国土交通省の「大規模自然災害時の初動対応における装備・システムのあり方検討委員会」は、複数の手段を組み合わせた迅速な被災状況の把握や、衛星通信の活用などを盛り込んだ提言を取りまとめました。
提言では、被災状況を広域的に把握する「鳥の目」としてヘリコプターや航空機、人工衛星などを特性に合わせて組み合わせ、複数の手段で情報収集できる体制を確保するよう求めているほか、局所的、継続的な監視を行う「虫の目」情報を収集するためには、無人航空機(UAV: Unmanned Aerial Vehicle)の研究開発を進め、水中無人探査機やリモコンボートなどを活用することが有効であるとしました。
情報伝達の即時性を確保し、大容量のデータをやりとりするための通信手段については、国土交通省が保有している衛星通信車や可搬式衛星通信システム(Ku-Sat)だけでなく、商用利用されている衛星携帯電話や高速IP通信衛星も活用し、地上回線なしで仮設イントラネットを構築するなどのリアルタイムな情報共有システムを構築することが望ましいとしています。
また、2008年(平成20年)5月に発足した緊急災害対策派遣隊(TEC-FORCE)の人員や資機材を適切に派遣するため、派遣分担や配置の決定を支援するシステムの構築することや、被災市町村などの地方公共団体への局・事務所幹部クラスのリエゾン派遣、TEC-FORCEの活動を効率化するための前線拠点の整備などを提言しました。
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