2009年6月2日

東京消防庁審議会、震災対策に可搬ポンプやGPS携帯の活用を提言

東京消防庁の火災予防審議会は、軽可搬消防ポンプの活用や、GPSを搭載した携帯電話による早期災害情報収集体制の構築などを提言する「地震時における地域消防活動と災害情報収集伝達体制のあり方について」の答申を取りまとめました。

2007年(平成19年)7月の東京都知事の諮問を受けて、震災時の共助としての消防活動力向上や、GPSを搭載した携帯電話を活用した被災情報の収集、住民への情報提供などについて検討を進めてきました。

町会や自治会などを母体とする防災市民組織に整備されているC級、D級の軽可搬ポンプ活用については、中学生や高校生にポンプ操作を習熟させるなどして操作要員を増やし、住民にわかりやすいところに設置することが有効であるとしています。また、実験により、上水道に直結した消火栓は被災した場合でも多少の流水があればD級可搬ポンプにより有効な放水が可能であることを明らかにしたほか、近年の建物では1,000リットル程度の水量でも消火活動を行える可能性があるとして、雨水貯留槽のような小規模水利の活用、整備が必要と指摘しました。音声ガイダンス機能をつけたり、接続を間違えないように吸管やホースを結合したまま収納できるよう台車を改良することで、未経験者でも操作が容易になるとし、普及を図るために関係業界への働きかけを求めています。

防災訓練の推進については、町会や自治会を主体とした活動では小中学生の保護者層の参加機会に限界があるとした上で、PTAなどとの連携や、親子を対象としたり、子供連れでも参加できる訓練を実施することが効果的であるとしました。また、小中学生の保護者層には消防職団員への期待が高いことなどから、職団員の指導力を養成することが重要としています。

携帯電話では災害でもパケット通信が比較的規制されにくいことなどから、GPS機能を搭載した携帯電話を活用した災害情報収集システムの整備を求めているほか、効果的なシステム運用のため、消防団員や災害時支援ボランティアを情報収集要員とすることが望ましいとし、情報を各消防署の署隊本部などで活用できるよう地理情報システム(GIS)に集約して処理できるようシステムを整備すべきとしました。

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