2011年9月28日

日本学術会議、勤務医の長時間課長労働改善へ提言

日本学術会議は、病院に勤務する医師の長時間労働を改善するため診療報酬体系の改善や労働法令の順守、住民の意識向上などが必要とする提言を取りまとめました。

提言では、勤務医の労働時間が労働基準法で定められた週40時間を大きく上回る61.4~66.4時間とする報告や当直日数の多さ、当直の翌日に十分な仮眠もとれないまま普通勤務につかなければならないといった現状を示したうえで、長時間労働や宿直中の呼び出し回数の多さが医療過誤につながる可能性を指摘しています。

課題の解決について、勤務医の長時間労働には様々な要因があり一律的な解決策は現状にそぐわないものの、個別の議論にはデータが不足しているうえに喫緊の課題であり早期に改善を図る必要があるとしました。診療報酬体系の改善で医師増員や医師個人のモチベーション向上を図ることや、コメディカルが実施可能な医療行為の範囲拡大による負担軽減など制度整備を求めているほか、医師自身もワークライフバランスを保つことの重要性を認識する必要があるとしました。

医療を受ける側となる住民にも、適切な医療機関受診や病気の予防、治療に対する理解と意識を向上させることが医師の負担軽減につながると指摘しています。また、地域医療への住民参加には医師と患者の関係を良好に保ち、病院運営への理解を深める効果が期待できるとして、行政による支援事業の実施など求めています。

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