2009年6月3日

季刊「消防科学と情報」2009年冬号

消防科学総合センターが発行している「消防科学と情報」No.95。

巻頭随想 いま!! 生き残り・生き抜く防災教育を!

東北大学大学院の今村文彦教授による、2004年(平成16年)のインド洋津波の際、イギリスから観光にきていた少女が学校で学んだばかりの知識で被害を免れた事例や、日本で津波警報発表時の避難率の低さなどから、知識の有無と危険の認識とのギャップを指摘、防災教育が重要であるとする内容です。

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特集 平成20年の地震災害について

1. 平成20年の地震災害の概要

平成20年(2008年)岩手・宮城内陸地震と岩手県沿岸北部を震源とする地震の概要と被害状況について。

2. 平成20年の地震災害に伴う緊急消防援助隊の活動状況について

岩手・宮城内陸地震と岩手県沿岸北部を震源とする地震での緊急消防援助隊の活動についてまとめられています。

緊急消防援助隊動態情報システムが非常に有効とされ、被災地域の一関市消防本部が緊急消防援助隊地域ブロック訓練の経験を生かせたとした一方、被災県の防災航空隊に過大な負担がかかったなどの問題点も指摘されました。

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3. 平成20年の主な地震について ー四川大地震、岩手・宮城内陸地震、岩手県沿岸北部の地震ー

消防大学校消防研究センターの座間信作氏による2008年中の大きな地震についてのレポート。

4. 平成20年の地震災害と緊急地震速報

2008年中のマグニチュード6以上の地震は21回、日本で津波を観測した地震は4回で、いずれも平均的な回数でした。

岩手・宮城内陸地震は、緊急地震速報の一般提供開始後初めての大きな地震で、福島県内の保育所や、宮城県内の半導体製造工場の利活用事例が報道されるなど、緊急地震速報の有効性が確認できました。

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5.岩手・宮城内陸地震における被災特性と生活再建の課題

新潟大学災害復興科学センターの福留邦洋氏による岩手・宮城内陸地震の分析。

死者、行方不明者の多くが屋外での作業や余暇活動の最中であったり、温泉施設の宿泊者、従業員であるなど、震災被害で軽視されがちな自宅外での被災であったことを指摘しているほか、新潟県中越自身でも問題となった孤立集落からの避難住民の帰村については適切な情報提供で心理的不安の軽減を図れるのではないかとしました。

応急危険度判定と罹災証明を混同するトラブルについては、栗原市では応急危険度判定の判定用紙に目的や罹災証明についての説明を加えたり、ポスターやチラシで積極的に広報を行ったことで、混同した相談や苦情は10件程度にとどまったとのことです。

6. 平成20年6月14日 午前8時43分 岩手・宮城内陸地震への対応と課題 ーその時、奥州市は揺れ動いた!そして、立ち上がったー

奥州市消防防災課の原田福一氏によるレポート。

7. 災害時における消防防災GISの活用について~岩手・宮城内陸地震等を例に~

消防防災GIS(Geographic Information System: 地理情報システム)を利用した場合に、どのように活用することが可能かについての解説。

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連載講座 連載第2回 市民消防組織の変遷

江戸の市民消防組織「町火消」について。

よく知られている町火消が発足したのは8代将軍徳川吉宗のときで、育成指導に当たったのは江戸町奉行の大岡越前守忠相でした。

連載講座 連載第7回 情報と防災

北朝鮮やイランの弾道ミサイル開発や中国の潜水艦、重要なコンピュータシステムに攻撃を加えるサイバー攻撃について。

火災原因調査シリーズ(51)・インバータ火災

広島市消防局管内で発生した、インバータ方式の電気スタンドから出火した事例について。

消防研究センターと合同で鑑識を行い、定格外のトランジスタを使用したことによる過電流が原因であることを突き止め、製品のリコールにつながりました。

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