大阪市建設局は、「東日本大震災を踏まえた緊急ドラフトVer1.0大阪市建設局・地震津波対策基本プラン(下水道編)(案)」を取りまとめ公表しました。
2011年(平成23年)3月の東日本大震災では、地震の揺れによる被害よりも津波被害の方が大きく、下水処理場に海水がたまったり(湛水)、下水管に土砂が流れ込むなどして詰まる(管渠閉塞)ことによって下水処理能力が失われました。設備の復旧も長期化し、先に復旧した上水道の使用が始まると未処理の下水がマンホールからあふれて(溢水)、汚水をそのまま河川放流しなければならないなどの影響がありました。
プラン案では、市の下水道施設が既存ストックとして持つ「強み」と「課題」を認識して、ソフト・ハード面の対策やBCP(事業継続計画)の策定などを進めるとし、津波と地震動(揺れ)への対策、下水道事業継続計画の骨子のほか、災害に強いエネルギー対策として「下水道・スマートエネルギーシステム基本構想」を示しています。
大阪市の下水道は、浸水対策を主要事業の一環とする性格や、管渠の断面積が大きい合流式下水道の採用、大深度に埋設された大規模幹線管渠などにより耐震性や内水排除能力が高いとした一方、現行想定を超える規模の津波では上町台地西側の浸水による下水道機能の喪失を想定する必要を指摘しました。また、施設・下水管の耐震化や、特に消費電力の多い下水処理場水処理系の送風機を省エネルギー型に更新し、消化ガスや下水汚泥の燃料化するなどの対策を掲げています。
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