独立行政法人建築研究所は、iPadやiPhoneに対応した、現地調査の省力化、迅速化が可能な「被災建物調査ツール」を開発しました。
建築研究所では、1995年(平成7年)の阪神・淡路大震災の教訓から、GIS(地理情報システム)の高度利用を図るため、2001年(平成13年)から2002年(平成14年)にかけてPDA(携帯情報端末)を使った現地調査支援ツール「City-surveyor」を開発しています。City-surveyorは、当時PDAとして一般的だったPalm OS向けに開発されましたが、現在は日本市場向けに販売されている製品がないため、東日本大震災では活用できませんでした。
新しい被災建物調査ツールは、City-surveyorの開発を受注した国際航業と協力してCity-surveyorの機能をiPadやiPhoneなどで使われているiOS向けに移植したほか、内蔵するGPSやカメラを活用して、位置の確認や現地の撮影など調査に必要な作業を1台のタブレット端末やスマートフォンだけで行えるようになっています。
東日本大震災で被災した宮城県気仙沼市では、国が直轄事業として実施している「被災地現況調査業務」に被災建物調査ツールが活用されているほか、福島県相馬市でも建築研究所の技術指導を受けた現地調査の準備が進められています。他の被災自治体からも要請に応じて技術指導などの支援を行うとのことです。
今後は機能の改善や拡張のほか、スマートフォンやタブレット端末のOSとして普及しているAndroidへの対応も進める予定です。
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