運輸安全委員会は、実際の鉄道事故事例を例にとり、交通機関の事故防止のための気象情報活用についてのニュースレターを発行しました。
事例として取り上げられているのは、2008年(平成20年)8月に京王電鉄高尾線の高尾山口駅~高尾駅間で発生した脱線事故です。この事故は、斜面が崩壊して土砂が線路に流れ込み、そこに列車が乗り上げて発生しました。
気象庁の解析によると、事故当時、現場付近では短い時間に猛烈な雨が降っていました。また、降った雨がどの程度土壌に貯まっているかを指数化した土壌雨量指数も、大雨警報の発表基準を大きく上回り、2007年(平成19年)までの10年間の最大値に迫る状況でした。事故の直前には土砂災害警戒情報や記録的短時間大雨情報なども発表されていました。しかし、京王電鉄では、現場から約2.6km離れためじろ台駅に設置された自社の雨量計や駅員からの情報に依存しており、土砂災害の危険が高いと認識していませんでした。
ニュースレターでは、迅速な対応のためには、入手可能な情報を事前に把握した上で、活用方法などを分析したり、対応の基準などを定めておくことが有効であるとし、気象情報の提供手段も紹介しています。
関連リンク
- 運輸安全委員会ニュースレター 特集号 気象情報の有効活用 [PDF](運輸安全委員会)
- 鉄道事故インフォメーション 京王電鉄株式会社高尾線高尾山口駅~高尾駅間列車脱線事故(運輸安全委員会)
- 天気の急変から身を守るために(気象庁)
- 災害から身を守るための情報(気象庁)
- 気象台・施設等機関(気象庁)
- 民間の気象事業者について(気象庁)
- 自治体のサービスについて(気象庁)
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