけのために軽量化したサイトを維持する負担を回避するためトップページだけ軽量版を用意しておいて携帯電話向けページへ誘導するといったアイデアも提案しています。

PDFはできるだけ避け、使用する場合も文章をテキストデータとして保持したまま作成したほうがファイルが小さくなり、検索もしやすくなります。表や数値データはCSV(カンマ区切りテキスト)、XML(拡張可能なマーク付け言語)などにすることで、データを利用して第三者が別の情報サービスを提供しやすくなり、多くの人に情報を届けられるようになるとしています。

Googleが提供しているホームページ作成サービス「Googleサイト」やブログサービス「Blogger」などのサービスを利用してミラーサイトをあらかじめ構築しておく方法や、公共性の高いウェブサイト向けとしてキャッシュデータを表示するサービスを提供していることも紹介されています。

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au携帯電話の電池パック回収、発煙などのおそれ

交換対象の電池パック使用機種と電池パックKDDIと沖縄セルラーは、au携帯電話3機種の電池パックに発熱や発煙、溶解などのおそれがあるとして、対策した電池パックとの交換を行います。

対象となるのはカシオ計算機製で2007年(平成15年)6月発売の「W52CA」と同8月発売の「EXILIMケータイ W53CA」、日立コンシューマエレクトロニクス製で2009年(平成17年)7月発売の「Mobile Hi-Vision CAM Wooo(HIY01)」用の電池パックで、これまでに約201万個が出荷されています。

電池パックに傷やへこみができるレベルの強い力がかかった場合に、電池パック内部のセパレータ(絶縁シート)が損傷、この状態で充放電を繰り返すなどにより電池パックが発熱、膨張するおそれれがあるとのことです。電池パックに傷やへこみなど外観の異常がない場合には発煙、溶解には至らないとしています。

現在対象機種を利用している契約者には書面で知らせたうえで、準備ができ次第対策品の電池パックを送付します。解約や機種変更した利用者にも書面で注意を呼び掛けます。また、電池パックに傷やへこみがある場合は直ちに使用を中止してお客様窓口へ連絡してほしいとしています。

これまでKDDIと沖縄セルラーには計8件の申告があったほか、2010年(平成22年)10月と2011年(平成23年)6月には充電中の携帯電話などを焼損する火災が起きています。

KDDIと沖縄セルラーでは、京セラ製「W42K」の電池パックにも発煙や破裂のおそれがあるとして交換を進めていますが、当初はすでに使われていないと判断していた、解約や機種変更した利用者から事故の申告があり、出荷した製品全てを対象に拡大しています。

2011/09/30:消費者庁による「消費生活用製品の重大製品事故に係る公表について」へのリンクを追加しました。

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わさびの臭いを使った警報装置でイグ・ノーベル賞

2011年(平成23年)のイグ・ノーベル賞化学賞に、わさびの臭いで危険を知らせる警報装置を開発した7人が選ばれました。

警報装置は、香りや匂いを活用した技術研究を行っているシームス(東京都江東区)が滋賀医科大学の今井眞講師(精神医学)などと共同で開発しました。

受賞者は今井講師とシームスの漆畑直樹社長、種村秀輝取締役のほか、香りマーケティング協会の田島幸信理事長、エア・ウォーター防災(神戸市西区)で臭気発生装置の開発を担当した後藤秀晃さん、溝口浩一郎さん、琵琶湖病院の村上純一医師となっています。

アメリカやイギリスでは公共施設にフラッシュライトで火災を知らせる光警報装置の設置が義務付けられているほか、日本でも総務省消防庁の検討会が、先行事例や海外の基準を踏まえて光警報装置普及のための法令整備が必要とした報告書を取りまとめました。一方、報告書では臭気警報装置について知見や実績が少ないと指摘し、さらに実験を行うなどして技術的要件を整理する必要があるとしています。

2011/10/01:香りマーケティング協会の「2011年度イグノーベル賞受賞のお知らせとご挨拶」へのリンクを追加しました。

2011/10/08:村上純一医師について追記し、中日新聞記事へのリンクを追加しました。

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総務省、平成24年度重点施策を公表

総務省は、2012年度(平成24年度)の重要施策をまとめた「総務省アクションプラン2012」を公表しました。

東日本大震災からの復旧・復興については、被災自治体の事業費や財源を通常の歳入歳出と分けて扱うことで被災地の支援を進めながらそれ以外の自治体に負担が生じないよう配慮するとし、被災市町村の庁舎再建のため新たに5億円の補助金を予算計上します。また、消防庁舎や消防車など施設や装備の早期復旧に177億円、消防救急無線のデジタル化や防災行政無線の整備に198億円の補助金を確保し、長期間、広範囲に及ぶ大規模災害に備えて緊急消防援助隊の活動拠点施設整備に2億円を投じるとしました。

災害時に確実な情報伝達を可能とするための研究開発に33億円を計上するほか、通信・放送事業者に非常用電源や予備設備の設置などの防災対策を促すための税制措置を講じます。

住宅火災による死者を減らすため、3億円を投じて高齢者や障害者に適した火災警報装置の調査検討を行います。

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2011年9月29日

災害対策の大ゾーン携帯電話基地局 名古屋と岐阜に登場

NTTドコモは、2011年(平成23年)9月28日に名古屋市と岐阜市で複数の基地局エリアをカバーする「大ゾーン基地局」を設置したと発表しました。

東日本大震災では広い範囲で基地局設備が被害を受けたり、長時間の停電により非常用電源のバッテリーが切れるなどして携帯電話を使えない状況が発生しました。このため、NTTドコモでは耐震性を確保し無停電化や伝送路の2ルート化などで信頼性を確保した、半径約7kmの複数基地局エリアをカバーする災害時専用の基地局の設置を進めています。

大ゾーン基地局は2011年中に全国約100か所に設置する予定で、優先的に対策を進めている東京の5か所と東海地方の10か所は2011年10月までに設置を完了するとのことです。

今回設置された基地局は2011年8月24日付で総務省東海総合通信局から免許を受けていたもので、これとは別に岐阜県と静岡県、愛知県に開設する大ゾーン基地局7局も9月14日付で免許となっています。

(ドコモの報道発表で書かれている「設置」は運用を開始したという趣旨なのでしょうが、無線局の免許手続きとしては予備免許→落成検査→免許の順となり、免許を受ける前の時点で無線設備が設置されているので少し違和感があります)

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公共施設耐震率85%、住宅火災死者半減を目標に

総務省は、2011年度(平成23年度)以降の主要政策の目標を取りまとめ公表しました。

消防防災関係では、地域における消防防災の中核となる消防団員の増加と女性消防団員2万人を2011年度に達成する目標を掲げたほか、2010年(平成22年)4月時点で74.4%となっている自主防災組織の活動カバー率(活動範囲に含まれる地域の世帯数割合)76%を目指すとしています。

2009年度(平成21年度)末時点で70.9%にとどまっている、防災拠点となる公共施設などの耐震率は2013年度(平成25年度)中に85%、大規模災害時などの際に活動する緊急消防援助隊の登録隊数も同年度中に4,500隊まで増やすとしました。

住宅火災による死者を2011年は2005年(平成17年)の1,220人から半減させ、2010年度(平成22年度)末で58.1%となっている防火対象物定期点検の実施率も70%を目指します。

東日本大震災では消防施設や車両などの物的被害も大きかったことから補助金による整備を進めるとし、救命率や応急手当実施率の向上、危険物事故の低減、国民保護訓練の実施件数増加も目標として挙げています。

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聴覚障害者対応住警器普及事業の実施事業者を公募

総務省消防庁では、「聴覚障がい者対応型住宅用火災警報器普及支援事業」の業務を行う事業者の公募を行っています。

2011年度(平成23年度)予算の住警器普及支援事業費補助金を活用したもので、所得の低い聴覚障害者への住宅用火災警報器の無償給付や設置などを行う事業者を公募します。

支援事業への公募には、住宅用火災警報器の給付や設置だけでなく技術サポートや相談を無償で24時間、365日受け付けるなどの条件があるほか、支援事業の周知や生活保護費など別制度による住警器の設置など聴覚障害者以外への普及啓発に努めることが求められています。

2011年9月29日から11月17日まで公募を受け付け、11月下旬ごろに事業者を決定する予定です。また、10月7日には今回の公募についての説明会が開催されます。

2011/10/06:2011年9月29日付で発出された通知と事務連絡へのリンクを追記しました。

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『救急救命』第26号 2011/Vol.14 No.1

救急振興財団設立20周年

1991年(平成3年)5月の設立から20年間の主な出来事と救急救命士合格者数、薬剤追加講習実施状況のグラフが掲載されています。

巻頭のことば
救急救命士法施行から20年を振り返り救急救命士の役割を考える
山本保博(救急振興財団理事長・東京臨海病院病院長)

1991年の救急救命士法成立、施行から現在までの経過と、メディカルコントロール体制の地域格差や救急隊員の質の向上、大規模災害など特定行為の指示を受けられない状況を想定したプロトコールの作成などの課題について触れています。

第19回全国救急隊員シンポジウム

2011年2月に愛媛県松山市で開催された全国救急隊員シンポジウムの模様が掲載されています。

浜松市夜間救急室 ―37年間365日フル稼働!―

1974年(昭和49年)にスタートした、浜松市と浜松医師会による夜間救急室について。

医師と患者との最適化を目指して
―ICカード「MEDICA™」と救急医療体制支援プログラムGEMITS―

患者の生年月日や血液型、既往歴、服用している薬などの情報を記録できるICカード「MEDICA」と、カードの情報読み取りだけでなくトリアージ機能や患者情報の共有に対応した支援プログラム「GEMITS」について。

小児の一次救命処置
ガイドライン2010がめざすもの

市民向けの一次救命処置(BLS)ガイドラインで小児と成人に対する処置が統一され、子供に接する機会の多い保護者や教職員向けの小児一次救命処置(PBLS)では人工呼吸を重視することになった経緯と、PBLSの概要が紹介されています。

放射線被ばく医療

放射線被ばくに対する医療処置や放射線防護について。

アルファ線やベータ線は接触や体内の取り込みを避けることのみで防護が可能であるのに対して、ガンマ線は完全に遮断することが難しいため接触や取り込みを防ぎつつ線量を管理して安全管理を行うのが基本となります。

救急の現場から

東京研修所と九州研修所で研修を受けた救急救命士の手記が掲載されています。

いのちの文化史 第26回 足の裏は命の泉

足と文明の関係や日本人が足の裏に特別な情感を抱いていること、歩くことの大切さについて。

アスクレピオスの杖を以ってカドゥケウスを成せ

救急救命士の英語表記と「生命の星(Star of Life)」、今後の救急救命士や消防機関の役割について。

簡易型CPR・AEDトレーニングキットを用いた講習プログラムの効果に関する研究

CPR&AED学習キットを使った60分間の簡易型講習と、180分間かけて行う普通救命講習の比較検証結果の概要が掲載されています。

平成22年度事業報告及び平成23年度事業計画

平成22年度の新規養成課程修了者は834人、救急救命士国家試験合格者は717人でした。平成23年度の新規養成課程研修は750人を予定しています。

第20回全国救急隊員シンポジウム開催案内

2012年(平成24年)2月2日と3日の二日間、静岡県浜松市のアクトシティ浜松で第20回全国救急隊員シンポジウムが開催されます。

平成24年度「救急救命事業の高度化の推進に関する調査研究事業」事業委託団体及び「救急に関する調査研究助成事業」助成団体の募集

標記調査研究事業の委託団体と助成事業の女性団体を募集しています。

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平成23年度「みえ防災標語」決定

三重県は、2011年度(平成23年度)「みえ防災標語」の受賞作品を決定しました。

2011年7月1日から9月2日までの間に824作品の応募がありました。小学校3年生以下の部と小学校4~6年生の部、中学生の部から最優秀賞、優秀賞、特別賞各1作品、一般(高校生以上)の部から最優秀賞と優秀賞各1作品の合計11作品が選ばれ、9月25日に志摩市磯部生涯学習センターで行われた「みえ風水害対策の日」事業で表彰式が行われました。

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震災被災地のバリアフリー車実証事業、車両引渡式

ユニバーサルデザインタクシー・バリアフリー乗合タクシー車両表示マーク東日本大震災被災地の移動手段確保とユニバーサルデザインタクシーの普及を目指す実証事業で提供される車両の引渡式が開催されました。

国土交通省が2008年(平成20年)から進めてきたバリアフリー車両開発事業の成果をもとにバリアフリー対応の乗合タクシーとユニバーサルデザインタクシーが開発、発売されましたが、運行実績が少なく導入が進まないことが課題となっていました。このため、被災地への支援を兼ねて1年程度かけてバリアフリー車両の効果を確認する実証事業を行うことになりました。

バリアフリー対応乗合タクシーとしてトヨタ自動車の「ハイエース福祉タクシー仕様車」を岩手県陸前高田市と宮城県女川町に無償で提供、日産自動車のUDタクシー「NV200バネットタクシー」を岩手県と宮城県のタクシー会社10社に無償貸与します。

引渡式に合わせてUDタクシー・バリアフリー乗合タクシーの車両表示マークも発表されました。

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2011年9月28日

週間情報 平成23年9月27日 No.2336

両会の動き

民主党総務部門会議に出席 全国消防長会

2011年(平成23年)9月16日に開催された民主党総務部門会議に出席し、消防防災用の通信施設に設置した非常用発電機や消防艇に使用する燃料への軽油引取税の課税免除措置延長を要望しました。

「自動車NOx・PM法の車種規制における消防自動車の経過措置期間の延長について」の要望を実施 全国消防長会

東日本大震災の影響による自動車生産の停止などを受けて行われた車種規制の適用を猶予する経過措置について、消防車は架装に数か月が必要となり代替車両の調達が困難であるとして再度延長するよう要望しました。

(2011年9月27日に「消防自動車のうち消防のために必要な特殊な構造又は装置を有するもの」について猶予期間を延長する措置がとられました)

平成23年度秋の火災予防運動用ポスターの配布 全国消防協会

JKAの競輪公益資金による補助を受けて作成した火災予防運動用ポスターを各消防本部に配布します。

消防本部の動き

阪神・淡路大震災 消防職員の手記の公開 ~平成7年1月17日午前5時46分… その時、消防職員の胸に去来したものは~ 神戸市消防局

神戸市消防局広報誌「雪」1995年(平成7年)2月号から5月号に掲載された手記と関連記事をホームページで公開しました。

救急車適正利用の広報を強化! 横浜市消防局

中消防署では、横浜ベイスターズの山口俊を起用したポスターを1,400枚作成し、横浜市初となる救急車への広報文表示を行うなどして、救急車の適正利用を呼び掛けています。

東名高速道路における合同消防訓練を実施 豊川市消防本部(愛知県)

東名高速道路旧豊橋改札所フリースペースで、近隣消防本部や警察、NEXCO中日本などと合同で多重事故を想定した合同消防訓練を行いました。

平成23年度震災対策訓練を実施 豊中市消防本部(大阪府)

和歌山県沖を中心とした三連動地震と津波警報の発表を想定した震災対策訓練を実施しました。

消防本部名・メールアドレスの変更

構成市町の合併に伴い、栃木地区広域行政事務組合消防本部(栃木県)の名称が2011年10月1日付で栃木市消防本部に変更となります。また、メールアドレスも同日付で変更されます。

ホームページURLの変更

みよし広域連合消防本部(徳島県)のホームページアドレスが変更されました。

国等の動き

住宅防火対策推進協議会による「平成23年度高齢者等への住宅防火対策モデル事業」の実施について 総務省消防庁

住宅防火対策推進協議会では、無線式の住宅用火災警報器を設置して避難を補助する人に報知するモデル事業を実施します。

平成23年度「屋外タンク実務担当者講習会」の開催案内 ~屋外タンク貯蔵所に関する諸問題と技術の継承~ 危険物保安技術協会

屋外タンク貯蔵所の技術基準解説や事故事例、東日本大震災による被害概要の紹介などを内容とした講習会を全国4か所で開催します。

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被災で保険証をなくした患者のレセプト、1万件未確定

社会保険診療報酬支払基金は、東日本大震災で被災して保険証を提示せずに医療機関を受診した患者のレセプトについて、4分の3近くが保険者の特定できない「未確定レセプト」となったと発表しました。

東日本大震災で被災して保険証がなくなった人について、2011年(平成23年)6月末までは保険証がなくても名前や事業所名など保険者を特定できる情報を申し出ることで受診できる取り扱いが行われました。この間に保険証なしで受診した人のレセプトは15,375件が請求されていますが、74.6%にあたる11,466件は保険者を特定することができませんでした。未確定レセプトについては、厚生労働省により各保険者の過去の支払い実績に応じて按分する方針が示されていて、按分対象となる請求額は約1億4千万円となっています。

保険者だけ特定され記号番号が不明な「不詳レセプト」のうち、該当者なしなどで保険者から再審査請求されたものについては未確定レセプトと同様に按分するほか、本来の期限より遅れて提出される未確定レセプトもあると見込まれています。これらについては2011年度中に按分して請求するとのことです。

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被災した子供のため感染症予防と被ばく対策を

日本学術会議は、提言「東日本大震災とその後の原発事故の影響から子どもを守るために」を取りまとめました。

東日本大震災の被災地では、全国的には終息傾向にあったインフルエンザの流行が起きたほか、ノロウィルスによる急性胃腸炎が拡大した避難所もありました。また、避難所にいる子供の数を把握することの難しさや、その後全国各地に避難した子供への予防接種を巡る混乱、母子手帳がなくなり予防接種の記録が確認できないなどの問題も起きています。

提言では、広範囲に及ぶ被災地や避難先で暮らす子供が確実に予防接種を受けられる体制や、感染症の発生を早期に把握するためのサーベイランスシステムの整備、母子手帳の情報を全国どこでも確認できるよう中央管理化することを求めました。

福島第一原子力発電所事故の影響による被ばくに対しては、校庭や公園など子供が活動する場所の被ばく線量を1mSv/年以下とするための除染や、健康被害への対策のため疫学研究を行う必要性を指摘しています。また、放射線の影響を直ちに排除できない状況下では、がんの大きな要因の一つであるたばこによる害を減らし、放射線を使用した診断機器の使用を必要なものに限るなど、発がん要因の排除を図ることも重要しました。将来の被ばく事故に備えるため、被ばく医療をAEDの取り扱いと同程度に重要なものと位置付けて医学・看護教育を行うことや、甲状腺被ばく予防のためのヨード剤配布を迅速、的確に行う体制の整備も求めています。

そのほか、学校施設の耐震化や、避難所・仮設住宅建設地として学校以外の場所を確保するなどの対策により教育を受ける機会が奪われないようにすることや、高校生の就職先確保、被災した子供の健康や心のケアなどについても提言しています。

(個人的には、放射線への対応を2番目に重要な事項としたことや被ばく医療をAEDと同列に扱うよう求めた点について、冷静さを欠いているのではないかと疑問を感じます。また、それでも放射線でなく感染症を最も重要な課題として示した意味を考える必要もあるでしょう。手洗い・うがい、していますか?)

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日本学術会議、勤務医の長時間課長労働改善へ提言

日本学術会議は、病院に勤務する医師の長時間労働を改善するため診療報酬体系の改善や労働法令の順守、住民の意識向上などが必要とする提言を取りまとめました。

提言では、勤務医の労働時間が労働基準法で定められた週40時間を大きく上回る61.4~66.4時間とする報告や当直日数の多さ、当直の翌日に十分な仮眠もとれないまま普通勤務につかなければならないといった現状を示したうえで、長時間労働や宿直中の呼び出し回数の多さが医療過誤につながる可能性を指摘しています。

課題の解決について、勤務医の長時間労働には様々な要因があり一律的な解決策は現状にそぐわないものの、個別の議論にはデータが不足しているうえに喫緊の課題であり早期に改善を図る必要があるとしました。診療報酬体系の改善で医師増員や医師個人のモチベーション向上を図ることや、コメディカルが実施可能な医療行為の範囲拡大による負担軽減など制度整備を求めているほか、医師自身もワークライフバランスを保つことの重要性を認識する必要があるとしました。

医療を受ける側となる住民にも、適切な医療機関受診や病気の予防、治療に対する理解と意識を向上させることが医師の負担軽減につながると指摘しています。また、地域医療への住民参加には医師と患者の関係を良好に保ち、病院運営への理解を深める効果が期待できるとして、行政による支援事業の実施など求めています。

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2011年9月27日

静岡県、災害情報システムをクラウドで構築

インターネット経由で利用するクラウドコンピューティングを活用した災害情報システムを静岡県が導入しました。

中核となる防災情報共有システムは、エコポイントのインターネット申請システムなどにも採用されたセールスフォース・ドットコムの「Force.com」で構築され、GIS(地理情報システム)や気象庁防災情報XML、携帯電話向けの緊急情報配信システムと連携する機能を備えています。

クラウドサービスは災害による影響を受けにくく、県庁などの防災拠点が被災してもシステムが停止する可能性が低い利点があります。また、緊急時の利用者数増加やシステムで扱う項目の追加にも迅速に対応でき、臨機応変な対応が必要となる大規模災害に適したシステムの構築が可能です。

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消防車の自動車NOx・PM法猶予期間再延長

国土交通省は、ポンプなど消防用の構造を持つ消防車に対して「自動車NOx・PM法」猶予期間を再延長することを決めました。

自動車NOx・PM法により、現在の基準が施行された2002年(平成14年)4月以前に製造された自動車も法令で定められた特定期日後最初の車検までに基準を満たすよう改造するか車両を更新する必要があります。一方、東日本大震災の影響を受けて自動車生産がほぼ停止、新車の購入による代替が困難となったことを受けて2011年(平成23年)4月に特例的取扱が告示され、2011年9月30日までに車検を受ける自動車については現行基準を適用せずに使用を続けることが可能となりました。

復旧が進み自動車の生産は回復しましたが、ポンプなどの特殊な構造を備えた消防車は改造や架装に時間がかかるため新車の調達が間に合わず、消防業務に支障をきたす恐れがあります。このため「消防自動車のうちポンプ装置等の消防のために必要な特殊な構造又は装置を有するもの」について2012年(平成24年)3月31日まで猶予期間を再延長することになりました。

2011/09/29:環境省が実施したパブリックコメントの結果についてのリンクを追加しました。

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トレーラーの牽引車、作動油漏れで火災のおそれ

東急車輛特装は、トレーラーの荷台部分を牽引する牽引車(トラクター)の油圧装置から作動油が漏れて火災に至るおそれがあるとして国土交通省にリコールを届け出ました。

届出は2011年(平成23年)9月27日付で、2005年(平成17年)1月から2011年6月にかけて製造された、広幅鋼板などを積載するため荷台を傾ける機能がある傾斜荷台付平床セミトレーラー用の牽引車8型式178台が対象となっています。

対象となっている牽引車では、傾斜荷台を作動させるために架装された油圧装置の鋼製継手部に走行中の振動で亀裂が入り、亀裂から漏れた作動油が排気ガス浄化装置などの高温部にかかって火災に至るおそれがあります。これまでに車両の一部を焼損する火災が3件起きているとのことです。

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NTT東日本、仙台の新青葉通ビルに防災ギャラリー

NTT東日本宮城支店は、仙台市青葉区に建設する新青葉通ビル(仮称)に「安全・安心」発信ギャラリーを設置すると発表しました。

ギャラリーには東日本大震災や震災からの復興に関する展示を行うほか、市民サークルや学校が展示会やセミナーなどを行うスペースとして無償貸出しします。

大規模災害対策の機能も持たせます。特設公衆電話コーナーやインターネット環境コーナーを設置、携帯電話充電器や電気自動車の充電ができるEVステーションを用意します。災害情報の提供も行うほか、通信設備復旧のための災害対策拠点としての機能を持たせ、グループ内のコールセンターの集約やバックアップ機能を整備します。

新青葉通ビルは地下1階、地上14階の通信・オフィス棟と地上6階の駐車場棟、延床面積29,574m2で、2011年(平成23年)9月に着工、2012年(平成24年)5月に竣工の予定です。

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地域WiMAXとスマートフォンで防災アプリケーション

通信ケーブル・電線製造大手のフジクラ(本社・東京都江東区)は、2011年(平成23年)10月から地域WiMAX対応スマートフォンを活用した防災アプリケーション実験を開始すると発表しました。

スマートフォンにインターネットなどを使って音声通話を行うVoIPや画像伝送、災害告知などの機能を持たせ、地域WiMAX経由で通信を行うほか、自治体職員が携帯する端末への優先的な帯域割当、基地局とセンター間の回線切断を想定した衛星携帯電話によるバックアップ機能を検証します。

地域WiMAX事業者としてケーブルネット鈴鹿が実験に参加、華為技術からはWiMAX対応スマートフォン「B8220」の提供とWiMAX通信設備の調整について協力を受けるほか、VoIPシステムの構築とバックアップ用衛星電話回線はNTTドコモが提供します。

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2011年9月26日

日本損害保険協会、2011年版ファクトブックを発行

日本損害保険協会は、『日本の損害保険 ファクトブック2011』を発行しました。損害保険の概況や損保協会の活動のほか、2011年(平成23年)3月11日に発生した東日本大震災への対応についてもまとめられています。

損害保険業界では、東日本大震災の発災当日に史上初めてとなる「大規模地震損害処理体制」の実施を決定し、損保協会が「地震保険中央対策本部」や「現地対策本部」を設置して対応したほか、会員各社に対して他社との契約であったり契約会社が分からない場合の問い合わせや相談にも適切に対応するよう徹底するなどの取り組みを行いました。また、衛星・航空写真による全損地域の一括認定や手続の簡素化、弾力的な運用などにより迅速な保険金支払いを図っています。

震災以前からの取り組みについても、「全国交通事故多発交差点マップ」のホームページでの公開や自動車事故の実態や提言をまとめた「自動車保険データに見る交通事故の実態」作成などの交通安全対策、「ぼうさい探検隊」の実施や全国統一防火標語の募集といった防災対策について紹介されています。

『ファクトブック2011』は損保協会ホームページに掲載されているほか、26,000部を印刷して自治体の消費者担当部署や消費生活センターなどに配布します。冊子は1部105円(税込、送料別)で頒布も行います。

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エピペンなど6成分10品目を薬価収載

厚生労働省は、2011年(平成23年)9月22日付で6成分10品目の医薬品を薬価収載しました。

自己注射式のアナフィラキシーショック補助治療剤、エピペン注射液0.3mgと0.15mgも収載され、それぞれ10,950円と8,112円の薬価が設定されました。プリックテストなどでアナフィラキシーの危険性が高いと診断されると保険適応となり、これまでは全額だった患者の自己負担が3割に軽減されます。

エピペンは2003年(平成15年)に0.3mgが蜂毒に起因するアナフィラキシーショックを適応として承認されました。2005年(平成17年)には食物や薬物などによるアナフィラキシーへの適応と、体重30kg以下の小児向けに0.15mgの追加が行われています。

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試験確認を受けず販売のガソリン携行缶を回収

矢澤産業(長野県飯田市)は、法令で定められた試験確認などを受けていないガソリン携行缶を販売していたとして、該当する製品の回収を始めました。

5Lから20Lまでの容量の7製品のうち、ベトナムで製造したロットKF-01の表示があるものが該当します。

ガソリン携行缶は、危険物保安技術協会による性能確認や日本船舶用品検定協会などが行う国連勧告への適合検査を受けて基準に適合していることを示す表示を行う必要がありますが、回収の対象となった製品は性能確認などを受けていませんでした。

矢澤産業では、2011年(平成23年)6月にも溶接の不具合からガソリンが漏れる恐れがあるとしてガソリン携行缶の回収を行っています。

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南三陸町の被災者支援バス“LOVE CROSS BUS”

東日本大震災で被災した南三陸町(宮城県)で、日本赤十字社の支援を受けて登米市の応急仮設住宅と町の旧市街地を結ぶバスの愛称が「LOVE CROSS BUS ~心と心をつなぐバス~」と命名され、2011年(平成23年)9月25日に南三陸町のスポーツ交流村で開催された第6回「復興市」で出発式が行われました。

南三陸町の旧市街地と登米市に建設された仮設住宅はおよそ30km離れていることから、通学や通院、買い物など日常の移動手段として1日5便を運行します。バスには「心と心をつなぐ」をテーマにしたデザインのラッピングが施され、車内に世界の子供たちから贈られた絵画やメッセージを展示しています。

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2011年9月25日

東日本大震災からの復興へ国交省に要望 岩手県

岩手県の達増拓也知事は、就任後初めて岩手県を訪れた前田武志国土交通大臣に、積極的な財政支援などを求める要望書を提出しました。

要望書では、東日本大震災により大きな被害を受けた沿岸地域は被災以前から地域経済が弱いとして過去の災害による特別措置の前例にとらわれない財政措置を求め、岩手県からも10件を提案している復興特区についても、地方の意見を十分に反映して制度の早期実現を要望しています。

道路や港湾などの災害復旧事業への国庫補助引上げや適用範囲の拡大、壊滅的な被害をうけた三陸鉄道への全面的な支援、三陸縦貫自動車道などの主要道路を「復興道路」として5年以内に全面開通させることを要請したほか、住宅確保のための制度整備や財政措置、未払いの住宅ローンなどによる二重債務問題の解決に向けた支援を求めました。震災の記憶を語り継ぎ、防災施設としての機能も備えた「メモリアル公園」を国営公園として整備することも要望として挙げています。

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2011年9月24日

消防団員等公務災害補償責任共済の掛金を大幅増額

消防団員等公務災害補償等共済基金は、東日本大震災により殉職した消防団員の遺族に支払う遺族補償年金や遺族特別援護金などの支払いに必要な経費が不足するとして、消防団員等公務災害補償責任共済に加入する市町村などが支払う掛金を増額します。

基金が保有する資産は、過去の公務災害により支給する公務災害年金分に充てる責任準備金が166億円、福祉事業年金の給付などに充てられる変動調整準備金が68億円(いずれも2010年度(平成22年度)決算)となっています。また、変動調整準備金のうち32億円は過去に発生した支給事由による福祉事業年金に使われるため、今回の震災に充てることができるのは36億円にとどまります。一方、東日本大震災で被災した消防団員や消防協力者、遺族に対する補償のため2011年度(平成23年度)だけで60億5千万円が必要で、2012年度(平成24年度)以降に支給する公務災害年金176億円を合わせると、不足額は230億5千万円に上ります。

このため、不足額を消防団員などの定員で割った額を2011年度分の掛金増額により賄うことになり、団員一人当たり1,900円だった掛金が24,700円へ大幅に引き上げられました。また、掛金引き上げによる市町村の財政負担を軽減するため、国の第2次補正予算で計上された特別交付税を不交付団体を含めた各自治体に配分することが決まっています。

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WTC崩壊は突入旅客機のアルミニウムが原因との説

2001年(平成13年)9月11日のアメリカ同時多発テロで世界貿易センタービルが崩壊したのは、航空機に使われているアルミが溶けてスプリンクラーの水と反応して爆発したためであるとする説が発表されました。

ノルウェー産業科学技術研究所(SINTEF)のクリスチャン・シメンセン主任研究員によるものです。ツインタワーの北棟と南棟には、突入した旅客機の機体から溶けたアルミニウムが約30トンずつ流れ込んだと考えられるとしたうえで、溶けたアルミニウムがスプリンクラーの水と反応して数百℃に達し、この反応で生じた水素が爆発、ビルの上部が下の階を押しつぶしながら崩壊した可能性があるとの見方を示しています。

1980年(昭和55年)以降、アルミニウムを使用する工場などでは水とアルミニウムが接触して爆発する事故が250件以上報告されていて、アメリカの軽金属メーカー、アルコア社による実験では、20kgの溶融アルミニウムに錆の混入した20kgの水を反応させて起きた爆発で実験用の建物が破壊され、直径30mのクレーターができたとのことです。

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津波防災の観点から見た震災復興の課題

国立国会図書館は、立法調査資料『調査と情報 ―ISSUE BRIEF―』第724号「東日本大震災と復興まちづくり ―津波防災の観点から―」で、復興に向けた現状と課題を分析しています。

震災後の国や岩手、宮城、福島の3県によるこれまでの取り組みをまとめたうえで、津波防災の重要な要素として注目されている住宅地の高台移転について課題を整理しました。

現行の制度で、高台移転に活用できるものとしては「防災集団移転促進事業」が挙げられますが、国による補助は経費の4分の3にとどまります。宮城県は、高台移転を検討している12市町59地区(13,900戸)の基盤整備に市町が負担する額は8591億円に達すると試算、平成22年度当初予算の額が合計2148億円にとどまる12市町では財政負担に耐えられないとして補助上限の撤回が求められています。

漁業、水産業に従事する住民が多く、職場となる港から離れたところに住居を移すことへの抵抗感や用地確保の困難さ、急斜面を切り崩して移転先を造成することによる土砂災害危険の増大なども指摘したほか、阪神・淡路大震災の教訓から地域住民のつながりやコミュニティ維持への配慮も欠かせないとしています。

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大阪市消防局、新消防艇の愛称を募集

大阪市消防局では、2011年度(平成23年度)に更新する消防艇の愛称を募集します。

愛称はひらがな7文字以内の、水の都大阪を守る消防艇にふさわしいもので、歴代の消防艇で使われた船名と同じものや似たもの、人名に由来するものではないことが条件となっています。応募できるのは大阪市内に在住、在学、在勤の方で、電子メールかはがきで2011年10月3日から11月15日(はがきは当日消印有効)まで受け付けます。

新しい消防艇は、全国で初めて船室の高さや喫水(船の沈み量)を変えて水面からの高さを下げ、低い橋の下を通過できる機能を備えたものとなります。

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2011年9月23日

週間情報 平成23年9月20日 No.2235

両会の動き

要望活動を実施

全国消防長会は、「東日本大震災に伴う財政措置について」と「消防長及び消防署長の任命資格について」の要望を行いました。

東日本大震災では消防本部や消防署の庁舎、車両、資機材などが壊滅的な被害を受けました。2011年度(平成23年度)第一次補正予算で復旧のための財政措置が講じられたものの、実際の復旧には自治体による復興計画の策定や用地取得、調整などに数年はかかると考えられるとして長期的な財政支援を求めました。

また、震災において消防が大きな役割を果たしたことで、消防組織のトップである消防長や消防署長の職責が改めて明らかになったとして、地域分権改革推進委員会の第二次勧告で求められた資格要件の見直しについて、条例委任ではなく法令に努力義務規定を設けるなど国として資格要件について一定の位置づけを行うよう要望しています。

平成23年度消防長研修会の開催予定

東海支部を除く9支部の研修会開催予定が掲載されています。

消防本部の動き

県境を越えたラピッドカー(ドクターカー)の運用を開始 稲敷地方広域市町村圏事務組合消防本部(茨城県)

稲敷広域消防では、日本医科大学千葉北総病院(千葉県印西市)と協定を締結、2011年9月9日からラピッドカー(欧州型ドクターカー)の運用を始めました。

ドクターカーとの連携で救命率を向上 湖南広域消防局(滋賀県)

湖南広域消防局は、済生会滋賀県病院(滋賀県栗東市)とドクターカー運用についての協定を締結しました。病院が所有する救急車をドクターカーとするもので、2011年9月12日に運用を開始しています。

国等の動き

平成23年度違反建築防止週間の実施に対する協力依頼について 総務省消防庁

2011年度は10月11日からの1週間を基本期間として実施される違反建築防止週間の実施について、国土交通省から総務省消防庁などに協力依頼がありました。

平成23年8月の熱中症による救急搬送の状況 総務省消防庁

2011年8月中の熱中症による救急搬送について取りまとめられました。

ライブハウス等における防火安全対策について(情報提供) 総務省消防庁

東京都内のライブハウスでガソリンをまいて放火殺人を図った事案が発生したことを受けて、警察庁が各都道府県の警察本部に通知を発出しています。

危険物の規制に関する規則等の一部を改正する省令の一部を改正する省令(案)に対する意見募集の結果及び省令の公布 総務省消防庁

東日本大震災の被災地について、ガソリンスタンドなどの地下貯蔵タンクに対する流出防止措置義務化の経過措置期間を3年延長する改正省令が公布されました。

「泡消火設備の基準に関する検討報告書」の公表 総務省消防庁

バイオエタノールを混合したバイオガソリンを貯蔵する屋外タンク貯蔵所に備える固定泡消火設備は、エタノールと同等の基準とすることが適当などとした報告書が取りまとめられました。

平成23年(1月~3月)における火災の概要(概数) 総務省消防庁

2011年1月から3月の火災件数は15,503件でした。およそ8分に1回のペースで発生した計算になります。なお、取りまとめに当たっては宮城県と岩手県、福島県のデータが除外されています。

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GPSデータから東日本大震災の地殻変動を解析

国土地理院の地殻変動研究室が、1秒程度の短い間隔で観測点の動きを推定するキネマティック解析により解析した、東日本大震災に伴う地殻変動の時間発展を動画化して公表しています。

2011年(平成23年)3月11日14時46分の東北地方太平洋沖地震本震と、15時15分の最大余震について、電子基準点のデータとGPSの精密軌道情報、時計情報から1秒ごとの地殻変動を解析しました。

動画では水平変動を矢印、上下変動を色で表現し、震央から同心円状に地震波が広がっていく様子や、震源に近い男鹿半島の2段階の地殻変動などが読み取れます。

今回の解析は地震の発生後しばらくたってから公開されたGPSの精密軌道情報と時計情報を使って行われましたが、キネマティック解析を常時実施してリアルタイムで地殻変動を観測すれば地震の規模の把握や津波の予測に活用できることから、国土地理院ではリアルタイムでキネマティック解析を行うための研究開発を進めるとのことです。

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検定協会だより 平成23年9月 第369号

巻頭のことば
東日本大震災を踏まえ一層の消防力の充実強化を目指して
川崎市消防局長 福井昭久

川崎市の現状や、消防局の施設整備、救急隊増強など「安全で快適に暮らすまちづくり」を推進するための取り組みについて。

消防用機器に係る海外の認証制度及び認証機関等に関する調査研究事業について
【アメリカ・イギリス編】②

アメリカとイギリスで認定を受けている認証機関のリストや、両国の規格と日本の「検定対象機械器具等」14品目の対応表などが掲載されています。

第34回ISO/TC21/SC5スイス会議報告

2011年(平成23年)6月にスイス・ヴィンタートゥールで開催された、ISO/TC21/SC5(国際標準化機構/消防器具/水を使用する固定消火設備分科会)の概要が掲載されています。

日本が求めていた、錆や析出物対策としてバルブの可動部に隙間を設ける規定の削除について、日本国内で使われている製品では隙間が少なくても問題が生じていないなどの理由から伝統的なクラッパータイプに限定するとした提案が採用されました。また、各国の国内規格との整合性などから折り合いがつかず会議が長期化することがあったことから、ISO中央事務局より合意が難しい場合の対応について情報提供がありました。

―協会試験施設の紹介―
音響試験場・情報館に施設した無響室及び測定室

無響室の使用や内部の構造を写真を交えて紹介しています。

第11回レスキューロボットコンテストPR用展示ブース運営結果

2011年8月に神戸市で開催されたレスキューロボットコンテストの日本消防検定協会PRブースの模様が掲載されています。

随想 消防防災に想う(第30回)~ISO/TC21について(その5)~

ISO/TC21(国際標準化機構/消防器具)への参加に至る経緯や、突っ込んだ議論は親しい間柄同士のプライベートな会談で行われることが多く、日常的な付き合いでの根回しが採決に影響するなどの実情が紹介されています。

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文部科学省、被災児童・生徒の就学事務処理について通知

文部科学省は、東日本大震災により被災して避難している児童、生徒や就学予定者に関する事務処理上の留意点を都道府県と政令指定都市の教育委員会に通知しました。

学校教育法の規定で、次年度から小学校や中学校などへ通う就学予定者の学齢簿を10月末までに編製する必要があることから、2011年(平成23年)8月31日付け事務連絡として発出されました。

避難元に住民票を置いたまま避難している就学予定者について、全国避難者情報システムを活用するほか、ポスターや広報誌、ホームページなどで呼びかけて就学予定者を把握する必要があるとした上で、原則として避難先の自治体が設置する学校を就学先として学齢簿の編製や健康診断などの事務処理を行うことを求めています。避難元の自治体が避難先に学校を開校していて、就学予定者が通学を希望する場合は、避難元の自治体が学齢簿を編製するとしました。

避難元の学校に籍を置いたまま避難先自治体の学校に通っている児童や生徒が翌年度以降も通うことを希望する場合には、区域外就学とするか避難先自治体で学齢簿を編製して転学の手続きを取るなどの対応が望ましいとしているほか、原発避難者特例法の指定市町村から避難している就学予定者について特例的な事務処理を行う可能性があるとしました。

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2011年9月22日

国立環境研究所、災害廃棄物の火災予防資料を公表

国立環境研究所が、積み上げて仮置きした可燃性廃棄物からの火災を防ぐための注意事項を取りまとめています。

可燃性の廃棄物を積み上げる際は、高く積み上げると内部の発熱が表面からの放熱速度を上回るおそれがあるため1つの山の高さを5m以下とすることや、火災時の延焼防止や消火活動を容易にするために面積は200m2以下、山と山の間隔を2m以上確保するよう求めています。また、ガスボンベやライター、バイクのように燃料を含むものや電化製品、電池など火花が出る可能性のあるものの混在や近接を避ける、山の上で作業する重機の位置を毎日変更して同じ場所に転圧しない、積み上げたまま放置せず数週間に一度は切り返しを行うなどの予防策を示しています。

繰り返し雨が降ると積み上げた廃棄物の内部温度が上がりやすくなるほか、深層温度は気温より1~2か月遅れで上昇するため10月下旬ごろまでは注意が必要とした上で、1週間に一度は表層から1m程度の深さの内部温度や一酸化炭素濃度を測定するなどモニタリングを実施、異常があった場合は状況に応じて切り返しや覆土による窒息消火などで対応するよう求め、法肩部分や小段部分の危険性が高いとして特に重点的に点検することが望ましいとしました。

積み上げた廃棄物全体をシートで覆ったり大量に散水すると火災の危険が高くなることから、飛散防止目的のシート被覆はできるだけ避け、散水は表面が湿る程度にするよう求めています。

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東日本大震災の津波現地調査結果公表 千葉県

千葉県は、東日本大震災で発生した津波についての現地調査結果を取りまとめ、公表しました。

津波により浸水した地域の浸水深や河川を津波が遡上した距離、旭市沿岸に到達した津波の等標高図がまとめられています。旭市では浸水深が3m以上に達し、津波の標高が6.5mを超えた地域があったほか、利根川を津波が遡上した距離は18.8km、東京湾側の木更津市北部に河口がある小櫃川でも9.8kmの遡上が確認されたとのことです。

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国立国会図書館『レファレンス』 東日本大震災特集

国立国会図書館の月刊誌『レファレンス』2011年(平成23年)9月号で東日本大震災を特集しています。

「東日本大震災と国土計画の今後の課題」では、2008年(平成20年)に決定された国土形成計画(全国計画)にいたるまでの国土計画における災害対策の変遷や経緯について示したうえで、東日本大震災からの復興や地震・津波防災対策のほか、防災・減災の観点から3大都市圏に人口や都市機能が集中している現状の見直しに言及しました。

「被災者の生活支援と雇用対策の現状と課題」は既存制度の想定を超えた災害のため被災者生活再建支援金や義援金の支給、配分が遅れている現状を指摘したほか、当面の雇用対策にとどまらない高い付加価値を生む新産業の創出による安定的な雇用の確保、そのための人材育成や教育訓練の充実を求めています。そのほか、インターネットやソーシャルメディアが活用されるなどしたメディアの特徴的変化に触れた「東日本大震災における災害情報提供について ―メディアの特徴的変化と今後の課題―」、アメリカ軍の人道支援の位置づけについて検討した「米軍の海外における災害救援と民生活動 ―「トモダチ作戦」の外交・軍事戦略的背景―」、「中国四川大地震から3年 ―復興再建の経緯と課題―」、復興支援目的の税負担類似例として、旧東ドイツ支援のために導入されたドイツ連帯付加税についての短報が掲載されています。

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2011年9月21日

使い捨てライター規制、経過措置終了で完全実施へ

使い捨てライターや多目的ライターに、子供が容易に扱えないようチャイルドレジスタンス機能を備えることなどを義務付けた改正消費生活用製品安全法施行令の経過措置期間が、2011年(平成23年)9月26日で終了します。

子供が使い捨てライターで火遊びをして火災となる事故の多発を受けて2010年(平成22年)12月に消費生活用製品安全法施行令が改正されました。改正により、使い捨てライターと多目的ライター(点火棒)についてチャイルドレジスタンス機能や炎の高さの制限、子供が興味を持ちにくいよう玩具(ノベルティー)型でないなどの技術基準に適合することが義務付けられましたが、経過措置として基準に適合しないライターの販売が認められていました。

経過措置の終了により、2011年9月27日以降は登録検査機関による技術基準への適合性検査証明や損害賠償責任保険契約などが完全に義務化され、基準適合を示す「PSCマーク」と注意事項を表示した製品以外の販売が禁止されます。

また、基準に適合しないライターを処分する際に、完全にガスを抜かずに廃棄したためにごみ収集車が火災となる事故が起きていることから、経済産業省などでは、ライターを処分するときは火の気がなく風通しの良い安全な屋外で完全にガスを抜き、各自治体のルールに従って廃棄するよう注意を呼びかけています。

2011/09/26:関連リンクに、2011年9月22日付の製品評価技術基盤機構による注意喚起を追加しました。

2011/09/27:関連リンクに、2011年9月27日付の経済産業省による報道発表を追加しました。

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2011年9月20日

三菱ふそう、大型・中型バスをリコール 火災のおそれも

三菱ふそうトラック・バスは、2004年(平成16年)12月から2009年(平成21年)9月にかけて製造した「ふそうエアロミディ」と「ふそうエアロスター」のエンジンから燃料が漏れ、火災に至るおそれがあるとして国土交通省にリコールを届け出ました。

届出は2011年(平成23年)9月20日付けで、エンジンの高圧燃料噴射パイプの製造時のばらつきのため、噴射パイプのコネクター部分に亀裂が入って燃料が漏れてエンジン上部のロッカーカバー(シリンダーヘッドカバー)の溝にたまる可能性があります。たまった燃料が車両の挙動などにより外部に漏れ出して引火する恐れがあり、これまでに火災が2件発生しています。

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2011年9月19日

東京都、「都市計画公園・緑地の整備方針」の改定案

東京都と区市町が「都市計画公園・緑地の整備方針」の改定案を取りまとめ、意見を募集しています。

現在の整備方針は2006年(平成18年)に策定されたもので、優先整備区域とされた454ヘクタールのうち、東京臨海防災公園(江東区)など273ヘクタール(優先整備区域の約60%)が開園しています。

一方で、東京都全域で都市計画が決定されている公園・緑地のうち供用されているのは約4,900ヘクタールで、計画決定された約10,800ヘクタールの45パーセントにとどまります。住民一人当たりの公園面積も、都市計画決定に含まれない公園や緑地を含めても約5.7m2で、海外の主要都市を大きく下回っています。都市公園・緑地としての整備が進まない区域には、売却により整備事業の支障となることが懸念される企業所有の運動場や、土地の細分化や財源不足により長期間事業が行われずまちづくりの観点からも問題が生じているところがあります。

改定案では、防災都市公園づくりに重点を置き、環境保全や多様な活動の場としての役割なども踏まえて選定した208か所の「重点化を図るべき公園・緑地」の中から、2020年度(平成32年度)までに優先的に事業を進める「重点公園・緑地」154か所と優先整備区域429ヘクタールを設定しています。震災対策として、木造住宅密集地域周辺の避難場所と環状7号線周辺の公園・緑地の確保、拡大に重点を置き、和田堀公園(杉並区)や上板橋公園(板橋区・練馬区)、篠崎公園(江戸川区)などの拡大を進めます。また、西武グループの遊園地「としまえん」(練馬区)の敷地を含む約22ヘクタールを練馬城址公園として事業化を図るとしています。

都道府県知事の認可を受けて民間事業者が都市計画事業を行う「特許事業」や、特例許可で公園的空間を整備する民設公園制度、民間都市開発と連携したまちづくりなど、多様な主体との連携による公園・緑地の拡大にも取り組みます。

意見は2011年9月20日から10月19日まで(郵送の場合は当日消印有効)、郵送か電子メール、FAXで受け付けます。

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2011年9月18日

大阪市、下水道震災対策の基本プラン案取りまとめ

大阪市建設局は、「東日本大震災を踏まえた緊急ドラフトVer1.0大阪市建設局・地震津波対策基本プラン(下水道編)(案)」を取りまとめ公表しました。

2011年(平成23年)3月の東日本大震災では、地震の揺れによる被害よりも津波被害の方が大きく、下水処理場に海水がたまったり(湛水)、下水管に土砂が流れ込むなどして詰まる(管渠閉塞)ことによって下水処理能力が失われました。設備の復旧も長期化し、先に復旧した上水道の使用が始まると未処理の下水がマンホールからあふれて(溢水)、汚水をそのまま河川放流しなければならないなどの影響がありました。

プラン案では、市の下水道施設が既存ストックとして持つ「強み」と「課題」を認識して、ソフト・ハード面の対策やBCP(事業継続計画)の策定などを進めるとし、津波と地震動(揺れ)への対策、下水道事業継続計画の骨子のほか、災害に強いエネルギー対策として「下水道・スマートエネルギーシステム基本構想」を示しています。

大阪市の下水道は、浸水対策を主要事業の一環とする性格や、管渠の断面積が大きい合流式下水道の採用、大深度に埋設された大規模幹線管渠などにより耐震性や内水排除能力が高いとした一方、現行想定を超える規模の津波では上町台地西側の浸水による下水道機能の喪失を想定する必要を指摘しました。また、施設・下水管の耐震化や、特に消費電力の多い下水処理場水処理系の送風機を省エネルギー型に更新し、消化ガスや下水汚泥の燃料化するなどの対策を掲げています。

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2011年9月17日

東京都、消防設備士免状の一部自主返納制度を開始

東京都では、2011年(平成23年)10月1日から消防設備士免状の一部自主返納制度を開始します。

2010年(平成22年)に行われた「国民の声」規制・制度改革集中受付で、消防設備士は資格を必要とする業務に従事していなくても講習の受講義務があり、有効期限もないために不必要な講習が負担となっているとの意見があったことから、自主返納制度の導入について平成23年度中に結論を出す方針を2011年4月に閣議決定、総務省消防庁が7月に事務処理要領を改正して免状の全部・一部返納を制度化していました。

東京都で一部自主返納を受け付けるのは、返納を希望する免状に東京都知事が交付したものが含まれている場合で、東京消防庁の消防署と消防分署、消防出張所(稲城市と島しょ部は除く)と財団法人消防試験研究センター中央試験センターが受付窓口となります。

資格を必要とする業務に従事していない場合は講習の受講義務がない危険物取扱者についても免状の全部返納制度が導入され、新潟県ではすでに手続ができるようになっています。

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2011年9月16日

バイオ燃料はエタノールと同じ泡消火設備 消防庁検討会

総務省消防庁は、バイオエタノールを混合したバイオ燃料に対応するには、泡水溶液量と泡放出率をエタノールと同等にすることが適当とした報告書を公表しました。

ガソリンや軽油などの危険物火災に対しては泡消火薬剤が使われますが、エタノールのような水溶性危険物では泡が消えて(消泡)消火性能が低下します。環境対策などのため普及が予想されるバイオガソリンはエタノールを3~10%含むため消泡による消火性能の低下が考えられることから、「泡消火設備の基準に関する検討会」を設置してバイオ燃料を貯蔵する屋外タンク貯蔵所の泡消火設備に求められる技術基準を検討してきました。

消火実験の結果などから、バイオ燃料を貯蔵する屋外タンク貯蔵所の固定泡消火設備にはエタノールと同じ泡水溶液量と泡放出率とすることが適当などとし、対応する規定を盛り込んだ泡消火設備の技術基準の素案を作成しました。

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iPad/iPhone向けの被災建物調査ツールを開発

独立行政法人建築研究所は、iPadやiPhoneに対応した、現地調査の省力化、迅速化が可能な「被災建物調査ツール」を開発しました。

建築研究所では、1995年(平成7年)の阪神・淡路大震災の教訓から、GIS(地理情報システム)の高度利用を図るため、2001年(平成13年)から2002年(平成14年)にかけてPDA(携帯情報端末)を使った現地調査支援ツール「City-surveyor」を開発しています。City-surveyorは、当時PDAとして一般的だったPalm OS向けに開発されましたが、現在は日本市場向けに販売されている製品がないため、東日本大震災では活用できませんでした。

新しい被災建物調査ツールは、City-surveyorの開発を受注した国際航業と協力してCity-surveyorの機能をiPadやiPhoneなどで使われているiOS向けに移植したほか、内蔵するGPSやカメラを活用して、位置の確認や現地の撮影など調査に必要な作業を1台のタブレット端末やスマートフォンだけで行えるようになっています。

東日本大震災で被災した宮城県気仙沼市では、国が直轄事業として実施している「被災地現況調査業務」に被災建物調査ツールが活用されているほか、福島県相馬市でも建築研究所の技術指導を受けた現地調査の準備が進められています。他の被災自治体からも要請に応じて技術指導などの支援を行うとのことです。

今後は機能の改善や拡張のほか、スマートフォンやタブレット端末のOSとして普及しているAndroidへの対応も進める予定です。

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総務省、電波監理システム最適化計画案の意見募集

総務省は、国の電子政府構築計画を踏まえて進めてきた「電波監理業務の業務・システム最適化計画」改定案を作成し、意見を募集しています。

現行の計画は平成17年(2005年)に定められたもので、総合無線局監理システム(PARTNER)と電波監視業務システム(MARKS)の統合やユーザーインターフェイスにウェブブラウザを活用するウェブコンピューティング化、地方局ごとの分散管理からデータベースやサーバを統合したセンター集中方式への移行などを進めたほか、電子申請機能の充実などにより業務の効率化やコスト削減を図ってきました。

一方で、電子申請を利用しても無線局免許状を受け取るために窓口へ出向くか返送用の封筒を送付する必要があり不便であるという指摘や、システム更新のため導入した機器のリース期限が平成25年(2013年)に迫っていることなどが課題となっています。また、東日本大震災の発生に伴う停電では自家発電によりシステム停止を回避できたものの、停電時間が長時間にわたる場合や重要拠点の同時被災が想定されていないことや、災害時における無線の重要性から無線局免許などの処理を行うためシステムの耐災害性強化も求められています。改定案では、これらの課題に対応するほか、年間約8億円の経費削減水準の維持・向上や電子申請率上昇によるデータ入力業務の簡素化、電子申請利用者の満足度向上を目標に掲げ、各種施策を進めるとしています。

意見の提出期限は2011年(平成23年)10月17日午後5時(必着。郵送の場合は同日中)となっています。

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平成23年度「違反建築防止週間」への協力依頼

国土交通省は、平成23年度(2011年度)の違反建築防止週間について、10月11日から17日までを実施期間の基本とすることを決め、各都道府県に通知するとともに、総務省消防庁や関係団体などに協力を依頼しています。

近年、違法に設置されたエレベータによる事故や個室ビデオ店、高齢者福祉施設の火災による死亡事故が起きていることから、フォローアップ調査を実施するなど違反建築物対策が進められています。しかし、特定行政庁によっては違反是正が進んでいない状況もあるとして、消防や警察、福祉・衛生部局などの関係機関や業界団体、地域との緊密な連携、協力を図って違反建築の防止や是正に取り組むことを求めています。

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2011年9月15日

ガソリンスタンドのタンク規制経過措置、被災地で延長

総務省消防庁は、ガソリンスタンドなどに設置されている地下貯蔵タンクに対する流出事故防止対策の猶予期限を、東日本大震災の被災地で3年間延長する省令を公布・施行しました。

危険物施設の流出事故の多くは腐食劣化によるものが約4割を占め、そのうちおよそ半数が地下貯蔵タンクなどからとなっています。また、地下貯蔵タンクは構造上、流出事故の発見が遅れる可能性が高いことから、平成23年(2011年)2月に施行された「危険物の規制に関する規則」などの改正で、既設の地下貯蔵タンクのうち特に腐食の可能性が高いものに内面ライニングや電気防食などの措置が義務付けられました。

2月に施行された省令では、経過措置の期間が施行から2年後の平成25年(2013年)3月31日までとされましたが、震災の被災地では大きな被害があったことから、タンクからの漏れを検出するための設備や漏えい検査で流出事故を早期に発見できるようにすることを条件に、経過措置期間を平成28年(2018年)1月31日まで3年延長しました。

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島根県、松江堀川の治水計画3案に対する意見募集

島根県は、松江市の市街地を流れる松江堀川の治水計画を3案作成し、意見募集を行っています。

松江堀川は高度経済成長期以降に埋立が進んだため川幅の減少や排水路の消滅など浸水リスクが増大しました。また、浸水害対策が不十分なまま宅地開発や市街化が進み、山林や田畑の減少による保水や貯水、遊水機能の低下で河川の水量が増加、浸水被害が頻発しています。一方で、松江堀川の周辺地域は武家屋敷などの観光資源や繁華街、官公庁などがあり、松江堀川自体も遊覧船の運航で観光資源となっていることから、環境や景観、観光への配慮や市民との合意形成が不可欠として意見募集を実施することになりました。

計画案は、北田川下流部分の改修や既設の洪水調整池、ため池と県立松江北高校グラウンドの整備などを行う各計画案の共通部分と、上流の水田を遊水地とする1案、北田川中流区間を上流に合わせて拡幅する2案、四十間堀川から宍道湖までの地下排水路(末次放水路)を新設する3案となっています。

募集期間は2011年(平成23年)10月14日まで(必着)となっています。また、県河川課では治水計画案についての出前講座も行うとのことです。

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「東日本大震災における東京都の対応と教訓」を公表

東京都は、2011年(平成23年)3月11日に起きた東日本大震災による被害や発災から半年間の東京都の対応、得られた教訓などをまとめた「東日本大震災における東京都の対応と教訓」を公表しました。

都内ではほとんどの地域で震度5弱以上の強い揺れに見舞われ、鉄道の運転見合わせや高速道路の通行止めによる帰宅困難者が多数発生しました。都が行ったアンケート調査では、帰宅を開始した理由として「業務や用事が終わったため」「特に理由はない」を挙げた人が多かったほか、「会社や上司、学校などから帰宅指示があったため」との回答も少なくありませんでした。東京都は、これまで行ってきた「帰宅困難者の心得10か条」などによる帰宅困難者の発生抑止ルールをさらに周知する必要があるとしました。また、一部の鉄道の駅や商業ビルで利用者が締め出されるなど、安全確保の点で不適切な対応があったと指摘しています。

都では帰宅困難者を受け入れるため一時待機施設の確保に努めましたが、あらかじめ指定された施設がなかったことや一部の施設への帰宅困難者の集中、都立学校や民間との協定に基づいて徒歩帰宅者を支援する「災害時帰宅支援ステーション」との役割分担が不明確であることによる混乱があったほか、交通渋滞、通信途絶の影響で物資の供給が困難になるなどの問題が発生しました。

多くの帰宅困難者発生や物資の供給困難につながった交通渋滞や鉄道の運転見合わせについても、道路の交通規制や自動車の使用制限を見直す必要があるとしたほか、都心部の鉄道は特に早期の運転再開が求められるとして迅速な復旧対策を講じるよう求めています。

関係機関との連絡や住民への広報などの情報通信についても多くの課題が明らかになりました。災害対策本部を中心とした報道機関への情報提供の一元化がスムーズに行えなかったことや、都や区市町村のホームページがアクセス集中により情報の更新や閲覧ができなくなるなどの問題が起きました。また、帰宅困難者に「電車の運行再開がいつになるか分からなかったため」、「家族と連絡が取れず、安否が気になったため」との回答も多かったことから、交通機関や安否に関する情報提供を充実する必要があるとしています。

東京都では、取りまとめた教訓や専門家、区市町村の意見などを踏まえて2011年11月をめどに「東京都防災対応指針(仮称)」を策定するとのことです。

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2012年度全国統一防火標語の募集開始

日本損害保険協会は、2012年度(平成24年度)「全国統一防火標語」の募集を開始しました。

標語の募集は、防火意識の高揚や普及啓発のため1966年度(昭和41年度)に始まり、今回で47回目です。今回の選考委員は教育評論家で法政大学教授の尾木直樹さんのほか、総務省消防庁と損保協会の関係者が務め、入選作品は協会が作成する防火ポスターなど、広く防火を呼びかけるために使われます。

締め切りは2011年11月30日(郵送の場合は当日消印有効)で、パソコンやスマートフォン、携帯電話のほか、郵送でも受け付けます。個人が郵送で応募する場合ははがきに限り、封書での応募は無効となります。また、企業や学校などで取りまとめて応募する「団体応募」も受け付けています。

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2011年9月14日

群馬・埼玉・新潟3県内の自主防災組織活動事例集

群馬県と埼玉県、新潟県の3県内で活動する自主防災組織の活動事例集が公表されました。

上越新幹線や関越自動車道で結ばれている3県が協同することで圏域の発展を目指すため開催されている三県知事会議の議題の一つとなった「防災協力体制の可能性の共同研究」の一環として取りまとめられました。自主防災組織の取り組みが各県5事例ずつ、合計15事例掲載されています。

事例が紹介されている自主防災組織の多くは阪神・淡路大震災や新潟県中越地震など大きな災害や地元の被災を契機に結成されました。新潟県内の自主防災組織では中越沖地震の際に被災経験や訓練など平時の取り組みが役に立ったとしているところがあるほか、火災発生時の初期消火を行うことができたなど大きな災害以外でも自主防災組織の活動が有効であることが分かります。

一方で、多くの自主防災組織が住民やメンバーの高齢化に伴う組織の世代交代や災害時要援護者への対応を課題として挙げ、若い世代が仕事のため地元を離れている日中の災害にどのように備えるかなどを検討する必要があるとしています。

作成された事例集は3県内の市町村や自主防災組織などに配布されるほか、各県のホームページにも掲載されます。

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新潟県と東北電力が災害に強い電力システムの実証試験

新潟県は、東北電力と協力してスマートグリッド(次世代送電網)と太陽光発電などを組み合わせた「にいがたスマートコミュニティ」の実証事業を粟島(粟島浦村)で行います。

県では、スマートグリッドを基盤として太陽光発電などの再生可能エネルギーを活用した、災害にも強いシステムとしてにいがたスマートコミュニティ事業を推進しています。今回の実証試験では、小規模な電力系統と再生可能エネルギーの調和を図るための制御手法について検証するため、太陽光発電の出力変動を安定させるために蓄電池を使って補償する制御装置や電力の状態を確認できるスマートディスプレイを設置します。

2011年(平成23年)9月15日に現地の事前調査を行って機器の設置場所やスケジュールなどを決めたうえで、10月上旬ごろから実証試験を開始するとしています。

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週間情報 平成23年9月13日 No.2234

消防本部の動き

沖縄電力(株)と合同訓練を実施 那覇市消防本部

那覇市消防本部の高度救助隊と特別救助隊、沖縄電力中央電力指令所、沖電工が参加して2011年8月30日に行われた鉄塔救助合同訓練の模様が掲載されています。

国等の動き

「平成23年度救助技術の高度化等検討会」の開催 総務省消防庁

広範囲にわたって多数の建物が倒壊すると予想される大規模地震災害に対応するため、大規模耐火建物の倒壊・座屈現場での消防隊の部隊運用や警察、医療機関、建設業者などの関係機関との連携のありかたを検討します。

検討結果に基づいて指針を作成し、平成23年度内に報告書として取りまとめて公表される予定です。

「旧法屋外タンク貯蔵所の保安検査のあり方に係る調査検討会」の発足 総務省消防庁

容量1万キロリットル以上の屋外タンク貯蔵所の流出事故は、昭和52年(1977年)の「危険物の規制に関する政令」改正以前に設置されたで発生していることから、大規模流出につながる可能性の高いタンク底部からの流出事故を防ぐための評価手法などを検討します。

平成22年救急・救助の概要 総務省消防庁

平成22年(2010年)中の救急業務と救助業務の実施状況が取りまとめられました。

救急車の出動件数は546万2,848件(対前年比6.6%増)、搬送人員は497万8,701人(同6.3%増)でいずれも過去最多となりました。一方で救急搬送人員に占める軽症者の割合は50.4%となり、平成18年(2010年)の52.0%から4年連続で減少しています。

救助隊の出動件数は交通事故によるものが2万9,015件(全件数の34.4%)で最も多く、実際に現場で救助活動を行った件数では建物等による事故(1万9,232件、全件数の35.0%)が第1位となっています。

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2011年9月13日

トラック運転手の帰着先、営業所でなく被災地拠点も可能

国土交通省は、東日本大震災の被災地に拠点を設けて復旧・復興活動を行うトラック事業者を対象に、被災地拠点を運転手の所属営業所とみなす特例措置を創設しました。

トラック事業者は、国土交通省の告示で定められた基準により運転手を144時間(6日間)以内に一度所属する営業所に戻さなければならいことになっていますが、被災地から離れた所属営業所へ帰るために業務を中断する必要があるとして規制の緩和が求められていました。

今回の特例措置では、運転手が睡眠をとれる施設や車両の保管場所の確保、アルコール検知器を使った点呼を確実に実施するなどの要件を満たした被災地拠点の届出を行うことで、被災地拠点を所属営業所とみなして戻ることで告示の基準を満たすことが可能になりました。

特例措置は、平成23年(2011年)9月13日から1年間実施されます。

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ソフトバンク携帯電話も災害情報の配信対応へ

ソフトバンクモバイルは、国や地方公共団体が発表する災害や避難などに関する情報を対応携帯電話に一斉配信するサービスを開始します。

サービス開始は2012年(平成24年)2月以降を予定し、すでにサービスを行っている緊急地震速報と、新たに配信を開始する「災害・避難情報」を合わせて「緊急速報メール」として提供します。2011年(平成23年)秋冬モデル以降の携帯電話とスマートフォンが対応する予定となっているほか、販売時点で非対応のスマートフォンについてはソフトウェアの更新で対応するとしています。

KDDIと沖縄セルラーもau携帯電話向けに同様のサービスを2012年春から開始する予定で、2011年秋冬モデル以降で対応すると発表しています。

NTTドコモの「エリアメール」は、2007年(平成19年)12月のサービス開始後、同月中に緊急地震速報以外の災害情報にも対応しており、携帯電話3社で同等の防災情報が入手できるようになります。

情報の配信を希望する国や地方自治体などの機関は各社への申し込みが必要となります。情報を配信する機関が負担する費用は、ソフトバンクと2011年7月に料金を改定したNTTドコモは無料、auは2011年6月の発表時点では有料としています。携帯電話の利用者が情報を受信する場合は各社とも申し込み不要で、月額利用料や通信料などはかかりません。

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要救助者の検索に呼吸や汗の成分を使う手法、英大学研究

人の呼気や汗、皮膚の老廃物などに含まれる化学物質を検出して、がれきの下に閉じ込められた生存者を見つける手法がイギリス物理学会の学会誌『Journal of Breath Research』に掲載されました。

ラフバラ大学のポール・トーマス教授(分析化学)らのチームによる研究で、大人一人ぶんのスペースがある箱に被験者が6時間入り、がれきを疑似化した経路を通過した二酸化炭素やアンモニアなどの代謝物の量を観察しました。

実験の結果、アンモニアとアセトン、二酸化炭素が短時間でがれきを通過することが確認され、測定に必要な機器も災害現場に持ち込むことが可能であることがわかったとのことです。また、今回の実験では行われなかった尿として排泄される成分の検出や、雨などによりがれきが水に濡れて代謝物が吸収される可能性について、さらに研究を進める必要があるとしています。

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2011年9月12日

佐賀県、地域防災計画修正の骨組みを公表

佐賀県は、「佐賀県地域防災計画の修正のための骨組み」を取りまとめ公表しました。

東日本大震災を受けて進めている県地域防災計画見直しの一環として策定されたものです。「命を守るスムーズな避難への対応」として、各市町の外や県外への避難が必要となった場合に県が避難先を調整して確保するとし、「広域・長期に及ぶ大規模災害への対応」として救援物資の受入れ・配送や義援金配分についての規定や目標を整備、応急住宅対策として民間賃貸住宅の媒介や仮設住宅建設候補地の事前把握などを進めます。

「大規模な原子力原子力災害に備えた原子力防災対策の充実・強化」としては、避難指示や自主避難に備えて避難計画を策定する市町の範囲を拡大したほか、行政機関の退避先を確保し、オフサイトセンター代替機能を原子力発電所の半径30km圏外に設けます。情報伝達や広報も強化し、臨時災害放送局(災害FM)や「エリアメール」等の携帯電話向け緊急情報配信サービスを活用、事故の状況に応じてコールセンターを設けて24時間住民からの相談を受け付けます。情報は速やかに公表するとした上で、入手した情報と得られていない情報を明確に区別できるようにします。また、デマなど誤った情報への対応を県災害対策本部の所掌業務として明確化します。

国に提案すべき事項としては、東海・東南海・南海・日向灘の連動地震による津波の高さの想定や消防団員福祉共済への財政支援のほか、原子力災害による避難指示や防護対策の実施、解除、食品の出荷制限の基準の明確化、保存・管理などが容易な安定ヨウ素剤の開発などを挙げています。

佐賀県では、骨組みに沿って県地域防災計画の見直しを進め、県議会への計画案の提示や意見募集などを行ったうえで平成23年度(2011年度)中に新しい計画を策定する方針です。

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関西広域連合、防災・救急医療などの広域計画案意見募集

関西広域連合は、「関西防災・減災プラン(仮称)」や「関西広域救急医療連携計画」など5つの分野別広域計画の中間案を公表し、意見を募集しています。

「関西防災・減災プラン(仮称)」の中間案は、阪神・淡路大震災や東日本大震災などの課題や教訓を踏まえ、府県が単独で対応することが困難な大規模災害を対象とします。想定する災害は東海・東南海・南海地震や近畿圏直下型地震、風水害のほか、原子力災害や新型インフルエンザなどの感染症とした上で、すべての計画を一度に作るのではなく、対策を急ぐ必要のある東海・東南海・南海地震を念頭に地震・津波対策編を優先して策定します。およそ100年周期で発生する規模の巨大地震を「レベル1」、約1,000年周期で発生する超巨大地震を「レベル2」として、レベル1に対しては防潮堤整備などのハード対策を進め、レベル2でも施設が早期に復旧可能な程度の被害にとどまるよう整備した上で、避難対策などによりハード対策が及ばない部分をカバーするとしています。原子力災害対策編については、今後の国の方針などを参考に専門部会で検討を進め、平成23年度(2011年度)内に概括的・骨格的な計画を取りまとめます。

「関西広域救急医療連携計画」の中間案では、これまでの都道府県単位で策定された保健医療計画に基づく「地域完結型の医療」ではなく、関西広域連合全体を「4次医療圏」と位置づけ、各地域の医療資源の連携により救急医療体制を充実・強化するとしています。優先度や期待される効果の高さから、ドクターヘリの広域運用と災害医療体制の充実について具体的な検討を行います。ドクターヘリの効果的な配置・運航を行うため、公立豊岡病院(兵庫県豊岡市)を基地病院として運航しているドクターヘリと同様に大阪府ドクターヘリを広域連合に移管、平成24年度(2012年度)の運航開始が予定されている徳島県ドクターヘリについても移管したうえで、それぞれ京都府南部と兵庫県淡路島への運航範囲拡大を検討するとしています。災害時の広域医療体制については、災害時のドクターヘリ運航基準策定や燃料の備蓄による給油体制の確保、ドクターヘリやDMAT(災害派遣医療チーム)の活動を調整するコーディネータの養成などを検討します。

意見は郵送、FAXまたは電子メールで2011年(平成23年)9月30日(必着)まで受け付けています。なお、計画案ごとに提出先が異なります。

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