2011年9月28日

被災した子供のため感染症予防と被ばく対策を

日本学術会議は、提言「東日本大震災とその後の原発事故の影響から子どもを守るために」を取りまとめました。

東日本大震災の被災地では、全国的には終息傾向にあったインフルエンザの流行が起きたほか、ノロウィルスによる急性胃腸炎が拡大した避難所もありました。また、避難所にいる子供の数を把握することの難しさや、その後全国各地に避難した子供への予防接種を巡る混乱、母子手帳がなくなり予防接種の記録が確認できないなどの問題も起きています。

提言では、広範囲に及ぶ被災地や避難先で暮らす子供が確実に予防接種を受けられる体制や、感染症の発生を早期に把握するためのサーベイランスシステムの整備、母子手帳の情報を全国どこでも確認できるよう中央管理化することを求めました。

福島第一原子力発電所事故の影響による被ばくに対しては、校庭や公園など子供が活動する場所の被ばく線量を1mSv/年以下とするための除染や、健康被害への対策のため疫学研究を行う必要性を指摘しています。また、放射線の影響を直ちに排除できない状況下では、がんの大きな要因の一つであるたばこによる害を減らし、放射線を使用した診断機器の使用を必要なものに限るなど、発がん要因の排除を図ることも重要しました。将来の被ばく事故に備えるため、被ばく医療をAEDの取り扱いと同程度に重要なものと位置付けて医学・看護教育を行うことや、甲状腺被ばく予防のためのヨード剤配布を迅速、的確に行う体制の整備も求めています。

そのほか、学校施設の耐震化や、避難所・仮設住宅建設地として学校以外の場所を確保するなどの対策により教育を受ける機会が奪われないようにすることや、高校生の就職先確保、被災した子供の健康や心のケアなどについても提言しています。

(個人的には、放射線への対応を2番目に重要な事項としたことや被ばく医療をAEDと同列に扱うよう求めた点について、冷静さを欠いているのではないかと疑問を感じます。また、それでも放射線でなく感染症を最も重要な課題として示した意味を考える必要もあるでしょう。手洗い・うがい、していますか?)

関連リンク

0 件のコメント: